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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第一章〜チワ編〜
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幕章〜チワ〜

本編ではありません。ご注意ください。

主人公視点ではないです。

私は地下の部屋に隔離されている。周りには猫耳族の男の人と、鬼人の女の人がいます。


なぜ私がこんな所にいるのか? それは村が獣魔皇の白殺虎に村が潰されたからです。

両親は私をかばって死に、私は奴隷商人に捕まってここにいます。


一昨日とある貴族に私は買われた。けどその人は私を一日中ムチだけ打ち、昨日また売り払われました。

奴隷商人も私にはろくな飯を渡してくれない。

カビが生えたパンとかで吐きそうになりました。


今日もまた私たちを買いに来る人がいた。黒髪の男の人だった。

珍しい色だがそこまででもない。たまに見る程度はある。

目に少しだが光がないような気がする。何かあったのだろうか?


その人は私を買ったのです。名前を教えろと言われたけど、教える気にはならなかった。

そうしたら奴隷紋を使われました。いつもは暴力だったので驚きました。

そしてムチ打ちの何倍も痛かったです。


「……チワ……です」


痛いのは嫌だ。名前を教えた。奴隷になったので渋々ついていく。

何をされるかわからないため体が震える。


そこからだった。何をされるのかと怯えていたがこの人は薬を買い、匂いを落とすため水浴び(とても丁寧に、風邪だと知っているからか優しく、最後にタオルで拭いてくれたり)をしたり、服を買ってくれた。


それでもてっきり薬を目の前で自分が飲むことをしたりなどの嫌がらせかと思ってもいた。

しかしそんなことは無く、ただ自分のためにやってくれている感じがする。


訳が分からず理由を聞いてしまった。大事な奴隷と言われた。ムチで叩いたりはしないらしい。

少なくとも前の主人や奴隷商人よりはマシだ。そう感じた。

少しは信じてみよう。そう思い距離を少し縮めて見た。


次に料理を食べた。好きなメニューと言われたので一番安いのを頼んだ。

するとこの人も同じものを頼んだ。出てきた料理は奴隷じゃあり得ない量や質のものだ(普通の一般家庭レベル)。

多分食べようとした所を目の前で落として床に落ちたやつを食べさせようとするんだ。

そう考えて、ビクビクしてたがゆっくりと手を伸ばす。

……とても美味しい!ご飯がこんなに美味しく感じるのは、一ヶ月前に食べたお母さんの料理以来だ。


その時に自分が最近食べたものを話した。そうしたら

その境遇に怒っている。

何でだろう?でも、優しい人だ。そう感じた。あと、名前を教えてくれた。

トキヤさんと言うらしい。なんだか分からないが呼び方はなんでもいいと言われたので咄嗟に「トキヤ様」と言ってしまった。

なんでだろう?その後も色々思っていることを言ってしまったのです。


自分の今までのことを話しているうちに涙が出てきた。そしたらトキヤ様は亜人の私のことを抱きしめてなだめてくださった。

それだけで私は安心していた。とても暖かかった。思えばこの時からすでにトキヤ様のことは意識していたのだろう。

そして、泣き止み後から冷静になり恥ずかしくなりました。


その後武器屋に寄りました。今はトキヤ様の役に立ちたかったのでその店の主人のお勧めを買いました。

弓は小さい頃少しだけやっていた時があるので良かったです。


そして2人で猪を狩りました。帰りにハクニーと言う馬みたいな魔物に出会いました。

人懐っこくてすぐに仲良く慣れました。


夜はご飯を作ってもらいました。今までで一番美味しかったです。

これが今日から毎日かと思うと疲れも吹き飛ぶように体が軽く感じました。


同じベッドで寝ることになりました。でもまさかトキヤ様が小さい女の子が好き(ロリコン)だったなんて……。

どうしましょう。トキヤ様も男の人なんですからやっぱりそうなんでしょうか?

私はよく分からないですが一生懸命ご奉仕しようと決めました。


なんて思っていたら普通にトキヤ様は寝てしまいました。私の決意はなんだったのでしょう。

ですが同時に出会って1日経ってない人にトキヤ様がそんなことをする訳がないと後で気づき、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちでした。


なんだが違和感があり夜に目が覚めました。トキヤ様が起きた時に一緒に起きてしまったようです。

「起こしてごめん」と言われ、頭を撫でられました。


また起きてしまいました。理由はトキヤ様がうなされていたからです。

急いでトキヤ様を起こしました。理由を聞きましたが「大丈夫」と言われてつい、自分の思っていることを話しました。

自分を助けてくれた感謝やトキヤ様の役に立ちたいと言ったことなど全てを。


この想いが届いたのかトキヤ様はこの世界に来てからの全てを話してくださった。

自分を異世界人だと。トキヤ様じゃなきゃ信じられなかった話だが、トキヤ様のことは信じられる。


つい抱きしめてしまった。自分でもなぜこのような行動したのかは今でも分からない。

トキヤ様が落ち着いたので私の胸から離れていく。ちょっと、いや、とても名残惜しいが仕方がない。

奴隷に落ちた私を助けてくださったトキヤ様。そんなトキヤ様もあんな思いを持っていたなんて驚きです。


目に光がないのもこれが原因だったのでしょう。今度はトキヤ様は私が守る。

そう心に決めて眠りに着きました(当然着替えた、涙などがついたため)。


朝起きたら体が大きくなってました。胸も少しですが膨らみました。

これでちょっとはトキヤ様を誘惑できたら良いなと思います。

あれ?何で誘惑なんて考えが?


次の日は魔道具屋にいくそうです。そこでトキヤ様の魔法適性がわかりました。

結果、属性は火と水でした。私は風属性でした。トキヤ様より少ないけれどこれで役に立てます。


次にギルドで私を登録してクエストを受けました。時間がかかる為ハクちゃんに乗り、1日野宿です。

勇気を出して一緒に寝ようと言いましたが断られました。残念ですが、諦めません。


村に着きました。ボロボロでひどかったです。村人の一人がトキヤ様のことを貴族と勘違いしました。

身なりが良いことは良いことですが、貴族ごときと間違われるのは不服です。


幸いトキヤ様が一瞬で誤解を解きました。その後ハクちゃんを村に預けクエストを開始しました。

道中血の匂いがしたのです。嫌な予感がしました。


そこには見たこともないような猪のような化け物がいました。

私の矢は刺さらず短剣で戦うことしたできません。


トキヤ様は、戦っている村人を助ける為そばに寄りました。

そのことに夢中になっていたトキヤ様を猪?が攻撃しようとしました。

そして猪?はトキヤ様を殺そうとぶつかりました。


そしてチワは激しい怒りに呑まれていた。出会って3日程度だが私はトキヤ様の事をとても信頼している。

そして私のご主人様で、私を助けてくれた命の恩人で、奴隷の私の境遇を聞き怒ってくれた人。


とても優しい人。でも心が弱くて、会って1日経ってもいない私に泣きながら自分がなぜか召喚されているのかわからず奴隷にさせられそうになり、この世界があまり信じられず、常に警戒をしているため精神的に少し参っていたことを素直に、奴隷の私のわがままなのに話してくれた人。


私と接する時は私の気を紛らわそうと、必死にしゃべっていたらしい。

すごく優しい人。奴隷になってから一ヶ月ほどだが私のことを考えてくれる人なんて今までいなかった(奴隷になってから)。


そんなとても優しいトキヤ様の事を殺そうとする猪?がいたのだ。怒りに呑まれてもしょうがない。

急いで猪?には効かない弓矢を置き、短剣に持ち替えて自身の最速スピードで走り、猪?に近づいて短剣を刺し、引き抜いた。


そこまでは良かったのだ。油断した。足を刺せば動きが鈍る。

自分のスピードに手負いの(正確には足負いだが)猪?が追いつけるなんて考えもできなかった。

それが仇になった。猪?が反対の足で私に蹴りを入れてきた。

私は避けることも出来ず、足は腹に直撃してぶっ飛ばされた。

前の戦闘でレベルが上がり今までよりも早くなっていた。

魔物化しようと所詮猪。浮かれていたのだ。その心の油断をつかれたのだ。


起き上がろうとするが手では、上半身しか起き上がれず、腹の痛みで下半身が言うことを聞かない。

猪?がこちらに来る。


あぁ。ここで死ぬのか。悔しいな。悲しいな。嫌だよ!こんな形で死ぬなんて!

一生、死ぬまでトキヤ様につかえたかった!


そんな考えも虚しく、猪?は足を上げる。恐らく自分を踏み潰そうとする。


「ごめんなさい守ることができなかった。さようならトキヤ様。できることなら生きてください」


そう小さく呟き、目を閉じる。


バァーン!!!!!


すごい音がして目を開けた。目の前には猪?が燃えながら吹っ飛ぶ姿があった。

その後、ポーションで助けてもらい、二人で息を合わせ猪?を撃破しました。


すると助けたはずの村人が黒幕で襲いかかって来たのです。

ですがトキヤ様の見事な策略で返り討ちにしました。トキヤ様が情報を引き出そうとしたらその黒幕は燃え尽きてしまいました。


村に戻り、外で待っているとトキヤ様に縁談が来ていたので急いで潰しました。

トキヤ様は私のもので(違います)。結局私の早とちりで恥ずかしかったです。

トキヤ様には私の思いは気づかれて……いませんね。あれ?私の思いが気づかれる?あれ?

む?何故か村長さんの方が怪しいです。疑っている目です。


そんなこんなで色々な事がありましたが無事、バロン王国に帰って来たのです。

昨日の夜、昨日みたいなヘマをしないように、もっと役に立つようにならないと、そう心に刻んで昨日は寝ました。

朝起きると、また体が大きくなっていました。これでまたトキヤ様を誘惑できます。……何で誘惑なんて考えに?


「トキヤ様」知らずにそう呟いていました。


「ん?何チワ?」


トキヤ様が聞いてきました。聞こえていましたか!不味いです。非常に不味いです。


「……何でもありません。呼んでみたかっただけです」


……苦しい言い訳ですね。チラッと目だけトキヤ様の顔を見ました。


「……そ、そっか……そっか」


少しだけ照れているようですね。これで少しは意識してくれたら良いんですけど。

……あれ?意識って何をでしょうか?何か胸が不思議な感じがします。


チワがこの気持ちの正体に気づくのはまた別の話だ。

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