表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀翼の飛翔  作者: fey5
第3章 修行と後悔
24/142

23話 ジジイの扱いはこんなもの

新暦1344年 ガレリア大陸 ゴウホウ霊山本山頂上





「ふむ。今日はここまでとしとこうかの」


「うぃ~したっ!」



あれからもずっと修行を続けていたトキは10歳になっていた。


せっかくの異世界だから冒険したい、という気持ちがないわけではなかったが、自分の強さ(主に疾風の鎧(ゲイルアーマー)の完成度)に納得がいかなかったトキは以前からのサイクルを続けていた。


それに、冒険するのにも先立つものが必要だ。


そんなわけで、ギンとの休日には本山を降りて薬草を採取したり、獣を狩ったりして少しずつ貯蓄していたのだった。



最初はつまずいたが、疾風の鎧(ゲイルアーマー)を使って、連動した複雑な高速行動も可能になり、現在では老師と地上戦の戦闘訓練で10回に3回は勝てるほどまでになっていた。


空中戦はまだまだ苦手なのはご愛嬌。



ちなみに、現在のトキの装備は以下の通り。


ロクスの短剣、ナイフ、スローングナイフ(各所に装備)、獣皮の手甲、(状態異常無効化はついていない)リリーのリボン、ロクスのジャケット、獣皮の胸当て(ギンが止まれるように左肩もカバー)、獣皮のブーツ。


ロクスの遺した短剣も戦闘訓練のせいでガタがきている。


老師の大型ナイフをちゃっかり狙っていたりするのだが、よほど愛着があるのだろう、いいお返事はもらえていない。



ギンは今日も元気です。


病気になることは一度もなかった。


もう3歳になるが大人と言えるのだろうか。


寿命もよくわからないからなんとも言えない。


繁殖期を迎えて相手が見つかったら挨拶にきてほしいと思うトキ。


ちなみに生まれてからずっとギンの性別は不明だ。


見分け方がわからないから性別はギン、ということにしている。



戦闘訓練が終わり、肩に乗ったギンと戯れていると、老師が話をきりだした。



「お主は今後のことや将来のことをどう考えておるんじゃ?」


「ジジイ。いつから職業を変人から進路指導役の教師に変えたんだ?」


「変人は職業ではないわ!いや、それより師匠をそんな風に見とるのか!?」


「ギン。目の前のジジイが『師匠』だと思えば1回、『変人』だと思うなら2回、『教師』だと思うなら3回鳴いてみな」


キュエエ  キュエエ


「被告人、異議は?」


「鳥に!鳥にさえも、儂はっ!」



鳥にまで変人扱いされた老師は地面を叩きながら泣いていた。


老師の変人度が職業レベルだと疑ってもいないトキは、今後の予定を考えてみた。



「やることは一応あるな。冒険者ギルドに登録することと侯爵様へ一度顔見せなきゃな。あとは故郷へ墓参りするくらいか。将来は……もう一度あの村を、パイオニル村を復興させたい、かな。今度は守れるくらい強くなってからだけど」


「侯爵?大丈夫なのか?その貴族は」


「ああ、いい人だったよ。貴族と思えないくらいに。命を救われた恩があってな」


「ふむぅ。よし、では儂もついてまいろう。貴族というのは油断ならんし、村の復興も一人ではできんし、道中儂がおればお主も安心じゃろ」


「ギンせんせ~職業変人がなんかほざいてるよ~」


キュエエエ


「却下、だってさ」


「嘘つくでない!そんなこと言ったはずがなかろうが!」


「じゃ~ギン。さっきの言葉が『僕も安心大賛成』なら1回、『足引っ張るんじゃねーぞ』なら2回、『却下、死刑』なら3か「待て!待つんじゃ!いや、待ってください」


「被告人、目をそらさず現実を見てください。大丈夫、少しの勇気をもってください」


「儂のライフがなくなってしまうぅ。……わかった。儂も連れて行ってください」


「では、誓いの言葉を。あなたは、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、我らトキとギンを敬い、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」


「ち、誓うのじゃ。……なんか変なもんを誓わされたような気がするんじゃが、気のせいかいの?」


「気のせいです」


キュエエエ



この日、長く生活してきたゴウホウ霊山を離れることになった2人と1羽。


最寄りの街を辿って、目指すはファウスタイン侯爵領。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ