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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第五章〜組織の三代最高幹部編〜
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モフモフ、リュビル村へ

俺も含めて、みんながお湯で体を拭く。宿に泊まっている奴らにも、ついでにお湯を売った。正確には、宿主が買い取って売っている。いつもは余ったご飯もおそそわけしているのだが、今日はあいにくなかった。


さて、この部屋には2つのベッドがある。それを5人で寝ないといけないらしい。ルナの代わりに、俺が床で雑魚寝でも言ったのだが、全員から反対されてやむなくこうなった。


2つのベッドをくっつけたのだ。こうすることでギリギリ5人が寝れる程度の広さにはなった。さて、俺が端っこで隣がニーナちゃん……のはずだったんだけど、何故か俺が真ん中になってしまった。


ルナが『トキヤは真ん中に行きなさい。……なんか、見た感じのバランスが悪いのよ』とか言い出した。誰が見るんだよ?見たら最低1人は居ないはずだから、どっちみち一緒のはずなのに。


だが、それを言える空気じゃなかった。みんながそれに賛成したのだ。そして、誰が俺の隣になるかをじゃんけんし始めた。罰ゲームか?


「「「「じゃ〜んけん、ポン!」」」」


「「「「ポン!ポン!ポン!ーー」」」」


「トキヤ様!やりました!」

「ご主人様!ハズクが隣ですよ!」


「なんでよー!今日くらい、私にもー!」

「負けちゃった〜」


あれ?罰ゲームじゃなかったのか?俺の隣になったチワとハズクが喜んでいる。寝る場所なんて、別に大した意味もないだろうに。いや、俺にはあるけどな。


ベッドに入る。隣にはチワ、ハズクがいる。チワの隣にはルナが、ハズクの隣にはニーナちゃんが、それぞれいる。


早々にニーナちゃんが落ちた。スゥスゥと可愛い寝息を立てて寝ている。次にルナも落ちた。さて、あと起きているのはチワとハズクだけだ。


ここでハズクが動いた。自身の豊満な胸を、俺の左腕に当たるように寝返りを打つ。そして、素早く俺の左腕を谷間へと誘う。


すると、今度はチワも負けじと同じようなことをしてくる。さすがにハズクには負けるが、なかなかの大きさだ。だが、変な意地の張り合いはやめてほしい。


ふぅ、何故、思春期真っ盛りの俺が、こんな状況にも対応できているか。その理由は5ヶ月前に取った、あるスキルのお陰だ。


スキルの名前は『賢者』だ。効果は察してほしい。別に魔法が上手くなったりするわけでもなく、頭が良くなったりする事もない、とだけは言っておこう。


「なぁチワ。ハズクに変な対抗心を燃やす必要性はないぞ?チワにはこう言うことをしてほしくないんだ」


「え?あ、えと……そ、そうです、か」


あれ?チワが残念そうに、自身の谷間から俺の右腕を出す。対抗心を俺から折られたんじゃしょうがないが、チワにはこう言うことをしてほしくないんだ。


ハズク?こいつはもうダメだ?いくら言っても聞きやしない。無視する。それが一番賢い選択だ。だが『一番賢い選択はこのまま襲うことですよ?ご主人様』と言った時は、さすがに参った。そして、この発言から無視が始まったのだ。断じて言うが、虐めているわけではない。


「トキヤ様、明日以降の戦いで、スキル『狂化』は使わないでくださいね?」


チワがそう言い出した。スキル『狂化』。これはハズクを殺された時の怒りで発現したスキルだ。理性を失い、結構なペナルティを持つ、回数は残り2回のスキルだ。だがその代わり、その威力はお墨付きで、魔黒龍を瞬殺するほどだ。


「チワ、明日からアクシオスさん、ガルーダさん、グラシアさん、アレク、マージュ、クラディスが居るんだ。安心して、大丈夫だよ」


だが、俺は使うだろう。最初に怒りに任せたかもしれない。みんなが傷つけられたらかもしれない。だが、白殺虎と対峙した時点で、俺は『狂化』を使うのはほぼ確実だと思う。


そしたらどうな代償を負うのかは知らない。だが、死ぬことはないだろう。残り回数は一回残っているのだから。


……最後の一回は組織、そのボスに使う。白殺虎を裏で操った真の黒幕。白殺虎も被害者かもしれない。たか、それがどうした。この怒りは消えない。理不尽かもしれないが、俺は俺を抑える自信がない。


すぅ……すぅ……。チワは寝てしまった。俺の言葉を聞いて、安心したのか?明日は早いし構わないだろう。


「ご主人様……もしかしたら、最後かもしれないんですよ?良いんですか?」


ハズクが急に胸をさっきよりも押し付ける。あぁ、童貞のままで良いのかって事かな?


「別に構わないよ。それに……俺は死なない。だから最後じゃない。そっちの方が、なんか未練があった方が良いだろ?」


「物語では、未練を残した人たちは大抵死にますよ?」


「あれ?こっちにもその風習あったの?まぁ、フラグは回収するためじゃなく、折るためにあるんだ。……前にも似たようなこと言ったっけ?」


「フラグが何かは分かりませんが、ご主人様なら大丈夫ですよ。……ご主人様、おやすみなさい」


ハズクはそう言って寝てしまった。胸に左腕を包み込みながら。……寝れない!こんな状況で寝れてたまるか!『賢者』は賢者にしてくれるだけで、意識はするんだ。態度とあれが賢者になるだけなんだよ!


そう考えながら、俺は5分後には眠りについていたのだった。2人との会話が、俺の心に安らぎをもたらしたのかもしれないな。


***


チュンチュン


「……朝か?……」


朝チュン!……外はあまり明るくはないな。まだ日があまり見えていない。結構早くに目が覚めてしまったのか。


左右を確認すると、全員がスヤスヤ寝ていた。……朝御飯でも作るか。俺が出来る数少ない得意分野だしな。……その前に。


俺はチワの上半身に手を伸ばす。そして、下半身の方のお尻あたりにも手を伸ばす。男性陣の諸君、何をするかは当然お分かりだろう。そう……モフモフだ。


チワの頭の犬耳と、尻尾をモフるのだ。これが俺の日課(秘密の)である。誰1人起きておらず、俺1人のみの空間でしか出来ない、至高の時間だ。


モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフーー。


「うぁ……んっ……」


チワの少し変な声が聞こえた。…………はっ!一体何秒間揉んでいた?10秒?30秒?先ほど見た太陽の光でできた影の傾き具合から計算して……実に5分!危なかったぜ。もう少しで起きるかもしれなかったからな。急いで退散だ……じゃなくて飯作りだ。まじで忘れてた。


朝から重たいものは無理だろう。俺は朝の支度を調理室でついでに済ませる。別に構わないだろう。さて魚か卵、どちらを使おう?


……よし、昨日使っていない方の魚だな。……いや、やっぱりこうしよう。俺は調理に取り掛かった。


30分後


「おはようございます、ご主人様」

「トキヤ様、おはようございます」


「おはよう2人とも」


ハズクとチワが続けて起きてきた。やはり最年長組……だよな?が一番か。次はルナだろう。結果


「トキヤお兄ちゃんおはよう〜」


「おはよう」


ニーナちゃんが起きた。ルナよ、お姉ちゃんぶりたがっていたなら、せめてニーナちゃんよりは早起きぐらいしろよ、と考えた。


「おふぁよ〜、トキヤ。あしゃごはん?ふぁ〜あ……眠いわ。何かシャキッとしゅるものない?」


そう言って最後にルナが起きてきた。若干寝ぼけてる可能性があるな。もしかして、いつもはエドガーさんに起こしてもらっていたのかもしれない。


「分かった」


俺はそう言って、ルナの耳たぶをつまむ。そして、耳たぶを優しく下に引っ張る。これを3秒間、5回程度やると眠気が覚める……らしい。冒険者ギルドで誰かが喋っていたのを思い出した。ついでに実験だ。


「な、なな……」


ルナを見る。目は大きく開き、顔が血流が良くなったのか、真っ赤になっていた。やっぱりこれは本当のことだったのか。今度やってみようと考えた。


「目は覚めたか?」


「なななっ!……え、ええまぁ、とても覚めたわ……ありがとう。でも、今度からは急にやらないでよ?後、2人っきりの時だけ。分かった?」


「……了解?」


ルナは俺の返事を聞くと、すぐに去っていった。急にやるなって言われても、寝ぼけている時にしかやらないから無理なんだけどな。それに、2人っきり?……確かに少し変な顔になるしな。ルナも一応、年頃の乙女だもんな。俺はそう納得した。


そして、料理が完成した。完成した品をみんなの元へと持って行こうとした。そこに。


「トキヤお兄ちゃん、私も手伝う」


ニーナちゃんがそう言ってきた。


「ありがとうニーナちゃん、じゃあこれをチワ、こっちをハズクに」


「分かった〜」


ニーナちゃんは2人の皿を、お盆に乗せて持っていった。俺は自分の分、ニーナちゃんの分、ルナの分を持って行く。みんなは席に着いて待ってくれていた。


「それじゃあ、いただきます」


「「「「いただきます」」」」


そう言って食べ始める。今日は溶けたバターを白パンに染み込ませたもの、この宿にあった、今日搾りたてのホット牛乳、魚をミンチ状にして卵焼きの真ん中あたりに入れたもの、焼きパラパの実、野菜のサラダだ。


「ねぇトキヤ、いつも思うけどなんで丸いフライパンで、卵焼きがこんなにうまく焼けるの?」


「スキル『料理長』のおかげ」


「……それだけ?」


「それだけだぞ?」


なんて会話をした。少しだが、いつもより会話が少ないな。やっぱり少し緊張しているのか?まぁ、そう考えている俺自身もだが。


「じゃあ、クラディスの家に行こうか」


そして、俺たちはクラディスの家へと向かった。途中、ハクちゃんを迎えに行き、ニーナちゃんを送る。


「トキヤお兄ちゃん、お姉ちゃんたちもバイバイ!」


ニーナちゃと別れた。そして、改めてクラディスの家へと向かう。クラディスは貴族だから、当然だが家も大きい。テレビで見る別荘みたいな大きさの造りだ。

家の前には馬が五頭用意されていた。


「おっはよー、トキヤ!」


「おはようアレク」


アレクたちがやってきた。そして、俺とルナがハクちゃんにまたがる。チワ、ハズク、アレク、クラディス、マージュが馬にまたがる。


「そんじゃあ、リュビル村に出発!」


アレクの掛け声で俺たちはリュビル村へと出発したのだった。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら、剣の勇者の息子で杖の勇者になっちゃった〜剣技と魔法で最強〜』

も、是非読んで見てください。

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