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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第四章〜バルトロールダンジョン編〜
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アランの過去

さすがに新学期も始まっているでしょう。皆さん頑張ってください。

現在、俺たちのパーティ4人と騎士団の2人は、2人の運転する馬車に乗り、バルトロールダンジョンを目指していた。


最初のいざこざこそあったものの、今は比較的安定していると言ってもいいだろう。だが、それも互いが干渉し合わないだけであって、関係が元通りになったとは言えないだろう。


「トキヤ、一体あの人達って誰なの?」


ルナがアランとヘプトさんの事を聞いてくる。


「あ〜、ほら、ニーナちゃんと一緒にカンラン村に行った時に、一緒に居た知り合いなんだ。でも、亜人差別は……知らなかったけど」


一応危惧はしていたが。


「トキヤ様、私は気にしていませんよ」


「ご主人様、私もです」


チワとハズクがそう言ってくれるが、この事に慣れてもらっては嫌なんだ。


「2人ともありがとう。でも、アランとはこの先も仲良くしたいんだ。だからそのためにも話し合わなくちゃ」


俺は2人の頭を撫でてそう言う。……ルナがこっちを睨んでくる。しまった、馬車の中ぐらい空気を読めって顔だ。


トキヤはそう思っているが実際には違う。ルナはただ2人が羨ましくてつい、自分もと思っているのが必要以上に顔に出てしまっているだけなのだ。


コンコン!


「トキヤさん、少しお邪魔してもよろしいですか?」


扉を叩いたのはヘプトさんだった。一体何のようだ?

一応、部屋を見渡し、3人に目で確認を取る。


「良いですよ」


「では、失礼しますね」


そう言い、ヘプトさんは入ってきた。そう言えば、アランは1人で馬車の運転とか大丈夫なのか?


「先ほどはうちのアランがすいませんでした」


ヘプトさんはチワ達に頭を下げて謝る。


「い、いえそんな。急に亜人がいたら、私みたいな驚きますね?」


チワがそう言う。確かに、チワは可愛いから別の意味で驚くんじゃないかな?


「……それにしても、やはりトキヤさんはモテるんですね。理由はよく分かるんですが」


……ふぅ、疲れているみたいだ。ヘプトさんが意味のわからない言葉を言った気がするが、俺の幻聴だな。初めてのダンジョンで緊張しているんだろう。


「すいませんヘプトさん、よく聞こえなかったのでもう一度言ってくれませんか?」


「それにしても、トキヤさんはモテるんですね。理由はわかりますが」


内容が少し違うが、同じような事を言われた。


「いやいや!これのどこがそう見えるんですか⁉︎なぁチワ!ルナ!ハズク!」


俺は先ほどからやけに大人しい3人のうちの1人、チワに話をふる。


「……はっ!そ、そそそそそうですよ!トトトト、トキヤ様がモテているなんて!そんなことは絶対にありません」


「そ、そそそそそうよね⁉︎トキヤの一体どこをどう見たらそう見えるのかしら⁉︎あなたの目は節穴なんじゃないの⁉︎」


チワとルナがめちゃくちゃ動揺している。勘違いで恥ずかしかったんだろうな。それにさりげなく俺がモテるなんてあり得ないってディスってる人がいるよ。幾ら何でも酷くね⁉︎


「……まぁ、ご主人様はモテますから」


「うぉーい!ハズク、うるさいよ。ややこしくなる。ヘプトさん、俺はモテませんよ。本当ですよ」


マジで何だよな。謙遜とかじゃなくて。向こうじゃオタクのくせに頭が良いとは言われたことがあったけど、本当にそれだけなんだよな。


それに勉強なんて、中学レベルは何時間か集中すれば普通に平均点以上は取れるのに。だって義務教育だぜ?国がここまではどんなバカでも出来るって決めた範囲ぐらいは出来るだろうに。


「それに、子供(ルナ)大人子供(チワ)痴女(ハズク)ですよ。仲間ならともかく、そう言う対象には入りませんよ」


「え!と、トキヤ様……私は入らないのですか?」


チワがそう聞いてくる。


「当たり前だ。ハズクは年齢的には大丈夫だが、チワとルナはダメだろう」


俺がそう言うと、チワは何故か落ち込む。あとルナも。あ……そうか、子供扱いされたことに落ち込んでるんだ。しまったー!


「ふふっ、ハズクが一番上ですね」


「うん。何がかは分からないが、とりあえず黙れハズク。これ以上事態をややこしくするな」


少し怒った声でハズクに注意する。すると、ハズクはシュンとして落ち込んでしまった。でも、とりあえず放置しよう。後で謝っておくか?


……さて、どう事を収めよう。


「チワ、ルナ、2人ともごめん。子供扱いは嫌だよな。ハズクと差別化するような事を言って。2人とも大事な仲間なんだから。ハズクも、きつい言葉を言って悪い」


とりあえず3人に謝った。これが一番楽な選択だろう。


「い、良いですよトキヤ様。事実なんですし」


「……そうね。私も大人気なかったわ」


「申し訳ございませんご主人様」


と3人に謝られた。あとルナ、お前サラッと自分を大人にしてるんじゃない。お前は子供だ。……俺もか。


「それでヘプトさん、一体何の話ですか?チワに謝りに来ただけなら、俺はアランに用があるんですが」


「いえ、他にもあります。て言うか話はアランについての事です」


わぁーお、多分さっきのことだな。


「……そうですか。では、話してくれますか?」


「はい……アランは昔、とても尊敬していたお兄さんが居たんです。アランと同じように魔法騎士団に入り、今の私と同じ、副隊長を任されるほどの実力でした」


ヘプトさんは説明し始める。アランに兄弟が居たのか。しかも、兄は副隊長。位に執着するのも納得が出来る。後、チワ達はヘプトさんが副隊長と聞いて驚いている。


「ですがある時、アランのお兄さんは、アランの目の前で亜人に殺されました。その亜人は名の通った傭兵で、既に何人もの人々を殺していたので、捕縛命令が出ていたのです。その後、駆けつけた魔法騎士団団長がその亜人を捕縛しました。以降、アランは亜人を憎んでいます。任務柄、良い亜人と触れ合ったりもしていますが、やはり心の底からは……ですので、いきなり亜人であるチワさんが現れたので、驚いたのだと思います。ですが、あくまでそれはトキヤさんを守ろうという意思の元です。結果的に、アランはああ言うことになってしまいましたが、許してはくれないでしょうか?」


ヘプトさんは再度、頭を下げる。これが俺なら、直ぐに『大丈夫ですよ』なんて言うが、これはチワの問題だ。判断はチワに任せる。……あれ?ルナのなんだか様子がおかしい?


「……なるほど、理由は分かりました。ですが、納得が出来ません!私がどうやってトキヤ様を害するのですか!とりあえず一発殴らないと気が済みませんよ!」


おお!チワが珍しく怒ってる。モデルが犬だから忠誠心が高いのに、そこを勘違いとはいえ、否定されたのが我慢ならなかったのだろう。


「そ、そうですか。……トキヤさん、アランの事は嫌いにならないでくれると助かります」


「え?当たり前じゃないですか。アランは友達ですよ?それに、俺も謝りたいことがありますし」


俺がそう言うと、ヘプトさんは驚く。


「アランは友達です。だからこそ、俺はあんなにも怒ったんですよ。仲間を差別するような友達なんて嫌です。アランは頑張ればそこも直してくれる。そう考えて俺はあんな風に言いました」


マジで知らない奴なら、無視をするに限るしな。アランは料理に対する考え方を改めてくれたように、チワ、亜人に対する態度も頑張って平等にしてほしい。


「でも、さすがにさっきのは怒りすぎました。普通に考えて、人族で主人である俺と、亜人で奴隷のチワを平等に扱えなんて言われたら、普通は混乱するに決まっているのに、俺は自分の考えを押し通しました。それが、この国ではおかしいとは分かっています。その事を謝りたいんです。でも、ハズクは奴隷では無いので、そこは訂正してもらうつもりですが」


「え、ハズクさん?は奴隷ではなかったのですか?これは酷い勘違いを」


ヘプトさんはそう言い、頭を下げる。……さっきからヘプトさんが頭を下げすぎだ。そう言えば、アランもチワとハズクの2人を奴隷と思っていたが、人に付いている亜人は奴隷が一般認識なのだろうか?


「それでは話は以上ですので、私はこれで」


「はい、お仕事頑張ってください」


俺はここを出て行くヘプトさんにそう言った。それから何時間か毎に、ハクニーの休憩をさせる。その時にみんなは……女の子もいるので、お花摘み?に行く。マジでお花摘んできたルナはみんなに笑われて、俺のポカポカ殴っていた。理不尽だ。


そして日も暮れてきたので、ここらで飯となった。残念ながら、料理を出来るのが俺だけだったので、時間は掛かったが、みんな美味しそうに食べてくれたので、俺も満足だった。


もうすぐ秋だ。木々が少しずつ色が変わりつつある。そのため、色々旬の食べ物が姿を見せ始めている。少し森に足を運べば、栗やキノコがたくさんだ。こう言うのは、チワやハズクが匂いなどで調べたり、ヘプトさんとアランの知識で教えてもらえた。


それらを使い、キノコのスープなどを作る。だが、キノコは好き嫌いがあるので念のため、いつもの野菜スープも作る。その分、1つの量は少なくなったが。


後、栗を使った料理だが、栗ご飯、後はモンブランとかのおやつしか出てこない。しばらく考えて、鶏肉と栗を煮込んだ料理にした。


後は毎食のお供?黒パンだ。今回は普通にした。時間が足りなかったからだ。だが、これは主食なので、普通にこれだけでも食べれるだろう。


夜になるが、一応念のため、毛布を何枚か持ってきているので、風邪をひくなどは無いだろう。


既にチワとルナは寝てしまった。ルナはまだ子供だし、チワも昨日あまり眠れなかったので、すぐに寝た。


ハズクはモデルがフクロウなので、普通よりは夜に強いが、それでも昼夜が逆転するほどでは無い。せいぜいが3時ぐらいだろう。だが、今の時間はまだ起きている。


「アラン、俺も一緒にして良いか?」


「……まぁ、良いか」


俺が尋ねると、アランは許可してくれた。俺が言ったのは、アランが剣の素振りをしていたからだ。力をつけなくてはと思い、アランと同じようにする。


その他、朝、昼、夜には筋トレを欠かさない。初めは筋力、力を付ける。その後、余計な筋肉が付き、体を必要以上に重たくしないようにと、体力をつけると言う意味で、筋トレを軽くし、ランニングも合わせようと思う。


「アラン、昼間は悪かった。騎士団として、人と亜人を同列になんて出来ないよな?それに俺の身を案じて剣をすぐに構えてくれたのも嬉しかったし。でも、チワ、ハズクも大切な仲間なんだ。あまり、邪険にしないでほしい」


一通りアランが素振りを終えると、腕がとても痛い。だが、それを我慢してアランに話をする。


「……あの事については悪いと思っている。だが、それでも無理なんだ。亜人を見るとこう、避けてしまうと言うか、そんな風に頭ではダメだと分かっていてもなってしまうんだ。トキヤ、すまない……」


アランはそう言い謝る。……アランは一種の恐怖症なのだろうか?命名は……亜人恐怖症か?トラウマになっているんだろうな。


「そっか。俺も無理にとは言わないよ。アランは友達だと思っているし。でも、頑張ってほしい」


俺はそう言い、その場から立ち去る。汗を温水で洗い落とし、タオルで体を拭いて、寝袋で寝る。


アランがどうなるのかは分からないけど、出来るなら変わってほしいと思っている。でも、俺が同じ立場に立たされた時に、そんな風に出来るのか?と言われると、出来ると答えられる自信が無いのが、悔しかった。


そして、朝になり、色々して、ご飯食べて、昼前にバルトロールの町に着いた。トキヤは、ルナの様子がおかしかった理由を聞く事を忘れていた。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら勇者の息子だった件』

も、是非読んで見てください。

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