番外編 休息
初めてフローナがテレーゼ(女神)の力を使った日のこと。
伝説の女神テレーゼ。
普段はフローナの魂の中で眠っているもう一つの魂。
フローナの寝室。
眠りについてから二日後の朝。
布団から起き上がると、部屋にメリサ、レン、コキアが部屋の隅に立っていた。
そして、開いている扉の近くにシェルが腕を組んで立っている。
フローナがゆっくりと目を開けると目をしぱしぱさせた。
フローナ「んー・・・あれ?ここは?」
コキア「あ、起きた。」
メリサ「フローナちゃん!良かったよ目が覚めて!
安心しな。ここはキャンピングカーの中だよ。」
フローナ「私、どうしたんですか?」
レン「心配しましたよ。急に倒れたと思ったら二日も目が覚めなかったんですから。」
フローナ「え、二日も?」
シェル「ビックリしたぞー、テレーゼの力使ったと思ったらいきなりバタッて倒れてさ。」
フローナ「そう言えば、戦いの中で声が聞こえてたっけ。あれ、テレーゼだったんだ。」
メリサ「フローナちゃん、具合はどうだい?」
フローナ「大丈夫です。お腹はめちゃくちゃ空いてますけど。」
メリサ「あはは、そりゃ元気な証拠だ。それなら、とりあえず今日はお粥だね。」
レン「任せて下さい。」
シェル「?体力付けるなら肉の方がいいんじゃねーか?」
メリサ「何言ってんのさ。二日も食べてないんだよ?
しかも、フローナちゃんは胃が弱いんだから最初は優しいもの食べてウォーミングアップしなきゃ。」
シェル「そっか・・・人間って大変なんだな・・・。」
メリサ「じゃ隊長、フローナちゃんのことよろしく。」
シェル「え?」
メリサ「僕はレン君の手伝いしに行くから。コキア君もね。」
コキア「分かりました。」
数分後。
シェルは床にあぐらをかいて座っていた。珍しくうつむいている。
フローナ「シェル?」
シェル「どこも痛くないか?苦しくないか?」
フローナ「うん、大丈夫だよ。」
シェルは俯いたまま布団の端をぎゅっと掴む。
シェル「良かった・・・。テレーゼにフローナは大丈夫だって言われてたけど、もし、目覚めなかったらどうしようかと思った。」
フローナ「シェル・・・私なら本当にもう大丈夫だよ?」
シェル「うん。」
そうか。
いつもあっけらかんとしてるけど、シェルだって不安や辛いことを感じないわけじゃない。
仲間を守る為に見せてこなかっただけなんだ。
そんな簡単なことにどうして今の今まで気が付かなかったんだろう。
フローナはシェルのふわふわの金色の髪を撫でた。
一瞬ビクッとしたシェルだったがなすがままだ。
大きいわんこみたい・・・。
途中、フローナが手を止める。
すると、ゆっくりとシェルが上を向く。
シェル「なに、なんで止めるの。」
フローナ「かっ!・・・。」
可愛いと言いかけて辞める。
シェル「か?」
フローナ「貝の味噌汁飲みたいな?」
シェル「はは、なんだそれ。」
フローナは三人が戻って来るまで頭を撫で続けた。
その間ずっとシェルは大人しく座ったままだった。




