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バカと天才は"神"一重  作者: 抹茶
復讐の仮面編
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第2話



 時刻は既にお昼を回っている。

 つまりみんな大好きお昼の時間である。


「いってぇ……」


 そんな中、ブツブツと呟きながら身体中を摩るシンはテンションが低い。

 全くこれからランチタイムだというのに何故こんななのか。


「お前が先生に向かって俺を投げるからだろ!?」

「だがしかしお前の身体の痛みの原因はベルさんだ」

「そもそもに投げなければこんなにならなかったんだぜ!?」

「バーロー、簡単に投げられるから悪いんだ」

「物凄く理不尽っ!!」


 いつだって物事ってのは理不尽で不条理なんだぜ?


「まーまー二人ともその辺にしておきなよ」


 この様子を見兼ねたのかは定かではないが、テトラが俺らの仲裁に入る。


「そーだな、飯が不味くなるからやめておこう」

「いや、おま……$%?@\°??」


 最早何を言っているかはわからんシンは放っておくことにした。


「それはそうと、フィルも呼ぶのでしょう? 早く行きましょうよ」


 おっとそうだった。実は……と言うほどでとないが、ランチタイムはいつもマイシスターのフィルと一緒なんだ。


「グラン、後でチューしてやる」

「いえ、結構です」


 そんな速攻で否定しなくても。


「普通は否定するだろカスが」

「リリー酷い!!」


 リリーは前に比べて俺らの会話に加わるようになった。

 本人の中で何があったのかは知らないが、いいことだと思っている。

 まぁ、毒舌は相変わらずではあるが。

 あと、何かちょくちょくこっちを見てくるんだが……


 チラチラと。


 だがそれに俺は敢えて触れないよ?


 そして触れないままにそのままA組の前に来た。


「シン、開けて」

「え、やだよ」


 俺のお願いをふっつーにスルーしやがった。

 そんな甘いもんかよ俺らの友情は……。


「いいから早く呼べって」

「ハイハイ」


 仕方ないので俺はA組のドアを開ける。

 そしてフィルを探すまでもなくその姿は簡単に発見できた。


「フィル」

「あ、兄さん」


 短くそう呼んだが、フィルは直ぐに反応してくれた。

 よし、そのままみんなで食堂に……


「あ、お兄さんだ!」

「本当だ!」


 とはならなかった。

 何故か他の生徒も反応して立ち上がり、次々と俺の周りに群がって来た。


「お兄さんお疲れ様です!」

「今日もフィルと一緒にご飯みたいだね?」

「いつ見てもフィルさんとは似てないよな~」

「え、あ、ちょ……」


 何この子達、話聞かないんですけど。

 俺に話しかけてきた奴らは当たり前だが全員A組、つまりフィルのクラスメートにあたる。

 ベルゴールを倒したあのランキング戦から何故かよく話しかけられるようになった。

 まあ睨む奴もいますけどね!

 何を隠そう俺はSにもMにもなれるからこの視線は気持ち……すんません。


 まぁ何が言いたいかっていうと、ハーレムなんて嬉しい限り……いや、男もいるからハーレムではないな。

 とりあえずこの状況は困る。

 何故なら俺は見ての通り人見知りだから。

 クラスメートと話すのはもちろん、道端にいる人に声をかけるなんてとてもじゃないが恥ずかしい。


「絶対嘘ですよね」


 俺の様子を遠巻きに見ながらボソッと何かを呟いているフィル。

 頼むから見てないで助けてください。

 俺は無言でフィルに助けを求める。

 すると、フィルは俺の目線に気づいたようでクスリ……と口元に笑みを浮かべてこちらへと歩いてきた。


「シアにルゥ、それにマイクウッド君も兄さんが困ってますよ?」


 まるで聖母が如く、優しい微笑みと諭すような口調でフィルは問いかけた。


「あ、ごめんつい……」

「あ、あはは……」


 シアと呼ばれた女子生徒とマイクウッドと呼ばれた男子生徒は揃って苦笑を洩らした。


 シア、艶のある黒髪をツインテールというよりは二つ結びにした少し小柄な少女。


 マイクウッド。癖っ毛のある茶髪にキリッとした黒眉、そして青い瞳を併せ持つ男子生徒。


 そしてルゥ。薄い茶髪のセミロングでどこかクールな雰囲気を感じる少女。


 最近、この三人に俺はよく絡まれるようになったっていう事だ。

 まぁ別段悪いことではないのだが、何故かリリーからの視線が痛い。

 魔術でも使ってんのかな……。


「積もる話は食堂で……ということでよろしいですか?」


 この場を治めるようにフィルが二度手を叩いてからそう言った。

 ふぅ……。

 いつから俺の学園ライフはこうなってしまったのだろうか。



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