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冒険者は塔に挑む  作者: 結城 からく


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第14話 塔の稼ぎは良い

 あなたは貧乏な銃士だ。

 生活費を稼ぐため塔に挑んでいる。

 ありふれた動機とは裏腹に、あなたの武器は珍しかった。


 銃を扱う者は少ない。

 細かな手入れが必要である点に加えて、使用する弾が高価だからだ。

 おまけに魔物が相手では威力不足となりやすく、余計に弾を消費してしまう。

 戦うほど赤字が膨らむという事態になりかねないのである。

 銃が不人気の武器となるのも仕方のないことだろう。


 それでもあなたが銃を使うのは、格好良さが理由だった。

 幼い頃に見た銃士の戦いぶりに目を奪われたのである。

 強い憧れを抱いたあなたは、成人後に銃を使う冒険者となった。

 色々と不遇なことはあるものの、なんとか生計を立てて暮らしている。


 現在、あなたの前には二体のホブゴブリンがいた。

 それぞれ剣と斧を持っている。

 非力なあなたは、真っ向からの対決では勝ち目がない。

 有利な間合いをどう保つかが鍵だった。


 あなたの手には二種類の銃が握られている。

 右手は六連装の拳銃で、左手は二連式の散弾銃だ。

 冒険者として様々な経験を積んだ結果、このスタイルに落ち着いたのである。


 あなたはホブゴブリンが動く前に拳銃を三連射した。

 一発目が剣持ちの膝に命中し、体勢を崩させる。

 二発目は同じ個体の腹に炸裂した。

 そして三発目は、斧持ちの手首を抉る。

 弾みで斧が取り落とされた。


 先手を打ったあなたは、残る拳銃の弾を撃ち尽くす。

 三発の弾が剣持ちの頬と鼻と額に穴を開けた。

 そのホブゴブリンは、声を上げることなく倒れて死んだ。

 己が何をされたのか理解する間もなかったろう。


 片割れが殺されたことで、もう一方のホブゴブリンは慌てる。

 無傷の片手で斧を拾い上げると、叫びながらあなたに襲いかかってきた。

 ホブゴブリンの膂力は、成人男性のそれを僅かに上回る。

 斧の斬撃が当たれば致命傷は免れられない。


 あなたは冷静に斧を躱すと、散弾銃をホブゴブリンに突き付けた。

 そして引き金を引く。

 至近距離からの散弾がホブゴブリンの顔面を耕した。

 ホブゴブリンは鮮血を迸らせて即死する。

 痙攣する身体が血溜まりを広げていく。


 部屋の仕掛けが作動し、宝箱と階段が出現した。

 息を吐いて緊張を解いたあなたは、銃の再装填を行う。

 滑らかな動作は、目隠しをした状態でも問題なく実行できるように訓練していた。

 二種の銃に弾を込め終えたあなたは、軽い足取りで宝箱を開ける。


 中には数枚の金貨と魔力の回復薬が入っていた。

 あなたは手を叩いて大喜びする。

 低階層にしては破格の報酬だ。

 これでしばらくは生活に困らず、弾の購入費に悩むこともない。

 まだ先の階層へ進むつもりなので、稼ぎはさらに増えるだろう。


 報酬を慎重に仕舞ったあなたは、銃を回転させながら階段へと向かう。

 その後、あなたは四十階まで戦い抜くと、弾不足となって塔を脱出した。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「ファンタジー世界を舞台としたTRPGで我々の世界と同等かそれ以上の銃火器を出すと、バランス調整に苦労するよな」と思いました。 (ソードワールド2.5でゲームマスターをやろうかと思い、ルール…
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