↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月色の砂漠 -ミフル-  作者: チク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/32

掘り出し物


 気づけば、朝になっていた。


 キョウらしき環境維持ロボを会話していたはずだったが、途中で寝てしまったようだ。

 あの後、どんな会話しただろう?


――うっかり名前を名乗ったりしてないよな?


 まあ、名前を言ってたとしても、キョウは夢だと思っていたらしいからなんとか誤魔化せるだろう。

 それも心配だが、キョウはミフルの家の場所を知っているのも問題だ。


 いずれ、人間の姿のミフルとキョウが遭遇してしまうかもしれない。 


 何か対策を考えないと――。



     *


 という話をケイにしてみた。


「マスクでもしたら?」

 拍子抜けするほど、あっさりした口調で言われた。


「じゃあ、マスクさえすれば人間の姿でルウの地を歩いてもいいの?」

「バレない自信があるなら、どうぞ?」

 妙に威圧感のある言い方をされた。

 バレない自信があるなら、つまりは、絶対にバレるなということなのだ。


 ミフルは神妙に頷いた。


「それに、マスクをつけて歩く度胸があるのかい?」

 言われ、自分がマスクをつけて歩くのを想像してみた。

 正体がバレないにしろ、いろんな人から必要以上に注目を集めるだろう。

 ただ、顔は隠れているわけだし、別にどうということでもなくないか?


 と言う旨、ケイに伝えるとニヤリとして、こう答えた。

「僕たち似た者同士だね」


 ケイは、少し前に自身の環境維持ロボが壊れてしまい、ルウの地の中をピエロのお面で歩き回るはめになったという。


――そうだよな、場合によっては、人間の姿でルウの地を出歩く必要もあるよな?


 改めて、今後100年は人間の姿でルウの地を歩くなという制約は、ハードで理不尽だと思った。



 そんなわけで、自分の家にいる時にばったりルウの民に出くわした時のために、ケイから適当に顔を隠せるものを貰えることになった。


 ゴミ屋敷はなかなかのお宝もありそう(?)


 そんな中に、ミフルの目を引く物があった。


 顔を覆うマスクで間違いないのだが、それはマスクというより、頭全体を覆う構造になっていた。

 藁でできた籠を逆さまにしたような形状だ。


 被ってみると、籠の網目から丁度いい感じに視界を確保できる。

 頭の形には合わなさそうな籠状のものなのに、これもまたいい感じに頭に固定される。これなら走り回っても落ちなさそう。

 なんらかの魔法がかかってる魔道具の一種なのかもしれない。


 ちなみに、余談だが、籠の場合は網目ではなく籠目というのが正しいのだが、ミフルはその辺の知識が乏しかった。


 その籠を被って、蜘蛛の巣の張った鏡の前でポーズを取ってみる。

 埃がうっすら積もった割れた鏡だから、よくわかりづらい。


 でも、ケイが褒めてくれたのもあって、気分がよかった。


「じゃあ、これ、もらってくね」

 と、ミフルはケイの家を後にした。




     *


 気に入ったグッズを手に入れたので、折角だから、それを被って外を歩いてみることにした。


 場所は――?

 リゾの家にでも行ってみよう。

 キョウが気にしていたみたいだし、少しリゾと話してみたい気分だった。


 最高位は最高位同士の家にある女神像を使い、一瞬で瞬間移動できる。

 それを使って、リゾの家に行ってみた。

 どうやら、不在のようだった。


 いないなら、別にいいや。

 ミフルはその辺をぶらぶら歩き出した。

――そういえば、暗くないな。


 これもある種、この籠の効果なのだろう。

 構造上、光があまり入って来ないはずなのに、暗くはない。

――もしかしたら、夜でも暗くない?


 もし、そうなら、これはとんでもない掘り出し物だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。