↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【2巻発売9/2】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)年末年始も新刊!
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1010/1021

898.怖いマスクの中の人

 ローズの部屋に顔を覗かせると、嬉しそうにお菓子をベッドに並べていた。さすがに食べ物をそのまま置くのは、と思ったけれど、あまりに嬉しそうなので口を噤む。大好きなお兄ちゃんが持ってきたお菓子だもの。きっと特別なのね。


「たくさんあって嬉しいわね」


 声を掛けると、慌ててお菓子の上に手を伸ばした。


「めっ! やなの!!」


「大丈夫よ、取ったりしないわ。誰にもらったの?」


「……にぃに」


 取られないと聞いて、安心したみたい。元の姿勢に戻った。今の動きや受け答えを見る限り、体調は回復しているみたいね。


「まあ、素敵なお兄ちゃんね。明日はお部屋から出られるから、レオンにお礼を作りましょうか」


「おれぇ? うん」


 だいぶイヤイヤ期は収まってきた。ちゃんと話を聞いて、ある程度叶えてあげたら悪化しないと聞いたけれど……現実はそう簡単じゃないわね。レオンが素直だったから、油断したわ。末っ子のディも同じタイプかもしれないから、覚悟しておかなくちゃ。


「お絵描きする? それとも別のこと?」


「おぉた!」


 おおた? 首を傾げる私を気にせず、ローズは歌い始めた。そこで「おうた」なのだと気づく。よく聞かせる子守唄を真似て、子ども特有の甲高い声で歌う。音程が不安定でも心に響いた。歌が終わるのを待って拍手したら、そのまま最初からループし始める。


 もしかして……寝るまで何度も聞かせたから? 子守唄の終わる場所がわからないんだわ。微笑んで聞きながら、終わりの部分でもう一度拍手した。部屋にいたマーサも同じタイミングで拍手をする。きょとんとした顔で歌をやめたローズは、褒められたと気づいたようで笑った。


「とても上手よ、レオンも喜ぶわ。明日お熱がなかったら、お部屋を出ましょうね。そのとき、こういうのをするのよ」


 取り出したのは布のマスクだ。レオンが注文したマスクは、立体タイプだった。白い立体マスクを見せて、顔に当てて見せる。くしゃっと顔が歪んで泣きそうになったところで、ゆっくりと外した。凝視しているローズは「もっかぃ」と強請る。


 時間を掛けて顔に近づけ、再び遠ざけた。マスクをしている人の中身は、いつもの母親だ。そう判断したらしく、マスクをつけても泣かなくなった。でも眉間の皴は消えない。気分が良くないけれど、我慢する。そんな態度だった。


「凄いわね、ローズはマスクが怖くないの? 立派なお姉ちゃんになれるわ」


「あたち、おねぇ……たん?」


「そうよ。ディのお姉ちゃんですもの。だからマスクなんて平気なのね」


 手放しで褒めて、マスクに好印象を持たせようと必死になる私に、ローズはもじもじしだした。その前にお店よろしく並んだお菓子を一つ摘まみ、私に「どぉどぉ」と差し出す。


「ありがとう」


 お礼を言って口を付けると、マーサにも差し出した。お礼を言って受け取った彼女の耳打ちで、新しいシーツを敷いた上に並べたと知る。なるほど……さすがマーサだわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

 お楽しみいただいておりますでしょうか?
 ブックマーク・評価などを頂けると励みになります°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°よろしくお願いします!


  ☆ 新刊 ☆  コミカライズもスタート
 icon_new04_new05.gif2026/10/16・・・『私だけが知らない』コミカライズ COMIC NOVA 連載スタート
 icon_new04_new05.gif2026/12/28・・・妻ではなく他人ですわ (1) (一迅社/一迅社ノベルス) 
 icon_new04_new05.gif2027/01/08・・・要らない悪役令嬢 (6) (竹書房/バンブーコミックス 異世界BC)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。