六話『キサラの昇格試験』
お待たせしました。
この間、評価していただいた方、ありがとうございます。
引き続き評価していただけると幸いです。
いつも通り拙い文章になっておりますので暖かい目で見守ってください。
朝目覚めると隣には可愛い彼女の寝顔があった。
とても可愛い、昨日の夜の行為のせいか彼女が愛おしくて仕方ない。
なんだがハーレムなんてどうでもよくなってきたが頭数をそろえるのは大事だろう。
その中に男が居たりして彼女だ取られたりするのは非常にまずい。
俺にNTRの性癖はない。
逆に取る方は考えなくもないが...
まぁ必然的にハーレムメンバーになってくるだろう。
変に騙されるより最低でも裏切らないなら奴隷の方がいいし可愛い子は大歓迎だ。
「ご主人様、おはようございます。」
チュッと彼女が自主的に口づけをしてきた。
昨日の求愛行動が功をそうしたようだ。
「おはよう、それにしてもおはようのキスか。いいな明日からも頼むよ。」
「そ、そうですか。かしこまりました。喜んでもらえて何よりです。」
彼女は顔を真っ赤にしながら笑顔で答えた。
うん、可愛い。
思わず昨晩の続きをしたくなるくらいには。
だが早起きしたのは今日から任務を受ける為だ。
いくら彼女が俺のパーティとして冒険者ギルドに登録したとしても彼女の階級はアイアンなのだ。
せめて初心者冒険者脱却のブロンズまで今日中には上げたいのだ。
アイアンからブロンズ-までは実は簡単に上がる。
ブロンズ+以上の冒険者を監視者として一定の項目をクリアできれば直ぐにアイアン卒業なのだ。
ブロンズ-からブロンズに上がるには指定の任務をクリアすれば上がれるので頑張れば二日三日程度で登録したものはブロンズに上がれるので物好き貴族などは任務だけ冒険者を雇い、パーティに入れてブロンズまで上げる奴もいる。
まぁその指定の任務もガチ初心者じゃそう簡単には終わらない。
魔物化した兎の討伐で数が10体なのだ。
数が少し多いだけで兎自体はそんなに強くない。
だが個体数が他と比べると少ないので時間がかかるのだ。
それに間違って魔物化していない兎を狩っても数には入らないのでこれまた厄介なのだ。
数もごまかせそうなのだが実はギルドカードには特殊な構造があり、ギルドに指定された魔物の魔力パターンを特定して半径10メートル未満で倒すとカウントされるようになっているのだ。
じゃぁ何故、他の魔物をカウントしないのかと言うと分かりやすく言えば容量が足りないのだ。
カウントするための容量とパターンを書きこむ容量を考えると兎の魔物を10体分以下しか書き込めないのだ。
ゴブリンなどになるとパターンを入力しただけで数えれて1体数えればいい方なのだ。
クマの魔物やオークなんてパターンすら全部書けず、オーバーしていしまうからだ。
と言う訳で朝は早いが朝食を取ってギルドに向かう。
冒険者ギルドは冒険者がいつ帰ってきてもいいように何時でも開いている。
支度を済ませてギルドに俺が監督でキサラをアイアンからブロンズ-へ上げる為のチェック表を貰う。
「ありえないとは思いますが項目に不正にチェックを入れますと階級のリセットがかかりますのであしからず。」
受付さんからの説明を聞いてキサラとギルド裏にある広場に向かう。
先ほどの説明は俺が不正に彼女を評価した場合の話である。
だがこのチェック表の項目が全てダメでも上がれない訳じゃない。
所謂、適性検査のようなものであくまで適性があるかを見定めるものなのだ。
それに今の冒険者以外での身分も項目にあるのだが奴隷と貴族なら基本的には上がれる。
何故かと言うと簡単な話。
貴族なら大抵は何かしらの心得はちょっとくらい持っているものだがらだ。
逆に奴隷は酷い話だが最悪、冒険者の盾になって死んでいくのであまり階級はないようなものなのである。
階級が低くても冒険者に無理やり連れていかれて盾にされて死んでいく奴隷なんて少なくはない。
まぁ俺はキサラを盾にするつもりはさらさらない。
「じゃぁキサラ、試験を始める。」
「よろしくお願いします。ご主人様。」
「では―――」
そこからは簡単な物だ。
何か心得はあるか?見せてもらってもいいか?
などの実演を見るだけなのだから。
そこから俺がチェック表にチェックを入れていく。
そしてその結果をギルドに渡すと勿論昇格。
そして俺個人の感想なのだが、キサラの剣術はどうやら魅せる剣術であって決して戦う剣術じゃないことだ。
ある程度の魔物、それこそゴブリン2体程度なら今の剣術でも倒せるだろうがそれ以上になると流石にしんどいだろう。
なので昇格した後、次の任務を受注した後に俺なりの考えで彼女にアドバイスをした。
「キサラ、お前の剣術じゃいずれ魔物相手に限界が来る。」
「やはりそうですか。」
「分かってはいたのか。ならいいんだ。これからそれを地盤に自分自身の可能性を広げてくれ。俺も協力は惜しまないつもりだ。」
「ありがとうございます。ご主人様の為に強くなります!」
彼女は胸の前で手をグーにして頑張るポーズをした。
可愛い。
俺を萌え殺しさせるつもりなのだろうか。
だが彼女の剣術を見て少し興味がわいてきた。
だって今では黒歴史になっているがやはり剣で戦うのもカッコいいと思う。
それに魔法ではこれ以上強くなってもいざ近距離では心もとない。
だがこれからキサラと一緒に任務をこなす日々が待っているので誰かに教えを請う暇もないだろう。
俺にあるのはキサラと元いた世界で趣味で読みふけっていた膨大な本の知識とそれと対をなすゲーム知識。
それしかないが本の中には剣道や剣術、その他多種多様な武道の本も沢山ある。
ゲームにも格ゲなどザラにやっていた。
これを使いこなさなければ勿体ないだろう。
常々この世界に来る前に本の虫のように本を読んでいてアホみたいゲームをやっていて正解だったと思う。
今考えたらゲームで使っていた技なんかも魔法の力で実現できそうなものばかりだ。
かめ○○波や昇○拳なんか余裕だろう。
もしかしたら魔力とは別で気なんかもあるかも知れないしな。
なんとかなるはずだ。
取りあえず、俺も剣から始めることにしよう。
早速、キサラに魔物兎を狩らせることにする。
俺とキサラを剣を持って例のなんでもある森に向かう。
普通に探しては魔物兎は見つからないが俺には探知魔法がある。
全体に魔力を伸ばして兎を探す。
すると1匹見つけたのでそこに向かう。
「キサラ、兎が居た。魔物化しているから襲いかかってくるから逃げはしないだろう。お前の力を見せてくれ。」
「かしこまりまいた。」
キサラは兎の前に出る。
兎の方はキサラに気が付きキシャ―と威嚇する。
通常の兎なら人間を見ただけで逃げるが魔物化しているので襲いかかってきた。
キサラをそれを左に避け、兎目掛けて剣を振りおろす。
だが兎の体毛のせいか切り傷を付けられずに地面にたたきつけられる。
切れなかったのは兎の体毛がクッションになったのもあるがキサラの技能によるところもある。
キサラの剣術のコンセプトは魅せる他に叩き斬ると言うところにある。
所謂、力技で切るのが両刃剣なのだ。
だがまだ俺のところに来てから1日しか経っていないので商品として並んでいた時とそう変わらない。
はっきり言えば叩き斬る為の筋力が無いのだ。
それに彼女は魔法が使えないので身体強化の魔法も使えないのだろう。
「はぁ!」
今の彼女の全力の力のこもった一撃を兎に向けるが大きく振りかぶりすぎ軽々と避けられてしまい、更に大振りの後の隙を狙われキサラの懐に兎が突進してきた。
「きゃっ!」
彼女は兎の攻撃に耐えられず後退してしまう。
「キサラ、大丈夫か?」
「ご主人様、まだやれます。」
これだけ苦労しているが、相手は初心者御用達の兎なのだが...
徐々にキサラに疲れが見え始めた。
だがそれは兎も同じようで目に見えて動きが鈍くなってきた。
身体も小さい兎の方が体力はなかったのか兎が石につまずき地面に頭から突っ込んでいった。
その隙をキサラは見逃さず、兎に向かって振りかぶって体重を乗せた両刃剣で兎を真っ二つにした。
「や、やりました...」
高々兎1匹でここまで疲労するとは流石に思わなかった。
流石にこれは体力が心配になってくるな。
体力作りから始めるべきだろうか。
とりあえずウサギ1匹を討伐するのに時間がかかったためお昼になってしまった。
昼食を取ることにする。
テレレッレッテレ~♪
お弁当箱~♪
今日の中身はおにぎりに昨日焼いた魚の残りにその魚のアラの部分とまさかの昆布が売っていたのでそれを出汁に使い、塩で味を整えたお吸い物もどきを鍋ごと持ってきた。
流石に収納魔法を使ったけど。
収納魔法の中は外の世界の影響を受けないのでこぼれないし熱や鮮度も保ったままなのだ。
最近、魔法の腰袋ことアイテムポーチが放置されているような気もしなくはないが物が物だけに仕方ないかもしれない。
「キサラ、取りあえず飯にしよう。」
「かしこまりました。」
彼女は地面に2人が座ってもまだ余裕のある敷物を敷く。
俺は、立ったままキサラが座るのを待っていたのだが、どうやら彼女も俺が座るのを待っていたらしくジッとこちらを見ていた。
「別に敷いたんなら俺を待たないで座ってもいいんだぞ?」
「ご主人様より先に座るなど、私にはできません。」
「でも兎の討伐であれほど疲れていたのに平気なのか?」
「ご主人様より先に座り奴隷としての役割を放棄するならそのまま倒れたほうがマシです。」
そこまでの事なのだろうか。
気を取り直して俺達は食事をすることにする。
ちなみにお吸い物もどきは朝食を作るついでに作っておいた。
朝にも出してもよかったのがまだ出汁が出てなかったから仕方がない。
「ご主人様、おいしいです。」
「それはよかった。動き過ぎて食べれないかもしれないがせめて汁物とおにぎりだけは食っとけ。午後からの力の入り方が違うからな。」
「かしこまりました。」
ちなみにおにぎりの具はない。
塩のみ。
だがおいしいから問題はない。
食事もほどほどにして食後の一息をつく。
「キサラ、食後だが寝ておけ。」
「?どうしてでしょう?」
「兎1匹であそこまで疲労していたんだからまだ体力は戻っていないだろう。回復の為にも寝ておけ。」
「かしこまりました。」
彼女はそう言って敷物の上で寝ようとするが勿論そんなことは許さない。
「どこで寝ようとしている。こっちに来い。」
俺は胡坐をかいている右太ももをポンポンと叩きこっちに来るように催促する。
勿論、疲れている彼女に慰めて貰うなんてことはしない。
魔法を使って彼女の疲労を取るためだ。
「流石に、ご主人様の膝枕で寝るのは奴隷として無理でございます!それともここでするのでしょうか?」
「バカ言うな。そんなことはしない。寝ている間にお前に回復魔法をかける為だ。」
正確には微弱な魔力を流し彼女の身体の自然回復の力をより活性化させる魔法だが。
通常の回復魔法は名の通り回復させるだけだがそれは筋肉の超回復を促すものではないので回復前より筋肉がついたりするわけではない。
だがこの自然回復を促す俺独自の魔法は筋肉自身の回復を促すので超回復の影響を受けるのだ。
キサラにはかすり傷も多くあるので通常の回復魔法も併用してかけていく。
しかしながらこれは奴隷時代前のスタミナを回復させるものではない。
スタミナは改めて鍛え直すことでしか回復はしないのだ。
その為の自然回復の活性化をさせる魔法を使うのだ。
筋肉が増えると力が付くのでその分体力の消費も抑えられる。
つまりスタミナが増えるのだ。
「今から掛ける魔法は直接触れていないと掛けることができない。それにキサラを地べたに寝かせるだけでも嫌なのに枕まで無い状態で寝かせて首が疲れたりして結局無駄にならないようにするためだ。」
「ですが...」
「無駄口をたたくな。これは命令だ。」
「かしこまりました。」
彼女はそう言いながら俺の太ももを枕にして寝そべる。
「良い子だな。すまないな。」
俺はそう語りかけるように彼女の頭をなでる。
「構いません。」
「難しい話は今晩にでもしよう。今は寝て休め。」
「かしこまりました。それではお休みなさいませ。」
「あぁ、お休み。」
そう言うと彼女は安心したのか直ぐに寝入ってしまった。
俺は彼女のお腹に手を当て身体全体に薄く魔力を流し込んで自然回復を促進させる。
一時間ほどは暇になってしまう。
だが彼女を寝かせている手前動く事も出来ない。
まぁ当分は仕方ないだろう。
今後、俺が甘えれるように強くなってもらわないとな。
俺はキサラを寝かしつけ左手のみで昨日買った本を読んでいく。
ちなみにあっち系の本はすでに読んだ。
その中で面白い発見があった。
この世界で子どもを作るには魔法を使わないといけないらしい。
妊娠魔法と言って原理はまぁ排卵を促す魔法のようだ。
だが妊娠魔法を使っても必ず子どもができるわけではないらしい。
まぁこれでキサラが妊娠すると言う懸念は無くなった。
それにまだキサラには言ってはいないがこの先、まだまだ奴隷は買うつもりでいる。
奴隷ハーレムはやはり作りたい。
勿論、キサラを放置するわけではない。
何かのきっかけがあれば奴隷から解放してもいいと思ってはいる。
その時、できれば俺に惚れていて妻になっていてもらいたいのが本音ではある。
その為には俺もカッコいいところを見せないといけないだろう。
1時間ほどキサラを寝かしつけたのでそろそろ起こすことにする。
「キサラ、そろそろ起きろ。続きをするぞ?」
「...んぅ」
なんとも艶めかしい声をだしよって!
けしからん!今晩は寝かさないぞ!
まぁバカなことを言っていないで起きないキサラを起こす。
流石に疲れているのだろうか。
だが身体には自然回復促進の魔力を流したので問題はないはずだ。
「あ、申し訳ありませんご主人様。今起きます。」
そう言って起きたキサラは俺の太ももから離れる。
....寂しくなんてない。
「よく眠れたか?」
「はい、ご主人様のおかげでよく眠れました。それであの...」
寝起きで恥ずかしいのかキサラはもじもじしながら顔を真っ赤にしている。
トイレか?
いやそれにしては何か違う気がする。
「やはり、おはようございますのキスはした方がよろしいのでしょうか?」
そう言えば今朝、寝起きはキスしてくれと言ったな。
今はまさにキサラが起きたところだな。
ふむ...
俺はそのままキサラにキスをする。
「んむ!ご、ご主人様?!」
「いや、つい可愛いと思ってしまってな。すまん、嫌だったか?」
「そんなことありません!ご主人様との口づけが嫌なんて思うはずありません!」
「お、おう。そうか。」
「はぅ!」
どうやら嫌ではなかったようでそれはそれで嬉しい。
このままだと変な空気になるので話を兎狩りに戻すことにする。
「取りあえず起きたのなら、兎狩りに行くぞ。」
「は、はい!」
彼女が身支度を整える間に俺は索敵魔法を展開し兎を探す。
「見つけた。キサラ準備は?」
「整っています。」
「じゃぁ行くぞ。」
「はい。」
俺は見つけた兎の反応に向かって走り出す。
その後ろをキサラが走って付いてくる。
俺は身体強化を使わず走っている。
だが彼女は少し遅れ始めている。
これは後々厄介な事になるだろうことは容易に想像がつく。
俺の身体強化を使わないにも関わらず距離がドンドン伸びてくるのだ。
もしいざ逃げることになった時に彼女だけ置いていってしまうことになる。
それだけは避けたい。
と言うことは身体強化の魔法含め彼女には俺式特訓方法をやってもらう他ないだろう。
元の世界で大量に読んだ教本を混ぜ合わせ、俺なりにアレンジしたものとはいえない....
そんなことを考えているうちに兎の魔物が姿を現した。
「じゃぁキサラ、やってみろ。」
「はい!」
彼女はいい返事とともに兎に向かっていく。
兎も先ほどの兎と同様に魔物化しているのでキサラに襲いかかってく。
案の定、キサラは上段からの叩き斬りをしようとするのだがさっきと全く同じで兎のフワフワの羽毛によってダメージが激減してしまっている。
兎も叩きつけられたがその羽毛のおかげで多少飛ばされはしたが踏ん張りキサラに突撃していく。
このままではさっきと同じでじり貧になり3匹目を討伐に行けなくなる。
武器を変えるしかないな。
だが問題なのかナイフなどの小さな得物を使う心得が彼女にないことだ。
まぁどちらにせよこの戦いを見る限り両刃剣ではやっていいけないのは目に見えている。
なら早めに返させるのが得策だろう。
「キサラ!両手剣じゃなくてこれを使え!」
俺はそう言いながらナイフをキサラが戦っているすぐそばの木に投げて突き刺す。
軽めに身体強化も混ぜていたので上手い事狙った通りに刺さってくれた。
まぁパフォーマーとかじゃないしこんなもんだろう。
「これは...かしこまりました。」
彼女は得物である両刃剣を地面に突き刺しナイフを逆手で持ち兎と対峙する。
キサラはナイフを使いこなせるのか?
そう思った矢先に動きがあった。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
キサラが戦いを始めましたが全然拙いものと想像してもらえると分かりやすいと思います。
主人公はまだ最強の我流武道家を目指さないようです(笑)
ブクマをしていただいている方もありがとうございます。
これからも精進していくのでよければ読み続けてやってください。
ではまた次話もお願いします。




