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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第二章〜No.8編〜
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協力

「えっ?……起きてたの?いつから?」俺がNo.8にそう訊く。


「…………ドシャーンと聞こえた時です」


No.8はそう答えた。ドシャーン?……ルナに倒れかかった時だ。あの音で目覚めたのだとしたら何故窓から逃げなかった?水拘束を無理やり破けばよかったのに。あれ?と言うことはお姫様抱っこした時も起きてた⁉︎やばい。思い返すとなんか恥ずかしいぞ。


「……なんでだ?なんで逃げなかった?」


俺がNo.8に訊く。分からない。本当に分からないぞ。何故俺たちの目の前で起きたのか。寝たふりで俺たちの目が少なくなるところで逃げればいいはずだ。だがそうしないと言うことは逃げるつもりはないと言うことになる。


「……帰っても再教育と言う名のほとんど処分扱いになるからです」


要は死ぬのが嫌だからと言うことか?


「ちょっと何普通に会話してるのよ!チワさんの仇でしょ!」


「ルナさん私は別に死んでは居ませんよ」


ルナの物言いにチワが反論する。


「とりあえず落ち着いて。チワは生きてるし」


「……そうね」ルナも一応納得はする。


「所でその子の名前は?名前が分からないといちいち呼びにくいんだけど」


そういえばルナにはNo.8というコードネームすら言っていなかったな。


「彼女は俺たちにNo.8と名乗っているよ。これが本名とは思えないけどね」


「No.8……どっちにしろ言いにくいじゃない」


ルナがまた文句を言っている。


「なら俺は……ハズクと呼ぼう。No.8良いか?」


俺はNo.8に訊く。ハズクはフクロウの種類の名前の一部から取ったものだ。なんでそんなこと知っているかだって?


ちょっと前に、近くにフクロウカフェが出来た。雪が行きたがったが、初めては怖いので一緒についてきてほしいと言われたので行った。

雪は初めは十分に満足していたがフクロウが飛ばないことが気になったらしい。そこでフクロウの足をよく見たら縄が結んであったそうだ。

後で調べたがリーシュと言うらしい。それを付けることで、飛ばないようにして安全を確保していたが、雪にはかわいそう的な、動物虐待みたいな形で目に映ってしまったのだろう。2度とそこには行かなくなってしまった。

その時、リーシュを調べた時についでにフクロウの種類も調べていたら「〇〇オオコノハズク」と言う種が気に入ったので覚えていたのだ。残念ながら白色ではなく、灰色が多かったが「は」がつく種類だったのでこれにした。ネーミングセンスについては言わないでくれると助かる。


「はい。呼びやすいなら何でも宜しいです」


No.8並びにハズクはそう言った。


「ハズクに許可は取ったけどルナやチワ、爺さんに何か他に案が無いなら決定するけど良い?」


「トキヤ様が名前をお決めに……良いな〜」


「今回はトキヤに譲ってあげるわよ。でも赤ちゃんの時には……無し無し!今の無し!」


「わしもいいと思うぞ」


と、ルナは自分の子供のことに何故か俺が出てくると言う意味不明なことを言っているが3人とも否定はしていないのでNo.8の呼び名はとりあえずハズクに決定した。


「それでハズク。いろいろ聞きたいことがあるんだけど協力はしてくれるのかな?」


「……条件があります」ハズクがそう言う。


「その条件によるよ。言ってみて」と、俺が言う。


「……まず……ハズクの衣・食・住の半継続的提供。次に処分や罰などの扱いをしない。以上です」


ハズクは「どうだ。この完璧な生きるための計画を」みたいな顔をして俺を見ている。逆に俺はそれを条件に入れる考えを持っているハズクの今までの環境を思うことで怒りが湧いた。そのことが顔にまで出てしまったのかハズクが怖かった顔をして


「や、やっぱり『衣』は良いです」とか言い始めた。


「待て待て待て。『衣』は大事だろ」


顔を戻して俺がそう言う。言い間違えた。「衣も」が正解だった。


「そうですか。なら『住』を無しで」


ハズクは勘違いしてそう言い換えた。違うそうじゃ無い。


「そうじゃ無くてそんな当たり前の事を協力するなんて言わないから他の事とか無いの」


「……………………え?」


ハズクは目が点になり口は開いて絶句している。


「だーかーらっ!さっきハズクが言っていた事は保証するのは当たり前で他に何か無いのかって聞いてんの」


俺がそう言うとハズクは


「…………本当ですか?」


と、またもや目を点にして聞いてきた。


「なっ!なら!………何を……何をすれば……?」


ハズクがそう言う。


「あの金髪女!」


俺がそう叫ぶ。そして背中が凍るような感じがして頭が痛いくらいの怒りが込み上げてきた。たとえチワの事を殺そうとしたとはいえこんな事を考える事すら出来ずに育つ人を見て怒りが湧いてこないわけが無い!


どう言う事をしたら自分の意見が言えないどころか考える事すら出来無くなるんだ!初めて会った時からの丁寧な口調と見た目で実の年齢は俺より年上だと思っていたがそんな事は関係ない。


……亜人だからなのか?だからこんな事が出来るのか?亜人だって人間だ!それを人間至上主義とかクソみたいな信条を掲げているこの国の考えは!


「と、トキヤ落ち着いてよ」

「トキヤ様落ち着いてください」


ルナとチワがそう言って俺を宥めてくれる。


「……悪い」


「いえ。トキヤ様がハズクさんのことを大切に思っているは今のでよ〜く分かりましたから」


チワがそう言う。俺そんなに顔に出ていたか?て言うか大切に?俺はただ「なんてひどい事を」と言う自分勝手な妄想をしていただけでハズクは本人がどう思っているかは知らないため今のはただの俺の押し付けなのだが。


「ハズク。ハズクが言った条件は全てのむ。あとこれから欲しくなった条件も限度によるが許可しようと思う。だから俺たちに協力してくれ。頼む」


俺はそう言ってハズクを見る。どうだ?


「……分かりました。私ハズクはご主人様に一生仕えます」


「「「何故に!」」」


一生仕える?……あ!「半永久的な衣・食・住の提供をしてくれ」と言っていた。だから一生って事か。しまったな。ハズクの人生を狭めるつもりはなかったが……。


「わ、分かった。けどハズク。ご主人様はやめてくれないか?」


マジでやめて欲しい。そんな事を言わせたら周りの視線が痛すぎる事になる。いや、すでにチワに「トキヤ様」と呼ばれている時点で手遅れじゃないのか?


「……ではこの話はなかったことに」

「好きに呼んでくれ」


貴重な情報源を逃がしてたまるか。そして言った後に気がついたが協力しなければハズクに帰る場所なくない?だから「衣・食・住」を頼んできたわけだし、逃げてないし。くそ!騙された!


「ではご主人様。ハズクに何なりとご命令を」


良し。これで強制的にハズクの口から言わせることは無くなったことでハズクが焼け死ぬことは無い。あと、ハズクは自分の名前が気に入ったのか一人称がハズクとなっている。良かったー。


「じゃあ」

「ちょっと待ってトキヤ」


ルナが遮ってきた。何だ急に?


「何?」


「ハズクさんに変な命令しないでよ」

「するか!するならすでにチワに強制的にさせてるわ!」

「そうです。全くと言っていいほどトキヤ様は私に何もして下さいません」


ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ!


そうして俺たち3人が言い争っている間ルナの爺さんは


「ほっほ。青春いや、修羅場じゃのう」


と、言っていたがそれは俺たちの耳には届かなかった。

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