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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第二章〜No.8編〜
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新メンバー

「………………………………」


俺が話し合えた後の2人の反応だ。2人とも静かに、時々驚きつつ聞いていた。それでも途中で口を挟まず聞いていた辺りはすごいと思う。あとチワも。


「……質問良いかしら?」そう言って手をあげるルナ。


「なに?」


「魔物化させる仕方が分からないだったわね?今のところ魔物化する理由の有力な説。それは今日話したわね?それに当てはめるとその組織は魔素を動物に強制的に取り込ませることが出来ると言うことになるわ」


そう言うことになるが結局ルナは何が言いたいんだ?


「そうだな」それでも相槌は打っておく。


「つまりそれが今は動物。でも……次はこれが生物全般にも、私たち人間にも効くとしたら?」


「「あっ……!」」俺とチワの声だ。爺さんは頷いている。俺の話だけでここまで考えたのか?


「魔物化した人。つまり……『魔人』が出来る可能性があるってことか?」


「そうよ。『魔人』それは何百年も前の過去に2度だけ確認されたことがあるわ」


居たのかよ!


「ルナ。説から考えるに魔人化したのは年寄りなのか?」


長年魔素を取り込んだことで魔物化する説が正しいならそう言うことになる。だがルナは


「いいえ。魔人化したのは普通の人よ。三十代ぐらいだったと言われているわ。だから魔人化のことも例が少なすぎて同じく解明されていないわ」


要するに分からないと。


「とりあえず今は分からないことは置いておき、出来ることを考えることじゃ」


そう言ったのは今まで黙っていたルナの爺さんだ。その通りだ。今の世界中が分からないことを俺たちがちょっと考えたぐらいで解けるならとっくの昔に解かれているはずだ。


「そうだったな。それと『冒険者ランクを上げて、Bランクにしろ』の意味だ。これも真実を知った俺たちを本当に口封じしたいならおかしい。Bランクは結構な上位クラスだ。刺客を返り討ちにしたんだからそれ以上に強くして何になる?これも置いておこう。ただ、ランクを上げる自体はするべきだなと思う」


「私もそう思います」と、チワが肯定してくれる。


「私もそうするべきだと思うわ。でも難しく無い?私たちを殺すための刺客も来るんでしょ?」


「そ、そうだな」


嘘だ。俺は今嘘をついた。本当は命の安全は少なくとも二ヶ月はある。ならなぜ嘘をついたか?それはーー



「あっ!でも私に意見する権利は無いわ。だって私はまだトキヤのパーティじゃないでしょう」


確かにそうだな。ルナは一緒にはいるが正式には手伝ってくれているだけでパーティじゃ無い。ん?……まだ?……ルナは今まだって言ったか?


「ルナ?まだってどう言うことだ?」俺はルナに尋ねる。


「えっ?私もパーティに入るでしょ?だけどまだ登録はしていないから正式には決まっていないからよ」


「え?……パーティ組んでくれるのか?」


「当たり前じゃ無い。このままじゃ私も殺される可能性が高いし、レベル上げるのもいいと思うのよ。それにもしかしたら魔物化の原因という世紀の大発見が見つかるかもしれないのよ」


「それでも……そのことで殺されるかもしれないんだぞ?爺さんもなんか無いのか?孫が死ぬかもしれないのに」


爺さんに話を俺は振る。だが爺さんも


「ふむ……もう話を聞いてしまった以上あまり変わりようが無いじゃろう。それにわしたちはそれを踏まえた上でこの話を聞いた。最初に確認された時にじゃ。

死ぬのが嫌ならそこで聞かなければいいだけじゃ。それでも聞いた。ルナの意志をわしは尊重する。わしも昔は似たようなことがあったからのう」


「……ルナ自身が賛成、爺さんも賛成か。……分かった。ルナは俺たちのパーティに入る。でも1つだけ」


そう言って俺は立ち上がり、ルナの隣に立つ。チワもそれに続く。最後にルナも立ち上がり、そして互いに向かい合う。


「ルナ。こう言うのはやっぱり俺からしたほうがいいと思うから……俺たちのパーティに入ってくれ」


そう言い手を差し出す。


「はい……喜んで」


ルナもそう言いにこりと笑いながら手を差し出して俺の手を握り握手を交わした。チワと爺さんはそれを見守っていた。


こうして俺たちはまだ正式にギルドには登録していないがパーティを組むことにした。その時No.8が視界に偶然入った。少し元の場所から動いたような……寝返りみたいなものでもしたのだろうか?


「そうそう。あと俺たちの命は少なくとも二ヶ月は保障されてるよ」


「はぁっ⁉︎なにそれ!私の命かける覚悟どうすんのよ!と言うかその説明も早くしなさいよ!」


「悪い悪い。本当に命をかける覚悟があるか試したんだよ。チワにも言っていなかったけど、そこは言われなくて助かった」


「はい。トキヤ様のする事ですので何か意味があるかと」


うわーめっちゃ信頼されてるよ。これ判断ミスったらやばいな。


「分かったわよ。私たちのことを心配してくれていたってことだし」


「あと忘れてたんだが……その子どうする?」


俺はNo.8の事を話題に出した。


「「「あっ、忘れてた」」」


俺以外の三人はそう言った。俺も視界に入らなければ危なかった。


「忘れないでくださいよ」


びくっ!そう言ったのは寝ていたはずのNo.8だった。

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