呪いと復讐3
「あのっ!すみませんでしたぁ!」
「だっははは!似てる似てる!」
おじさんの正確な正体を教えてもらった後。
謝罪をして許しをこう僕に対して、天を仰いで笑ったおじさんに一応は安堵。
「あの、近くのカフェの名前は…」
「ううん!すぐ隣だよ!ビル出てすぐ右のお店」
父さんが仕事もせずサボっている場所。
それは社員からも有名だと言う。
「わかりました、ちょっと話して来ます」
「久しぶりに会うか?」
「はい、小学生ぶりに会うし、話すし。あんまり記憶もないし。そんな感じです」
「そうかそうか、じゃあ自分で探してみるのも面白いからやってみなっ」
「はい…ありがとうございます」
何処か親身的で、何処か他人事のおじさん。
副社長さんだったおじさんは、名前も名乗らずに僕に背を向けて去っていく。
僕はビル内の出入り口へと向かって歩き始める。そんな時には、もう父さんのことしか頭になかった。
過去に覚えている父さんの姿や声、匂いや雰囲気。そんな記憶。
でも、そんな記憶は、今の僕が作り出した偏見に過ぎなくて。
カフェに居る人間達から見つけることなんて。
「まあ、大丈夫だろうな…」
血の繋がりって奴は結構しっかりしていそうだ。そんな気持ちと不安に駆られながら。
やっぱり外は暑い。すぐ右のカフェが視界に入る。
また違う入り口へと入る僕の心境はどうなっているのか。この緊張と緩和の狭間の葛藤を誰が感じて誰が見るだろう。
現実逃避の為ではない思考に釣られている僕は、もう店内。
レジに待ち構えていたお店の従業員に「連れの者です」そんな都会ぶりを見せて通り過ぎる。
店内は賑やかで、空いている席も見当たらないくらい。
やっぱり、僕なら一番奥の窓側の席。
そう目を奥へと向けた時。僕は目に映ったひとりの男に絞っていた。




