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九話『ルーティーンとスラムでのテンプレ』

お待たせしました。

主人公のルーティーン回です。



次の朝。

案の定朝の挨拶してからランニングを始める。

外壁の外回りランニングからの朝食。

筋トレに木刀を使った模擬戦。

とはいうものの俺は身体能力と魔法の補助に物を言わせたゴリ押しなのだが。

少しずつ荒は削れてきているようにも思える。

キサラも同様に昨日よりは技術は上がっているとは思う。

素人目だが。


昼を取り、キサラを俺の膝枕で仮眠させる。


昼休憩を終えるとまた模擬戦。

ついでとばかりに軽くゴブリン数体を討伐してギルドに定期報告。


帰りにまた夕食用の食材を買いに商店街に行く。


今日は予定通りにキサラが怪我をしまくったのであのポーション売りの娘を見つけたら買おうと思っている。


「結構効き目はよかったな。」


「そうですね。ご主人様に付けられた痣も綺麗に治りました。」


「あれは本当に焦ったぞ。キサラの綺麗な身体に目立つ痣なんて残したくなかったからな。」


「ありがとうございます。その言葉で私はご主人様の為に強くなる努力をしたくなります。」


「強くなるのは一向に構わないがキサラも怪我の後が残るようにはしたくないな。」


「ですが傷は戦士の勲章ともいいます。」


「そうだけど戦士の前に俺の奴隷だからな。お前に傷跡を残そうものならそいつを死ぬより痛い目にあわせてやる。それくらいキサラの方が大事だ。」


「あ、ありがとうございます。」


にしても昨日ポーションを売っていた場所を歩きまわっているのだが彼女が居ない。何故だろう、何か嫌な予感がする。


この胸騒ぎは一体なんなのだろう。


結局、昨日はポーションを売っていた彼女を見つける事は出来なかった。



昨日の夜も彼女の事は気にはなっていたがすることは勿論して寝た。

だがこの胸騒ぎは一向に収まらない。


彼女に一体何があったのだろうか。


その時たまたまここを通った二人の男の会話が聞こえてきた。


「おい、聞いたか?ここにいた犬の獣人の娘。奴隷狩りに連れ去られたらしいぜ?」


「聞いたよ。でも俺たちには何もできないだろ?でもあれだけ可愛かったし俺、オークションで落してみようかな。」


「やめとけ、あれは恐らく物好きな貴族が買って慰め物にするだけだ。変に落とせたりしたら後で洒落にならんことになるぞ。」


「そ、そうだな。でもまぁ貴族様が買うような値段のする奴隷なんて俺たちに買う金なんてねぇけどな。」


「それもそうだなガハハハ!」


俺はその話を聞いた瞬間、昨日から続いていた胸騒ぎの正体に気がついた。

だが奴隷狩りに連れていかれて一日以上たっているとなるともうアジトかもしくはもう奴隷商に売られている可能性もある。


奴隷の身分が最低限の人間としての矜持を持たせているこの世界では奴隷狩りによる奴隷化、販売目的による拉致などは全て禁止されている。


だがそれでも奴隷狩りなる集団が居るのは結局需要と供給の供給が間に合ってない為であった。


俺は取りあえずキサラを買った奴隷商に向かった。


「おい。奴隷商。話がある!」


「これはこれはシン様!ようこそおいでなさいました。ベルはまだ売れておりませんよ。どうでしょうか?」


こいつはどれだけ俺にその子を押すのだろうか。

何か裏があるのか?

まぁとにかくその話は後だ。


「奴隷商、昨日か一昨日に犬の獣人の奴隷を入荷しなかったか?」


「犬の獣人ですか...ここには入荷してはおりませんな。それでベルを―――」


「入ってないんならいい。邪魔したな。」


これ以上居ても仕方ないと判断して俺は店を出るが。


「シン様!お待ちください。その犬の獣人を何故お探しなのですか?」


「ちょっと顔見知りでな。」


「売られた経緯など分かりますか?」


「街の人の話では奴隷狩りにあったと。」


「奴隷狩りですか。シン様は奴隷の扱いの法律を知らないのですか?」


「一応知ってはいるが?」


「私の店はホワイトでして奴隷狩りなどで奴隷になったものを扱うことはしていません。商品の中にもしそのような人物が居た場合は残念ながら他の店に売るようにしています。」


なんでも奴隷商の店というか他の奴隷商もそうなのだが奴隷狩りなどで奴隷に落ちても店では奴隷解放をすることはできないそうなのだ。

理由としては罪人などが店主をたぶらかして逃走するのを防ぐためだとか。


その制約があるので結局商品として売りさばくしかないのだという。

売られてその先に主《あるじ》に恵まれれば解放されたり楽な生活を送ったりできるのでそういう主に買われる事を願うしかないらしい。


だが奴隷狩りにあって奴隷に落ちた者をその奴隷商で扱わないのはその関連での問題を起こさないようにするためらしい。

奴隷商も大変だな。


ちなみになのだが売れ残った奴隷は基本他の奴隷商に売られる。

そこでも売れ残るとまた他の所に。

それでも、それでもと繰り返し歳をとったりして商品価値が無くなると女なら奴隷商などが副業でやっている娼館。

男なら炭鉱父。

それならまだ生きていけるのだが使い捨てにされたり病気になったりすれば直ぐにでも捨てられる。

もしくは殺処分されるらしい。

運よく逃げれてもというか大抵は奴隷商が可哀想に思いワザと逃がすそうだが拾ってくれるのはスラム街のみだ。

病気持ちや女がそう簡単に生きていけるほどスラムも甘くはない。

売れ残ればどちらにせよ地獄でしかないのだ。


「恐らく、この辺で奴隷狩りが捕まえた奴隷を売るならスラムでしょう。」


「何故スラムなんだ?」


「基本的にこちらの奴隷商では罪人で奴隷だとしても奴隷狩りから奴隷を買い取ることはしません。別に買い取ったからと言って国からなどに罰せられることはないですが奴隷商との間などの信用に関わるのです。」


「つまり買い取ってくれるのかスラムしかないと。」


「あまり言いたくはありませんがやはり世界法律で無理やり奴隷にすることを禁止されているのですが奴隷狩りはそれを無視して奴隷化することはよくあります。その中でどこにでもいる物好きな貴族はドラアードなどの希少な魔物やハイエルフなどエルフの中で更に血が濃く美しく奴隷になることが無いような者を欲しがるものもいます。そういう希少な奴隷を手っ取り早く手に入れる方法は攫うか誰かから横取りすればいいだけです。ですが横取りは奴隷紋の関係でできません。さすれば手段は一つ。」


「攫うか。」


「左様でございます。」


「だが犬の獣人なぞ悪い言い方になるがそれこそどこにでもいるだろうに。」


「もしやその犬の獣人とはこの街道でポーションを売っていた娘ですかな?」


「知っているのか?」


「えぇ、勿論。ここだけの話ですがあの獣人は見た目が可愛らしいですからな。私の店に来る貴族であの獣人は奴隷になっていないか?など聞きに来る貴族が居たほどです。」


「奴隷としてしか欲しないとか酷いな。」


「ちなみにですがそのような貴族の方は沢山いました。大抵は諦めるか、似たような獣人の娘を買っていき飽きたら他に売っていたりしていたようですが。」


「何故、そんなこともまで奴隷商のお前が知ってるんだ?」


「それは商売は情報が命ですゆえ。」


絶対に奴隷商には楯突かないようにしよう。

言うことを素直に聞くつもりもないが。


「まぁ貴重な情報をありがとう。」


「いえ、これもシン様に私の店を懇意にしてもらうためですので。なにとぞ。」


「また考えとくよ。」


「ありがとうございます。」


取りあえず貴重な情報を得たので一旦家に帰る。


貴重な情報も貰ったことだし買うのはやぶさかではないな。

だがベルは恐らく買わないな。


とにかくスラムか...これはちょっとやっかいだな。



スラムとは主に浮浪者などがたむろし国の法律が届かず治外法権化している地域の事をいう。

ここには独自のルールがなりたっておりよそ者が何も知らずに入れば殺されてもおかしくはない。


俺の住んでいた日本にはスラムはなかったが海外に目を向ければあることも珍しくはない。

スラムでなくともそれに近いような状況になっている地域なんて日本でさえもあるのだから必要悪なのだろう。


そんな場所の為、裏の世界で生きている人間が隠れ蓑にしやすい場所でもある。


暴力が渦巻き、実力が物をいう世界。


そんな場所にキサラを連れていって無事で帰れるのだろうか。


だが彼女を放置するのは何故かダメな気がするのだ。


キサラを置いてスラムに向かうか?

だがこの家に置いていくにしてもまだ実力が足りない。

家も外壁の中とはいえ壁は目の前なのだ。

俺が居ない時にゴブリンが10体で攻めてきたら間違いなくここは潰される。

ゴブリン2体でさえ苦戦するキサラなぞ瞬殺かつゴブリン達の慰め者になるだろう。


考え過ぎだろうがこの世界はそんなに甘くはない。

大切な物を守るなら常に身につけるかそばにいるのが確実なのだ。


そうなると連れていくことしか選択肢が無くなる。

だが連れていくにしても彼女を守るためには...


何か名案はないだろうか。


だが時間が惜しい。

仕方ない。

安定のゴリ押しで行くしかない。


ならばと俺はルーティーンをすることにする。

俺は地べたに座り込み座禅をくんで手の平を胸のあたりで合わせる。


「ご主人さま?何をなさるのですか?」


キサラが急に俺が地べたに座るもんだから心配になって質問してきた。


だが今の俺は普段とは比べ物にならないくらいの集中力を発揮している。

俺は座禅を組むことで心頭滅却、頭の中を空っぽにし無我の境地に入る。

修行僧などでいう悟りと言うものだ。


何故俺が悟りを開けているのかと言うとそれは勿論訓練したからである。

それは幼稚園の頃からの習慣だった。

親が座禅を組んでれば賢くなる!とかふざけたことがきっかけで俺は賢くなりたいというアホな考えで組み始めた。

勿論、幼稚園児に何も考えるなと言うのは不可能な話なので小学校中学年あたりまではただただ座禅を組んでいるだけだった。

だが小学5年の夏の話だ。

俺は毎日毎日夏の宿題で辟易していた。

そこでもはや習慣となっていた座禅を組んだ。

勿論、明日は何がしたいだとか頭の中で考えていた。

だがふと幼稚園の頃に親父が「座禅を組む時には何も考えてはいけないぞ」と言われたのを思い出したのだ。

なんでそんなことを思い出したかって?

隣にいた親父が俺が座禅を組んでいたのをみてぼそぼそ耳元で呟いてきてうざかったからだ。


その時初めて考えるのをやめた。

すると不思議な事に、目をつぶっているのに周りの状況がよくわかるようになってきたのだ。

それは音で何がどんな音を出してるか感じ始めたからだった。


勿論、目を開けないと歩いたりするのはできないが目をつぶって座禅を組んで何も考えず耳をすませると自然と何が起こっているのか分かるようになっていった。


だが分かっても何も考えていないせいで目を開けて前を見ると全て鮮明に思い出すことは無理だった。

ただ、目を開けた瞬間目の前にあった宿題しか見えなくなった。


極限の集中力とでもいうのだろうか、今までにないくらい直ぐに宿題は片付いた。

勿論反動のようなもので疲労感はどっとやってき、次の昼までずっと寝ていたほどだ。


それでも一般人が集中力を切らさずに維持できる時間が約2時間と言われる中で小学生ながら2時間30分を叩きだしているのだから効果は十分だろう。


俺はそのまま座禅を継続しルーティーンを行っていく。


1分間の座禅を行うことで集中力が極限まで上がる。

今の継続時間はおよそ3時間。


その内にスラムでの決着を付けたいがいささか心もとない。

なのでキサラに普段掛けている自然治癒促進の魔法を身体に掛ける。

これによってスタミナを回復しつつ行動することができる。

だがこの技には欠点がある。


まず精神的疲労は取れないので集中力は緩やかに下がっていく。

次に体力が回復すると言ってもそれ程大きいものではない。


普段の体力消費を10とするとこの技で回復するのは精々5。

なおこれは普通に生活している状態でなので戦闘になると体力の消費もその分増えるし攻撃を喰らえばその分スタミナも削られる。


±0になるのではなく徐々に減っていく。


結果的には精神的にも体力的にも確実に減っていくのだ。

時間的換算でおよそ7時間と言ったところだろう。


それまでに決着を付けなければならない。

その為に極限状態の集中力をある程度の所まで抑えておく。少しでも時間を延ばすために。


だがそんな事をしてもどういう形が終わったと言えるのかが今だに分かっていない。

恐らくあの子は奴隷狩りから既にスラムの悪徳奴隷商に売られてるとみていい。

問題は誰かに買われた可能性だ。


だが奴隷狩りから受け取ってそれ程の時間は経っていないはずだ。

ならまだ商品として並べられるには品定めなど必要だろう。


それに獣人だが中々の美少女だ。

先のホワイト奴隷商のように処女の方が高くそして景気のいい人間に売る事ができるだろう。

そうすると信用できる人間を雇うなどして手を出させないようにするのがセオリー。


ならまだ時間はあるはずだ。

まだ間に合う。


ある程度の確信と安全を信じ彼女を助けに行く。

冷静だからこそしっかりと心の安定を保つ。


彼女を助けるのだ。


「キサラ、準備は良いか?」


「私は何時でも大丈夫です。」


「すまんな。まともな武器が無いのに。」


「構いません。それに私もあんな目をした娘(こ)が奴隷狩りにあったなんて思うと助けたく思います。」


「どうしてだ?」


「私もあの娘(こ)の事が気に入ってしまったのかもしれません。」


「そうか。だがこれは助けるだけで彼女を仲間にするためじゃないんだぞ?」


「分かっています。ですがあの娘《こ》は大丈夫です。」


「大丈夫?」


「大丈夫です。」


「?まぁいいか。分かった。じゃぁ今回は対人戦になるかも知れないから一応簡単なナイフのレクチャーをしておく。」


モンスターのように身体能力だけで押してくるような奴だけならいい。

だが人間というのは効率を求めるのなのだ。


そのために空手などの技術が生まれるのだ。


正直、今のキサラではそう言った対人戦では分が悪いどころか、勝つ見込みがない。

だが負けなければいい。


逃げに徹するか俺に回すようにするべきだ。

だがそれが1人とは限らないし複数人の可能性は十分にある。


その為に勝つ戦い方ではなく、負けない戦い方を教える。


ナイフという近接武器で小回りが利き対人戦に適している武器は中々ない。

それを生かす戦い方を教える。


口頭では限界があるが今は時間が無い。


仕方ないとは言い難いがキサラなら大丈夫だ。


短い日数だが俺との戦闘訓練はやってきた。

本でしか武術の心得がないというかそれは心得とは言わないようなレベルの動きだがキサラを翻弄することはたやすかった。


俺としてもキサラとしても良い訓練だっただろう。


それを彼女は活かせる人間だ。


それにこれは杞憂になるかも知れない。




キサラに説明をしながら向かっていると丁度終わる頃にはスラムの入り口に立った。


あたりは暗く、夜の7時位の時間だろう。


「キサラ。」


「はい、心得ております。」


二人で短い確認を行い。


スラムに入る。


すると案の定、入り口入ると直ぐにちょっと太ったいかにも一般人からむしり取って楽に過ごしてそうなでかい男と、ここでも、もしくは直ぐそこの入り口付近で恐喝慣れしている筋肉質の男が立っておりこちらを見つけると向かってきた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


今回も恐らく読みにくい話だったとは思います。

これから頑張るので許して下さい。orz


さて今回はシンのルーティーンが出てきました。

少しネタバレになりますが流石に1分もかかるルーティーンを戦闘で使う訳にはいかないシンは新たなルーティーンの開発をする(予定)な感じです。


さてもうすぐ今年も終了しますがみなさんどう過ごしていますでしょうか。

僕はお掃除三昧で終わりそうですw

今年の溜まった垢を落としていきたいと思いますw


最後にいつもいつもブックマークしてみてくださってる方、新しくブックマークされた方。

毎度ありがとうございます。

このタイトルも奇跡のブクマ数100越えしました!

本当に感謝です!


まだまだ文章力上がらない僕ですが目を薄く開き温かい目で見ていただけると丁度いいかと毎度思いますwww


それでは次は年明けの第1水曜日、6日ですか?までには投稿させてもらうつもりですのでよろしくお願いします。


ではではまた次話もよろしくお願いしますm(_ _)m

(あとがきからも漂う低レベル文章力臭)

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