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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第四章〜バルトロールダンジョン編〜
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ギルマスの正体?いざ、バルトロールダンジョンへ!

現在、レベル設定を後悔した作者である。


「あぁ、今のでもっと驚かせちゃった?少し気持ちを整理して良いよ。ささ、お茶でも飲んで」


ギルマスはそう言って俺に茶を進める。一口で飲み干して、ほっと息を吐く。


「落ち着いたかな?とりあえず、僕が日本人ってことは本当だよ?」


「……日本人はそんな褐色じゃありませんよ?つくならもっとマシなーー」


「転生したんだよ。死んで日本から。気がついたらこの有様さ」


俺が日本人ではない証拠を言おうとしたら、ギルマスは俺の話を遮り、転生したと言った。


「……本当ですか?」


「もちろんさ」


俺の質問に即答で返すギルマス。


「一応日本での名前って教えてくれます?」


「良いよ。僕の日本での名前は秋隼人(あきはやと)。トラックに轢かれて死んで来たんだ。享年としては18歳になるかな?君は?」


秋さんはそう言って俺の情報を求める。


「内山時也。ここじゃあトキヤって名乗ってます。って資料見たんならそれは知ってますね。寝て目が覚めたらこの世界に来てました。転生じゃなくて転移ですね。年齢は15歳。そう言えば、秋さんはこっちではなんて呼べば良いんですか?」


転生ならこの世界で名付けられた名前があるはずだしな。


「……僕はこの世界でもハヤトでした。こちらでの名前はハヤト・グランドロス。運命かと思いましたよ。そうそう、僕のことはハヤトと呼んでください。同郷の人なんて初めてですよ」


それは運命と思っちまうな。前世と同じ名前って凄すぎるだろう。


「では俺のこともトキヤと。俺も自分以外の日本人と会うのは初めてです。あ、一応確認したいんですけど、西暦何年うまれですか?ちなみに俺は2003年ですが」


ここは絶対に確認しないとな。じゃ無いと話にズレが生じる可能性があるんだ。


「あぁ、……そういう事ですか!僕は2000年生まれです。一応転生した日付は12月の10日です」


「俺が転移した日も同じです」


「へぇ、この事から僕とトキヤの転生、転移した時間は同じ、もしくはほとんど差がないという事になりますね!」


ハヤトはすごい勢いで喋る。何年も同じ日本人と喋っていなかったことが大きな原因だろう。


「……そうですね。ですが、ハヤトのその肉体年齢から見て、20年ほどは経っていますね?」


「えぇ、実際はそれ以上で、僕は今年で30歳です。若いか見えるでしょう? 転生、転移した時間は同じなのに、この世界に来るまでに何年もの差があるという事になりますね!」


「そういう事、ですね。つまり、ハヤトよりも前の時代、俺よりも後の時代に転生、転移した人が出て来る可能性もあります。ギルドマスターの権限で、そう言った人達を保護できますか?」


「えぇ、もちろんです!トキヤもお願いしますね!」


俺が他の転生、転移者の保護を求めると、ハヤトは快く了承してくれた。それに年齢差があっても、向こうから敬語を使ってくる。いい人だ。


「あぁ、そうそう、トキヤは一体どんな反則スキルとか持ってます?」


「……え?」


「え?」


ハヤトの一言に俺は驚く。反則スキル?チートの事か?俺の反応にハヤトも困っているみたいだ。


「えっと……トキヤは神様に会った?」


「……神様?……え?なにそれ?……もしかしてハヤトは……?」


ハヤトの質問に俺は驚く。そしてハヤトに同じ質問を訪ねる。話を聞くと、転生する前に神様に出会って、チートスキルを手に入れたらしい。


「会ってねーよ!ずるっ!俺チートスキルなんも持ってねーんだけど!」


俺が大声で叫ぶ。そりゃねーよ!タメ口になってしまった。


「えっと……僕の場合はスキル『必中』を持ってるんだ。投げたものなら例え反対側だろうとひとりでに飛んでいくんだ。トキヤは何か持ってる?」


めちゃくちゃいいスキルじゃねーか!


「『料理人』と『育成上手』です」


「…………その……頑張って」


俺の発言にハヤトは気まずそうな顔をしてそう言った。


「まぁ、魔法はどうですか?僕は裏魔法属性以外の6属性全てですけど、トキヤは裏魔法属性1つぐらい使えるんじゃ『火と水です』……その、ごめんなさい」


「謝んな!余計惨めになんだろ!」


ていうかハヤト、魔法属性も全部かよ!ずるすぎるだろ!あ、またタメ口に。年上なのに、つい。


「……あぁ!もしかして転生者はチート、転移者は何も無しなんじゃ無いんですか?」


「それだーー!!!」


ハヤトの一言に俺は大声で指をさして言う。て言うか、そうじゃないと納得できるか!転生者は自身の肉体を捨てる代償と考えておこう。


「すいません。興奮すると、敬語忘れちゃって」


「大丈夫だよ。むしろ久しぶりで新鮮だしね。これからもそうしてくれると助かる」


俺がそう言うと、ハヤトはむしろそうしてくれると助かると言ってくれた。俺としても助かるな。


「……ちなみにハヤトのレベルって幾つ?」


「……トキヤは知ってるかい?この世界のレベルは数字が全てじゃ無いらしいんだ。レベル5の敵をレベル1の人が倒したことがあるらしい。逆にレベル10の人が倒されたりも。この世界じゃレベルはあまり意味を持たないんだ。あくまでどれだけ経験値を積んだか。それだけなんだよ。レベルが低くても、高ランクにいる人もいるし、逆もまた然り。だって、それならトキヤとか一ヶ月ちょっとしか経ってないじゃん。それでずっと生きてきたこの世界の人たちのレベルに追いつくなんて無理でしょ?一応言うと上限レベルは99らしいんだけど。僕はレベル80。トキヤも頑張ってクエストクリアして、冒険者ランクを上げてね」


……そうだったのか。じゃあ何のためのレベルだ?熟練度みたいなものか?て言うか、俺みたいなのが、この世界で普通に生きられたのがおかしかったからな。


それから色々話した。話も弾んだが、チワたちを待たせているので、話が始まってから30分ぐらいで切り上げる。


「ありがとうね。またいつでも話があったら聞くよ。後、専用の馬車も用意しておくね」


「え?なんで?」


俺がそう尋ねる。何でも亜人は通常の料金の2倍を取られるらしい。ここでも亜人差別か。


「おう、こっちこそありがとうな」


お互いにそう言い、握手をする。初めは褐色で違和感があったけど、それももう慣れたな。


さて、チワたちには何のことを話していたのかを、言わないといけないが、チワ以外には本当の事は言わないほうがいいな。何にしよう。そう考えながら、ハヤトの部屋を後にする。


……あれ?ハヤトはなんで異世界転移したのが、一ヶ月ほど前って知ってるんだ?あれ?……冒険者ギルドの登録日か?


「遅いわよ!一体何の話してたの?」


そう考えていると、出て早々にルナが近付いてきて、ハヤトとの会話の内容を聞いてくる。


「……君たちは期待されているから、頑張りたまえだって」


「……それだけ?……な〜んだ」


俺が刹那に考えた回答に、ルナはそう答えただけだった。若干苦しかったからな。


「それじゃあ、バルトロールダンジョンに行くか」


「はい!」

「そうね」

「……頑張りましょう……」


ハズクだけやっぱり元気が無いな。馬車でも酔わないといいけど。その後はハヤトが用意してくれた馬車に乗り、バルトロールの町を目指す。道中の安全は騎士団が守ってくれるそうだ。


その馬車のことを伝えると、チワは喜びしっぽを振る。ハズクは驚き、その後安心の表情になる。ルナは終始驚き、何故か歩くスピードが遅かった。


そんな事があった。そして馬車の待ち合わせ場所に到着する。二頭のハクニーと大人数用の、実用性重視の馬車だ。……ダイガスのと同じタイプだ。


そして騎士団の人が出てくる。三十路に差し掛かる前ぐらいの、髪が女性ぐらい長く、メガネをかけて、オッドアイの男性と緑色の髪型をした、剣を毎朝振ってて、ちょっとクールっぽくて、位に執着がある、俺と同い年ぐらいの青年だった。


…………さて、人違いだな。他を当たろう。周り右をして立ち去ろうとする。だが、チワが


「どうしましたトキヤ様?あれじゃ無いんですか?」


「何?……トキヤじゃ無いか?何でここにいる?」


「おや?トキヤさん」


チワの一言で、こちらに気づいたアランがこちらにやって来て、事情を聞いてくる。ヘプトさんは何かを察したのか、1人馬車の前の方に行ってしまった。


「それはこっちのセリフだ。アラン、まさかとは思うが……そんなことはないよな?」


俺はアラン達が護衛の騎士団員なのかと聞く。ヘプトさんが前に行ったのも。そんな偶然まさかあるわけがーー。


「……まさかトキヤだとはな。てか誰だろうと良いから、さっさと乗ってくれ。いきなりの呼び出しなんだ。しかも、トキヤが帰るまで、俺たちも向こうで拘束されんだぞ」


はい、偶然が起きました!て言うか、俺達のパーティに帰りまで付き合わせるのかよ。できるだけさっさと終わらせるか。


「トキヤ様?どちら様ですか?」


チワがアランの事を聞いてくる。それとずっとハズクを両手でお姫様抱っこだけど、腕大丈夫かな?


「亜人⁉︎」


バッ!


「……トキヤ、お前の奴隷か?」


アランはチワも見るなり、いきなり後ろに跳躍し、自分の剣の柄の部分を握る。そして、チワが驚いている事を確認し、俺に確認を取ってきた。


「そうだが……何か問題でもあるのか?」


俺がアランにそう尋ねる。


「いや、問題は無い。驚いただけだ。2つな。トキヤの同行者は……亜人が2匹と人が1人か」


「おいアラン、今の発言を取り消せ」


アランの発言に俺はつい、ドスを効かせたあからさまに起こっている声出てしまった。おかげで、アランもチワ、ハズク、ルナも驚いている。


「何のことだ?」


アランは自分が何を言ったのか分かっていないらしい。


「チワとハズクに向かって、何ペットみたいに数えてるんだって聞いたんだよ!同行者3人って言えば良いだけだろうが!」


「なっ!亜人奴隷とトキヤを同レベルで扱うわけないだろう?なんで怒っている?」


アランは理由を聞いても、俺の考えが理解できないらしい。まぁ、この国じゃ結構普通だから、俺がおかしいんだろうが、それでも我慢ができなかった。


「仲間を下に見られて怒らないわけがないだろう。良いからさっさと取り消せって言ってるだ『すいませんトキヤさん、うちのアランが失礼を』……ヘプトさん?」


俺が喋っている途中で、ヘプトさんは俺の言葉を遮り、俺たちに謝罪をする。あれ以上関係が悪化しないタイミングで、しかも謝ることで事を納めるつもりだろう。


「ほら、アランも謝ってください」


「……すまなかった」


ヘプトさんの一言で、アランは頭を下げて謝る。納得はしていないみたいだがな。


その後、全員が馬車に乗り込み、バルトロールの町にある、バルトロールダンジョンを目指す。だが、道中のこの関係が続くと思うと、あまり気分が乗らなかった。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら勇者の息子だった件』

も、是非読んで見てください。

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