閑話『キサラの気持ち』
少し短めです。
私はキサラ・M・サラフィール。
サラフィール公爵家の長女だ。
公爵家なので後継ぎは男の方が勿論いいのだが母が妊娠しずらい身体だったのだ。
なので子どもは私しかおらず他の分家などからも養子を取ろうかなどと話していたのだが実はもうそれど事の騒ぎではなかった。
二年ほど前からサラフィール家の領地は大凶作に見舞われており経営していくのがだんだんと困難になってきたのだ。
それ以前から元々土の質が悪くなっていたため作物が育ちにくかった。
そこに追い打ちをかけるようにしての国からの税金徴収。
領民から税金は取れない、だが国は税を取りに来る。
当然、公爵家は傾いていき没落していった。
世間では実はこれは珍しい事ではない。
むしろ教養ある人間が少ない。
貴族でもそれこそキサラ世代ぐらいが丁度学校という制度が始まり通学し始めたばかりだったのだ。
当然父親も貴族だが学校などなくその父からの教えでのみ育ってきた。
故に当然のように没落していった。
使用人には最後の給料を払えとストライキを起こす寸前だ。
だがそんな金は公爵家には既にない。
それに今までにちょくちょく苦しい場面がありちょっとした借金まであった。
更には領主とその妻まで他の領主の領地から帰る際、何故そんな道を通ったのか両親はこの国でも有名な渓谷の側を渡っていたようで誤って転落したのか、はたまた何者かに押されたのか。
遺体は渓谷の谷底で帰ってくる予定の次の日に発見された。
発見者はその渓谷の谷底を調査していた冒険社達だった。
公爵が亡くなったからと言って使用人たちには仕える人が減っただけであり給料さえ払わない、むしろ仕えるべき領主ではないと判断した為だ。
後継者は娘しかいなかったが発展途上のこの国ではやはり男が領主の方が周りからは簡単に見下されはしないし嫌われることもない。
なので娘が代行として少なからずの給料を使用人に渡し、身を削りながら収めてきたがとうとう限界が来てしまった。
払う金なんて1銭もなく使用人たちは割に合わない仕事、かさむ税金が払えず苦しむ領民。
彼女は最終手段を取らざる得なかった。
幸いだったのは娘が目麗しく、運がよければ妾の可能性があったからだ。
奴隷商に身を売ったのだ。
どうせもう立て直しは無理なのだから跡取りが居ても仕方ないしましてや女の子だ。
更にはいくら美しかろうと何も生むことが出来ない土地を大量ににオマケでついてくる様なものを受け入れる者もいなかった。
公爵という地位も原因であっただろう。
そういう理由で彼女はあっさりと自らを売った。
彼女はそれはとても美しかったが買い手が中々つかなかった。
理由は簡単で彼女が売られていた場所は炭鉱が近かったのだ。
そこの営業者が買っていこうとする時があったが結局欲しいのは炭鉱で働けるものなのだ。
女なんて二の次だしそいつを養っていくなら男達は大人しく娼館に女を抱きに行く方が金がかからない。
結局キサラはそこでは売れ残り次の町へ向かった。
その街が今のご主人、シンと出会った街である。
キサラは元公爵であり尚且つかなりの美人だあったため炭鉱の町では売れなかったがこの街では勿論引き手数多だったのは間違いないのだがこれが彼女が法外な値段だったのだ。
それも当然であるのはそうだ。
理由はさっき言った通り。
美人で元公爵。
とどめは処女であるという変態貴族大歓喜の物件だからである。
もちろん変態貴族はキサラを欲しがったが値段を見て諦める者、必ず金を溜めて戻ってくるからと店では承認していないキープを訴える者。
彼女を買うために無茶をしでかし死んでいく者もいた。
だが凄いのはそんな話がたった一日で起きた話なのだ。
どれだけこの国の貴族は意地きたなく気持悪いかをたった1日で認識したキサラは2日目にくる貴族にすら嫌悪をいだいた。
どうせ自分には身体だけしか目当てじゃない者しか寄って来ないとその2日目で悟りを開こうとした時、シンが店にやってきた。
最初見た時はこの男も私を見たら身体目当てで店に無理難題を言ってくるのだろう。
そう思った時店の通信機器に連絡が入ったので店主に取り次ぎをした。
その時に彼は私を見て顔を赤く染め恥ずかしそうにこちらを見たりしていた。
それを見てやっぱり男なんてと私は思ってしまった。
実際、今でもご主人様の考えが分からない時があるがこの時の考えが今でも分からなかった。
それはシンから投げかけられた質問だった。
「キサラは戦闘はできるのか?」と
初めて私の身体以外を求めた人と出会った。
だがその質問は本来おかしいものだ。
通常の冒険者が女の奴隷を買うのはもう性奴隷しかいない。
ぶっちゃけ戦力なんて期待してはいないのだ。
稀に奴隷から魔法使いや屈強な戦士に成りあがり女でも戦いに身を置いた人達はいる。
だがそれは最初から適性がある者しか選ばない。
剣士なら女でもガタイのいい者を選ぶし、魔法使いなら使える魔法ができるだけ多く魔力もできるだけ多い物を選ぶのだ。
そしてそのどちらでもないキサラはもはや混乱しかなかった。
見た目で分かる私の貧弱さが分からないのだろうかとも思った。
だが質問してきた彼の目を見て理解した。
伊達に公爵の血を継いだキサラではなく、人を見る目はあった。
そして理解した。
彼は本気で私を戦力として欲しているのだ。
勿論、身体も目当てなのだろう。
だがそれは恐らく二の次なのだろ。
彼の見た目だけでも新米の冒険者というのは分かる。
だが彼の底知れない何かを感じるのも確かだ。
それに彼の目を見ていると何故か心臓がバクバクと激しく動き出す。
そういえばまだ公爵の時、屋敷で働いていたメイドに聞いたことがある。
恋は唐突で心地よくてそしてとても苦しいものだと。
詳しい話を聞いたことは無いがこれは恋なのだろうが。
彼を見ているだけで心地よいというか安心する。
だが苦しいと言われるとそうではない。
なんなのだろう。
この気持ちは。
本当に恋なのだろうか、それともただの動悸なのだろうか。
動悸にしては私はそんな歳でもないはずなのだけれど。
でも彼に買われたので支度の為に待機部屋に戻ると動悸と言うか胸の高鳴りはおさまる。
だが何故か分からないがここに戻ってきてから時間もそんなにたってもいないのに彼の顔を思い出す。
そして頬が自然と緩むのが自分でも分かるのだ。
そして買われたことを今更理解する。
そして彼に買われると言うことは。
(これからシン様と一つ屋根の下で過ごすことに...///)
恐らく彼に私の初めてをあげることになるだろうがそれはなんだか嫌な気分ではなくむしろ良いきぶ...ゴホン!
だがその前に私は彼に一目惚れをしたのだと認識するのが先だったりした。
それは彼に買われて奴隷商をでて街を散策した時だった。
彼は何食わぬ顔で私を買い、そのまま私の服や装備などを揃えていった。
たとえ革の防具だろうが新米の冒険者で奴隷を買うような人は大抵、奴隷を買ったせいで資金が底をつき奴隷に装備なしで冒険者に同伴させ壁役にする奴などごまんといる。
特に自分で言ってはなんだが高級奴隷を買ったのだ。
新米冒険者の資金なんぞ残ってないと思っていたし、そもそも奴隷に防具なんて必要ないといい壁役にされると思っていたからだ。
あまつさえ私に扱いやすいように流派に合わせた大型の両刃剣まで買い与えてくださった。
だがそれは彼の考えでは当たり前のことだった。
私に期待していると言われ私自身も嬉しかった。
だが私は奴隷の身分に物を買い与えてくれるから一目惚れしたんだと理解したのではなかった。
ただ単純に彼と街を歩き、物を見て買い物するのがとても楽しかったのだ。
それは今までにない経験の連続であった。
彼、シン様に一目惚れしていたんだと理解できた時には私の心には何かつっかえが取れたような清々しさだった。
その日の夜にシン様もといご主人様は大きな桶を買ってきてお湯を張り、お風呂を即席で作ってしまったのだ。
ご主人様にならどこでだって捧げるつもりではいたがやはりいざとなると緊張し始めたがご主人様は私の身体を触るだけで何もしてこなかった。
でもその行為のおかげなのか緊張は少し解け逆にご主人様に洗って貰って申し訳ないと思うのと同時に恥ずかしくなってきた。
でも気もち...
そうしてお風呂からあがって?いやご主人様の手で介抱されて恥ずかしさから自室に戻って着替えると同時に初めてをささげる為に気合を入れる。
そこまで緊張するなら自室で寝ればいいとか思う人もいると思うのだがこの部屋には実はベットが無い。
私は奴隷の身分だから床で寝ろと言うことだと思ったのだがご主人様が。
「ベットは俺の部屋にしかないから寝るときは俺の部屋に来い。」
と言われたのです。
勿論、いくら元公爵でも今は奴隷の身分。
奴隷がベット、ましてやご主人様と一緒に寝るなんてなんておこがましいんだと思いました。
確かにご主人様が男で奴隷が女の場合で奴隷と一緒に寝る主も勿論居ますがそれは快楽や行為に耐えられなかった奴隷を仕方なく寝かせているだけなのです。
それも呼吸が穏やかになれば無理やり目を覚まさせ強制的に自室や主の部屋の床に寝かされるのが普通なのです。
それが奴隷の当たり前の立場なのです。
ですが私のご主人様はそういう考えではないようで私が否定するとそれが2倍3倍になって返ってくるのです。
私ももうご主人様に買われた身ですしご主人様の命令なら従うのみです。
そのままご主人様のベットで初めてを捧げました。
ご主人様は優しく、時に激しく私を求めて下さいました。
私は気持ちよさなのか分からない何かで意識を失い気がつけば朝になっていました。
ご主人様は先に起きており私の寝顔を見ていたようです。
正直、恥ずかしさで死にそうでした。
なので仕返しにご主人様にキスをするといたく気に入られたようでこれから毎朝よろしくと命令されました。
ご主人様に命令されるのは嬉しいのですが毎朝と言うことは毎晩私を可愛がって....///////
私は顔が赤くなるのが自分でも分かりましたが全然嫌な気分ではありませんでした。
その日から私を買ったもう一つの理由の戦闘を見てもらいましたが魔物兎に大苦戦し、結局買っていただいた両刃剣も満足に使いこなせませんでした。
夕方にはギルドや昨日行った武器屋にも行きました。
その武器屋は主人自らが武器を作っているようです。
ご主人様は店の主人にカタナと呼ばれる武器の製造を依頼していました。
何でもご主人様が生まれ育った国の武器だそうです。
重さも両刃剣のようにずっしりと重いわけではなく。
更に私用に軽く作ってくれるそうです。
そしてそのカタナという武器の特徴は刃は片側にしかなく刃が無い方は峰と言うそうです。
その峰で攻撃して相手を殺さず無力化することを峰打ちと言うそうです。
そしてその武器の最大の特徴は反りと呼ばれているカタナの曲がりだそうです。
私の知っている剣で曲がっているものなどお飾りで作られているギザギザの剣くらいです。
ご主人様に教えていただいたのは、なんでも刃と峰に使われている金属が違うらしく製造工程で金属のユウテン?と言うものが違うらしくその所為で反りが生まれるそうです。
いくら生まれた国の武器と言っても何故そこまでご主人様は知っていらっしゃるのでしょう。
ですがなんであれ私はご主人様についていくだけです。
次の日からは訓練とご主人様からの教育がはじまりました。
勿論、昨晩もご主人様に可愛がって貰い、私は気持よか....
朝から公爵の時には考えられなかったような豪勢さと量とその料理の重さに四苦八苦しつつ食べおえ、朝のランニングから始めました。
外壁を走ると言われた時は戦慄を覚えましたが私はまだ甘かったようで、外壁の外を走ると言われた時は血の気が引きました。
何故、この国は外壁を設けているのかと言うと敵国からの防衛以外に外には魔物兎以外にもモンスターがおりその脅威から身を守るためなのだ。
外壁付近には常に冒険者たちが間引きを行っていたりするので比較的強い魔物などは来ることは滅多になく、ゴブリンやオークなどの比較的単体では弱いモンスターばかりしかいない。
だが例外と言うものは間違いなくあり、過去には大型の龍種と呼ばれるモンスターの中でも種族として最上級の強さを誇る魔物が攻めてきた歴史もある。
勿論、ゴブリンキングなども侵略に来たこともあるが一番被害が大きかったのはその龍種の襲来だろう。
ですが外壁を走る理由が私に治療魔法を使える為の知識を教えてくださると言うことでしたので戦々恐々としながら私はご主人様の後ろを走っていきました。
道中、やはりオークやゴブリンがちょこちょこでてきました。
ギルドにはクエストを受注しているので手当たり次第ご主人様が吹き飛ばしていきます。
オークを見つけた時は私が最初に無茶して使った両刃剣で首を一撃で切り落としすぐさま回収、走るのをやめて休憩するついでにオークを解剖しました。
中には私が聞いたことが少ない臓器と呼ばれる身体を動かすための物をご主人様に解説してもらいました。
心臓や肺、横隔膜や肝に小腸大腸、あとオークにはありませんでしたが女性特有で子宮や卵管など子どもを育てる部分があるそうです。
男性には逆に精巣などの部分の説明を教えていただきました。
ちなみにオークは基本オスのみなので男性特有の物がついていたので説明してもらいました。
ご主人様からは真面目に教えていただきましたがご主人様のアレが一昨日、昨日の共に夜に私の身体の...
この話はやめましょう。
既に恥ずかしいです。
その後も時間は過ぎていきご主人様にはナイフを扱うためのコツなどを教えてもらい。
夜伽をし。
そんな私にとって幸せな生活の時にご主人様は道の端っこでポーションを販売している犬耳の獣人種の女の子を見て顔がゆるんでるのを見て私は嫉妬してしまいました。
それを察したのかご主人様はポーションを買ってと獣人に視線を送られており助けを求めるように私に声を掛けましたが、私はデレデレしているご主人様にちょっとムカっときてしまいそっけない返事をしてしまいました。
私は悪い子です。
ご主人様も結局その瞳に負けてしまいポーションを5本購入しました。
その時ご主人様に支払う銅貨を見せてもらいましたが明かに二枚多かったのでご主人様に申し立てようとするとアイコンタクトで(分かってるね?)と言われた私はご主人様の優しさに惚れ直しました。
ポーションを購入した後、ご主人様に良い言葉を教えていただきました。
「情けは人のためならず。ですか...」
非常に良い言葉を聞きました。
それにとある作家さんの考え、人に優しくするとそれが廻り《めぐ》廻って自分に優しさが返ってくると言う。
私はその言葉に感動しました。
流石はご主人様です。
その日の晩にも私はご主人様にいつも以上に可愛がられました。
私の嫉妬を理解してくださり私に優しくしてくれるご主人様。
そんなご主人様が私は大好きです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回はキサラの気持ちを簡単に書かせてもらいましたが伝わりましたかね?
ヒロインの気持ちを書くのがこんなにも難しいとは...
次からは新ヒロインが仲間に加わる予定ですが、そうなるところまで持っていけるかどうか...
次の話の投稿予定は30日までにはなんとか...
次の話で今年は終わりたいと思います。
最後に毎度毎度ブックマークして読んでいただき誠にありがとうございます。
相変わらず成長しない文章力を生温かい目で薄く見てもらうと丁度いいと思います(笑)
これからもがんばって投稿していきますのでよろしくお願いします。
ではまた次話もよろしくお願いします。
※追記
キサラが売られた理由に矛盾があるとの指摘があったため修整しております。
ご指摘していただいた方ありがとうございます。m(_ _)m




