第45話
所変わってここは選手控え室。
大きなスクリーンでベルゴールとリオードの試合を見ている参加選手達。
「7!」
「ダウト」
「げっ……!」
「残念だったな」
その中で何故かトランプをしてるファウストとミラ。
2人でダウトなんて面白いのだろうか。
「相変わらずつぇーな~」
苦笑いを浮かべたファウストはトランプを纏めようとする。
しかし、ふいにその動きを止めた。
「ミラ」
「あぁ。ベルゴールの奴、本気になったみたいだな」
2人はスクリーンに目を向ける事は無かったが、ベルゴールの魔力を察知してそう判断していた。
「んじゃ、ベルゴールが本気になったところで俺らも見ますかね~」
ファウストはそう言って纏めたトランプを一瞬にして灰にする。
「そうだな」
ミラもそれに頷くと、少し離れたところまで歩いていき壁にもたれかかる。
「さぁリオード、ここからが本番だぜ……」
ファウストはこれから始まる戦いを想像して、楽しそうに笑った。
◇
光が収まったであろう頃を見計らって俺は目を開けた。
「わーお……」
今、俺の目の前には金色の甲冑に身を包み先ほどの剣にプラス盾を装備したベルゴールがいる。
恐らくその甲冑は魔力から形成されているため、重さもあまり無いだろう。
そしてその背後には同じように金色の甲冑を纏い、これまた金色の剣と盾を持った5メートルくらいの大男が。
「これが僕の切り札【ゴールデンウォーリア】さ。誇っていいよ、これをつかうのは君で4人目だ」
兜から覗く顔は満面の笑み。
残りの3人が気になるんですけど。まっ、2人はファウストとミラだろうけど。
つか、相変わらず名前はダサいのな。
ゴールデンってまんまじゃん。
しかし、名前に反してそこから発せられる魔力と威圧はさっきまでとは段違いだ。
これが学園9位の実力か。
「さぁ……いくよ」
ベルゴールはそう言って剣先を俺に向ける。
それに続くように後ろの兵士も同じ構えをとる。
なるほど、あいつと連動しているパターンか。
俺は奴の攻撃に備えるため浅く腰をおとして構えた。
「ハァァァッ!!」
鋭い声と同時にベルゴールが剣を振りおろす。
それに続くように後ろの大男が俺に向かって剣を振り下ろした。
俺は横に跳んでその剣をかわす。
「おいおい」
正直に驚いた。
大男の剣が深く地面にめり込んでいたからだ。
なんて破壊力だよ。
「ふふ……これくらいは簡単にかわすよね」
心なしか、ベルゴールはさっきよりテンションが高そうに見える。
少なからず戦闘狂の気があるのか、この技を使うと気が大きくなるのか……、どちらにせよこのでかいのは厄介だぜ。
「もっと楽しもうじゃないかっ!!」
ベルゴールはそう言って俺との距離を詰めてくる。
「チッ……」
このままだとすぐに真っ二つにされてしまうので、後ろに下がって距離をとる。
しかし、ベルゴールもそれに着いてくる。
「ハッ!」
鋭い突きが俺の胸元を襲う。
素早く体を捻ってそれを裂けるが、奴の剣は俺の和服をかすめていく。
「あっぶね」
もう少し遅かったら肉が抉れてた……だが、
「貰ったぜ」
ベルゴールの攻撃を避けた勢いを利用して奴の背後に回り込む。
そしてそのまま手刀で奴の首を……。
「甘いっ!」
「なっ!?」
俺の動きに素早く反応したベルゴールは回転しながら俺を斬りつけてくる。
俺はベルゴールに向かっているため、ここから後ろに跳ぶのはかなり難しい。
そう判断したので、袖口から3枚の魔符を取り出して放る。
「符術、“三点結界”」
俺の手を離れた魔符は三角形の頂点の位置に散らばり、結界を展開する。
この三点結界は俺がよく使う防御用結界のひとつ。
六芒結界よりは劣るが、魔符を3枚使うため1枚と時よりは強度はそれなりに強くなる……が、それはしっかりと発動出来た場合だ。
今の場合だと相手の攻撃との距離が近すぎる。
結界が完成する前に奴のデカブツの攻撃がぶつかる。
つまり……。
「くっ!」
衝撃は殺しきれなかったため、結界は軽く破られ俺は遠くへと弾き飛ばされた。




