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バカと天才は"神"一重  作者: 抹茶
入学編
31/88

第23話 


「何か言うことはありますか?」

「いや、悪い」

「さーせんした」


 順に理事長、ベルド、リオードである。

 時刻は昼時。つまりは成長期の学生にとっては大事な大事なランチタイム。

 なのにリオードは理事長室でベルドと説教を食らっている最中であった。


 原因はひとつ。

 リオードとベルドは模擬戦で派手にやり過ぎたからである。

 リオードと雪が放った春雪の舞とベルドが放った雷狼が衝突して物凄い衝撃が起こり修練室が一部惨事になった。


 簡単に言うと地面抉れ、凍り、破片がそこら辺に飛びまくる。

 それは周りというか近くにいた生徒や教師に聞こえたらしく、野次馬が集まる。

 という事が理事長にバレて大目玉……今に至る。


「模擬戦で熱くなるのはわかりますが、教師の貴方がその中心にいてどうしますか?」

「いや……あの、はい……すんません」


 ベルドがイタズラがバレた時の子供の如く萎縮しており、それを見たリオードはニヤニヤとしている。


「リオード君もやるときは少しは後先を考えましょうね?」

「あ、はい」


 ジロリ……と視線がリオードに向けられる。

 理事長の目力に圧されたリオードは縮こまった。

 まあ一応やり過ぎたとは思ってるらしくリオードも反省はしているようだ。


「では、戻ってもよろしいですよ」


 理事長は視線をそのままに今度は優しい笑みを浮かべてにそう言った。


「んじゃ、失礼しました」


 リオードは軽く頭を下げて理事長に背を向ける。


「じゃあ俺も昼飯に……」

「貴方はまだダメです」


 自分も帰ろうとしたベルドだが、理事長に止められてしまう。

 リオードはベルドの方を向いて笑顔を送った。


(テメ……1人だけ逃げんのか!)


 パクパクと口を動かすベルドはそう語っていた。


(俺子ども、あんた大人、あーはん?)

(テメーいつかぶっ飛ばす!)

(いやん暴力はんたーい)

(ぶっ潰す!)

「ベ・ル・ド・先生?」

「あ、いや……何でもありません」


 3度怒られるベルドを他所に、リオードは理事長室を後にした。


「それで、今年の生徒はどうでした?」


 リオードが出ていった後、おもむろに理事長が口を開く。


「まぁ、中々の粒ぞろいだったな。」


 そう答えながらポケットからタバコを取り出して火を着ける。


「一応校内は禁煙なんですが」

「かてぇこと言わないで下さいよ、ここでしか吸えないんだから。それに空気清浄の魔術かけてるでしょ?」


 全く悪気なく煙を吐くベルド。

 理事長は仕方ない……とでも言いたげに肩をすくめた。


「それよりも……リオード君との戦いはどうでした?」


 唐突に話をリオードとの模擬戦に戻す。

 するとベルドの気だるげな顔が一瞬にして真面目に変わった。


「アイツは強い。本人は掴みづらい性格ではあるが、実力は俺が認める」


 そう言ったベルドの脳内に浮かんだのはリオードとの模擬戦の最後。

 ベルドが放った雷狼がリオードの技により凍り、引き裂かれていく所だった。


 範囲はそれだけでなく周りの地面は抉れ、所々にはダイヤモンドダストが舞っていた。


「魔術を使えないとか言っていたが、それを補って余るほどの力を持っていた。それなら理事長が言ったことも頷ける」


 旨そうに煙を吐き出しながら小さく笑った。


「えぇ、彼を中心に……彼らがやってくれますよ」



 ◇



「あ~腹へった」


 理事長室でそんな会話をしていたことはつゆ知らずにリオードはただ歩いていた。

 腹に潜んでいる野獣を早く落ち着かせるべく向かう先は食堂。


「ん?」


 理事長室から出て食堂へ向かう廊下の曲がり角で見慣れた姿が目に写る。

 長く艶のある黒髪、スラリと細い体型、雪のように白く透き通った肌。

 リオードにとっては紛れもない麗しの妹、フィルである。

 遠くを見つめながら壁にもたれ掛かっていた。


「フィル~? 何やってんの?」

「あ、兄さん!」


 リオードを見た途端、顔をパァッと輝かせる。


(くぅ~っ! 我が妹ながらその美貌は雲から覗き見える夕陽の如し輝きで自然価値が高いぜ!)

「兄さん?」


 フィルに背を向け小さくガッツポーズをとるリオードに、フィルは首を傾げる。


(っほ! 首を傾げるフィルちゃんも半端なく破壊力抜群だぜ!!)

「に、兄さん……?」



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