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浅照間島2
「まあ、僕も父さんのことはよくわからないけど。一回でいいから会いに行くつもりだよ。それに、僕もひとつ。やりたいことが増えたんだ」
夏休みも中旬。
何かを忘れたことなんて後回しに、僕はこの街のことと同時に自分の将来について考え始めている。
「えぇ!夏樹が街から出るのお!?」
「おおい、あかねぇ。あんまり大声出すなよー」
「なつきっなつきっ、それってほんと?」
僕の進路をみんなに話せば、みんな揃って目を丸くした。
でも。ずっと街へ残ると豪語していた僕自身が一番に驚いている。
この街が好きなこと、あの浅瀬が好きなこと。
ゆっくりと忘れてしまいそうな思い出を残したいと思える。
それが僕の望んでいる将来の話だ。
「まあ、とりあえず…おめでとうだなっ!なつきっ!」
進藤の言葉と、その笑顔はこんなにも眩しかったか。
気恥ずかしい言葉に僕の頬が上の空。
でも、いい笑顔の進藤に頷く僕。
「うんっ!ありがとっ」
この思い出も、この島の何者かに届いていくように、過去に繋がる僕に届くように。




