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銀翼の飛翔  作者: fey5
第3章 修行と後悔
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24話 修行が終わって王都へ

新暦1345年 ガレリア大陸 カルティア王国 王都カルティア近隣東部




「お~見えてきたのぉ~あれがカルティア王国の王都じゃ。そろそろ降りるぞぃ」


「了~解。へ~あれがこの国の王都かぁ。ギン、俺らは下に降りるからな」


ピュエエエエ



2人と1羽はのんびり旅気分を味わうこともなく、同じ景色が続く空をトキのスピードに合わせて飛んできていた。


一度老師の家に戻った際、家の中の片付けをしてからの出発だったため時間がかかってしまったが、そこから王都まではわずか5日で着いたのだった。


地面に降りてからは徒歩で王都へ向かう。


ギンは目立つので近くの森で待機してもらうことになった。


トキの視線の先には高く白っぽい城壁がそびえている。



『王都カルティア』


新暦854年に建国されたカルティア王国の王都。

当時は中規模の要塞都市だったが、国の発展に伴い城壁の増築が進み、王城が建てられた。

現在では3層の城壁があり、内側から王城、行政関連施設や貴族・富裕層の住宅街、市民街と分けられている。

ギルドはこのうち市民街の南側に集中している。




「うわぁ、たっけー」



城壁の中でも外側の城壁が最も高く、20mを超えるものであった。


南側の門の前では、多くの人が検問待ちで並んでいた。



「ジジイ。俺、身分証明書とか持ってないけど大丈夫か?」


「ギルドで発行してもらってから後ほど渡せばよい。儂は持ってるから大丈夫じゃ」


「出た。大丈夫。一応聞いておくけど、指名手配とかされてないだろうな?」


「犯罪なんど犯しとらんわい!(たぶん)」


「今たぶんって言わなかったか?」


「き、気のせいじゃ。ほれ、儂らも並ぶぞぃ」



貴様は!?観念して自首してきたか!?といったことにはならず、意外とすんなり王都へ入ることができた。


南門からの大通りは結構な広さがあり、立ち並ぶ様々な店に立ち寄る人や通行人で溢れていた。


(こんなに人がいるの、この世界では初めて見るな)


老師はギルドの場所を知っているようで、人を避けながらスイスイ先に進んでいくので、慌ててトキも後を追った。


途中、見知らぬ飲み物を売っている店があって物珍しげに見ていたら、しょうがない孫じゃのう、というように買ってくれた。


きっと明日は雨だろう。


(柑橘っぽい香りなのに甘い。おいしいな、これ)


聞くと、サルンガ共和国産のキュートという果実らしい。


さすが王都だけあって、他の国からも物が入ってくるようだ。



石の建物が並ぶ異国情緒溢れる大通りを進み、右へ曲がる。


するとさっきまでと通行人の様子が違うことに気がつく。


金属や革製の防具を身に付け、剣や槍、弓など武器を持った人が多くなっていた。


少し進むとそんな人たちが出入りする建物が見えてくる。


かなり大きい木造2階建ての建物。


盾に斜めの剣が描かれた看板が下げられている。


カルティアの冒険者ギルドだ。



『冒険者ギルド』


ガレリア大陸の5カ国の各首都のみに置かれている。

その役割は、生物の素材・植物・鉱石などの収集や危険生物の討伐、護衛などを主な仕事とする冒険者に依頼を斡旋することにある。

国とは独立した組織によって運営されており、冒険者の依頼報酬の2割を税金として徴収し、1割を組織の運営に、もう1割を国に納めている。

依頼と各冒険者にはランク付けがされており、それに見合ったものをギルドは斡旋する。

その成果と実績に基づいて、上からSS,S,A,B,C,D,E,Fの8段階に分けられている。

SSランクの冒険者は現在3人。




扉を開くと、ガヤガヤとした話し声が聞こえてきた。


この国の冒険者が集まるのだから当然だが、いい盛況っぷりのようだ。


正面にそれぞれ仕切られたカウンターがあり、入口から広いスペースが空いている。


掲示板のような場所でびっしり貼られた依頼に目を通す人もいれば、右側の部屋で集めた素材を抱えて順番を待っている人もいる。


左側は冒険者休憩スペースのようになっていて、パーティや仲間うちで雑談をしている人が見られる。


チラチラとよそ見をしていたら、老師に正面カウンターで登録してこいと言われた。


正面カウンターはそれほど混んでなかったのでまっすぐ進む。


受付の人は20代くらいの長い茶色い髪をした綺麗なオネーサンだった。


他意はない。


他意がありまくりそうな人物は休憩スペースに向かったようだ。


明日は確実に雨だろう。



「こんにちは。どういったご用件でしょう?」


「こんにちは。ギルド登録をしたいのですが、よろしいですか?」



外面は完璧である。



「はい、ではこちらの用紙に必要事項をご記入してください。偽ると罪に問われるので、必須事項は必ず事実のみお願いします」


「必須じゃないところは適当でもいいんですか?」


「はい、かまいません。代筆は必要ですか?」


「いえ、大丈夫です」


(え~と、必須は名前と年齢、出身、他ギルド登録の有無か。村は放棄するとか言ってたけど、まぁいいか。他は~戦闘方法はナイフと風魔法。活動範囲は不明と。連絡先は後日連絡、と。これでいいか)


「できました。お願いします」


「はい、確かに。ギルドや冒険者について説明させていただきますが、よろしいですか?」


「いえ、大体は理解しているので、いくつか質問だけさせてください」


「わかりました。なんでしょう?」


「まず、ランクについてですが、例えばBランクの人だとどの範囲のランクまで依頼を受けられるのですか?」


「ランクはSS~Bまでの上位ランクとC~Fまでの下位ランクに分けられております。受けられる依頼はそのランクと1つ上と下のランクになりますが、Cランクの場合はCとDのみとなります。これは上位依頼と下位依頼の差が大きく、下位ランカーの命を守るための措置とお考え下さい」


「わかりました。ではランクをあげるための成果と実績とはどういう基準に基づくのでしょう?依頼達成の回数ですか?」


「はい。そのランクを20回、もしくは1つ上のランクを10回達成することが最低条件になります。Cランクの場合は必然的にCランク依頼を20回となりますね。また、SSランクは五カ国のそれぞれのギルド長の内、3人以上の認証が必要となります」


「最低条件とはなんですか?」


「依頼主や他の冒険者、ギルド員とトラブルを起こしたりなどして、厳罰対象になるとランクアップが認められない場合があります」


「なるほど。あと、パーティで依頼を受注する場合は全員の平均ランクにより、ギルド員が可不可を決めるということでよろしかったでしょうか?」


「はい、その通りです。申請をする場合はできるだけ早く窓口にお越しください。それとお客様は現在10歳とありますが、15歳までは報酬の1割がギルドの運営費に、15歳以降は人頭税を含めて2割が徴収されますので、ご留意ください」


「わかりました。質問は以上です。ありがとうございました」


「はい。お気を付けて」



その後、老師と王都を観光がてらブラブラしてから、宿屋で一泊することになった。



ピュエエエエエ


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