表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らは浅瀬で恋をする  作者: 秋乃しん
240/243

呪いと復讐2


 受付を済ませるには?いや、僕は父さんに会いに来たのか?それとも、会社の社員として来たのか。

 慣れない感覚と状況。頭の中を整理させ、落ち着かせようと必死でいる自分に焦っている。

 会社に入るや否や綺麗に取り繕った姿の男の人や女の人。男女問わずスーツ姿で、男女分かれても男達の髪型、女の髪型。性別を象徴する為の髪型。

つまらなそうに歩いて通り過ぎていく人。

そんな中で、僕みたいのが一番に、変質って感じ。


「あれ、寺田さんの倅かい?」


「えっ!?あっ、はいっ」


 後ろから声をかけられてから振り向くと、さっきの汚らしいおじさんが立っていた。


「おー!おぉぉ。さっきのぉ…少年。おじさん、汚らしいかっ?」


「えっ?いやぁ。そんなことは、ないですよ…」


おじさんに見抜かれた僕の気持ち。

動揺してしまう僕は、そのおじさんから目を逸らし、「誤魔化せているかもわからないな」そんな疑念に駆られる。


「まあまあ、それはそうと。よく似た人だなぁ」


訛りのある話し方。おじさんは綺麗な笑みで、自分の汗をハンカチで拭き取る。


「あのっ、しゃちょう…。父さんは何処にいますか?」


「あー!今日もサボってるんじゃないかな?何処かのカフェでのんびりしてそうな人だからねぇ」


「はぁ?」口からそんな文句が垂れそうだった。

しかし、おじさんがズボンのポケットからスマホを取り出したと思えば、そのスマホを耳に当てる。


「あのー…」


「あっ!ゆうっ?倅のやつ、きてるぞぉ?」


僕が次に聞こうとした言葉よりも先。

おじさんが通話相手に口を開いた。

その瞬間、僕の目の前にいるおじさんが一体どんな人なのかを測り終えている自分に、後悔していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ