呪いと復讐
東京って奴は。
人混みにでかい建造物、目がチカチカするライトの数。
だんだんと慣れ始める視界。今日の目的は父さんに会いにいくことだ。それに、住む場所も父さんと同じ家だ。移動如きでへばっていたら先が思いやられる。
コンビニに入ってアイスを買い、触れそうな段差に腰掛けて木陰でアイスを一口。
忙しそうな人、疲れていそうな人、楽しそうなカップル。通り過ぎる人々を眺めながら、僕はあの浅瀬と比較しいた。
同じようで同じではない。懐かしいようで懐かしくない。繰り返しているだけの記憶。
「おっ、ちょっとそこのお兄さん、一人か?」
唐突な声にアイスを落とした。
「あっ、あいすがぁ…」
「わりぃ!ちょっと買ってきてやるから待ってろよ!」
「いえ、大丈夫ですよ」
中年で小太りなおじさんは、僕の否定を聞かないままコンビニへ入って行ってしい、黙ってこの場を過ぎてしまっても良かったけれど、それはなんだか薄情にも思えて…。
「いいやっ」
やっぱり、余計なことは考えたくない。
無駄な人と関わるのはやめておこう。
いいや、無駄と言っては偏見がすぎるかも知れない。だから、怪しい人間と関わるのはやめておこう。
「はあ、ちょっと暑いなあ」
都会のこの籠った暑さは異常だ。
まるで、建物が人の熱気を反射しているようだ。
そろそろであり、この辺りだ。
父さんの会社ということは聞いていたけれど、父さんが社長ということなのか、それともただの社員として働いているだけなのだろうか。
まあ、どちらにせよ。僕が父さんの会社へ入社したかったので、特に気にはしていないけれど、コネ入社ということには変わりなくて、上手くやって行ける気はしていない。
前向きに成れないでいた中、ひとつの高いビルを見上げている。
そして、そのビルこそが父さんの会社だということを確信していた。
【寺田 しん 村おこし・街おこし】
なんとも主張の強い会社だ。
ちょっぴり恥ずかしい。




