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この町のネコ、やっぱりおかしい  作者: 大西さん
そして発見された記録たち
40/41

ヘルメットカメラ映像#27B-封鎖作業記録

録画データ復元記録


復元日:2024年6月15日

作業現場:[座標削除]

参加企業:████建設(元請)

撮影期間:2024年5月1日〜5月3日

カメラ:ヘルメット装着型HD-CAM

音声:作業員たちの雑談のみ抽出


2024年5月1日 08:15:22


[映像:トラックの荷台。作業員6名が乗車]


作業員A:「おい、今回の現場やばいらしいぞ」


作業員B:「またかよ。前もそう言って普通の廃村だったじゃん」


作業員C:「いや、今回はマジらしい。防護服着用だってよ」


作業員D:「放射能?」


作業員A:「違う違う。もっとやばい」


作業員E:「なにがだよ」


作業員A:「猫」


[笑い声]


作業員B:「猫がやばいってなんだよ」


2024年5月1日 09:43:17


[映像:現場到着。鉄条網を張る作業中]


作業員C:「なあ、この仕事の前の業者、全員行方不明だって聞いた?」


作業員F:「都市伝説だろ」


作業員C:「いや、事務所の経理の姉ちゃんが言ってた。請求書は来たけど、人が来なかったって」


作業員D:「請求書が来たなら生きてんじゃん」


作業員C:「それがさ、筆跡が全員同じだったらしい」


作業員E:「は?」


作業員C:「しかも、会社名のところに『にゃあ建設』って書いてあったって」


作業員B:「ふざけてんのか」


2024年5月1日 11:20:45


[映像:廃墟の入口。立入禁止の看板設置作業]


作業員A:「俺の従兄弟、自衛隊なんだけどさ」


作業員F:「ん?」


作業員A:「3月にこの辺来たらしい。訓練で」


作業員B:「で?」


作業員A:「6人で来て、帰ったの1人だけ」


作業員D:「嘘つけ」


作業員A:「マジだって。しかもその1人、ずっと四つ足で歩いてたらしい」


作業員E:「PTSD?」


作業員A:「医者はそう言ってたけど、従兄弟が見舞い行ったら、病室に猫が5匹いたって」


作業員C:「は?」


作業員A:「『仲間だ』って紹介されたらしい」


2024年5月1日 14:33:28


[映像:昼休憩。弁当を食べながら]


作業員B:「つーか、なんで封鎖すんの?」


作業員F:「建前は土砂崩れの危険」


作業員D:「建前?」


作業員F:「本当は知らん。上から言われただけ」


作業員E:「でもさ、変じゃね?封鎖するなら出口塞げばいいのに」


作業員C:「何が?」


作業員E:「俺ら、入口塞いでるじゃん。中から出れないように」


[沈黙]


作業員A:「...確かに」


2024年5月1日 16:45:12


[映像:鉄条網の内側を確認中]


作業員C:「おい、あれ見ろよ」


作業員D:「猫?」


作業員C:「立ってね?」


作業員B:「遠いからそう見えるだけだろ」


作業員C:「いや、マジで二本足で...」


[カメラが揺れる]


作業員A:「撮るなって言われてるだろ!」


作業員C:「あ、悪い」


作業員F:「つーか、あれ本当に猫か?」


2024年5月2日 07:30:00


[映像:2日目朝礼]


現場監督:「昨日、B班の山田が体調不良で入院した」


作業員たち:[ざわめき]


現場監督:「過労だそうだ。お前らも気をつけろ」


[朝礼終了後]


作業員A:「山田、昨日ピンピンしてたぞ」


作業員E:「最後に見たの何時?」


作業員B:「夕方、一人でトイレ行くって...」


作業員C:「まさか」


作業員D:「やめろよ、怖いこと言うな」


2024年5月2日 10:15:33


[映像:コンクリート壁の建設作業]


作業員F:「なあ、噂じゃこの辺、昔実験やってたらしいな」


作業員A:「なんの?」


作業員F:「人間の脳を動物に移植する実験」


作業員B:「映画の見すぎ」


作業員F:「いや、マジで。俺の親父、昔防衛庁の施設建設やってて」


作業員C:「へー」


作業員F:「地下に巨大な手術室作ったって。でも、完成直前に計画中止」


作業員E:「なんで?」


作業員F:「成功しちゃったから」


2024年5月2日 12:45:21


[映像:昼食中。作業員が一人少ない]


作業員A:「おい、新人は?」


作業員C:「さっきまでいたよな」


作業員B:「トイレじゃね」


作業員D:「30分も?」


[無線が鳴る]


現場監督(無線):「おい、新人が入院した。過労だ」


作業員E:「また過労かよ」


作業員A:「おかしくね?」


2024年5月2日 15:20:45


[映像:壁の内側から音が聞こえる]


作業員C:「なんか聞こえね?」


作業員B:「猫の声だろ」


作業員C:「いや、違う。人の声で『にゃあ』って」


作業員D:「気のせいだって」


作業員E:「でも俺も聞こえる」


作業員F:「『帰りたい』って言ってる」


作業員A:「日本語かよ」


作業員F:「いや、でも確かに...」


[大きな音]


作業員B:「なんだ今の!」


2024年5月2日 17:00:00


[映像:撤収作業]


作業員A:「なあ、山田と新人、本当に病院にいるのか?」


作業員C:「確かめようがないだろ」


作業員E:「でもさ、荷物残ってるんだよな」


作業員B:「え?」


作業員E:「ロッカーに。スマホも財布も」


作業員D:「入院なら持ってくだろ普通」


[沈黙]


作業員F:「やめようぜ、この話」


2024年5月3日 06:00:00


[映像:3日目。作業員は4名のみ]


作業員A:「Bさんは?」


作業員C:「過労で入院」


作業員E:「Dも?」


作業員C:「ああ」


作業員F:「冗談だろ...」


作業員A:「なあ、俺たち帰れるよな?」


作業員C:「当たり前だろ」


[カメラが壁の方を向く]


[壁の向こうに人影のようなものが多数]


作業員E:「あれ...」


作業員F:「見るな」


2024年5月3日 08:30:15


[映像:現場監督との無線]


現場監督(無線):「封鎖完了したら即撤収。いいな」


作業員A:「了解です」


現場監督(無線):「それと、中を覗くな。絶対にだ」


作業員C:「なんでですか」


現場監督(無線):「...向こうも覗いてるから」


[無線切断]


作業員E:「どういう意味だよ」


2024年5月3日 10:45:33


[映像:最後の封鎖作業]


作業員F:「なあ、聞いた?この仕事の後、この会社潰れるらしい」


作業員A:「は?」


作業員F:「全部の現場から撤退。従業員は全員解雇」


作業員C:「なんで」


作業員F:「社長が言ってたらしい。『もう人間の仕事じゃない』って」


作業員E:「意味わかんね」


作業員F:「あと、妙なこと言ってた」


作業員A:「なに」


作業員F:「『俺たちも呼ばれてる』って」


2024年5月3日 12:00:00


[映像:封鎖完了。最後の確認]


作業員C:「これで終わりか」


作業員A:「ああ」


作業員E:「なあ、壁の向こう、何がいるんだろうな」


作業員F:「知らない方がいい」


作業員C:「でも、ちょっとだけ...」


作業員A:「やめろ!」


[カメラが壁の隙間に近づく]


[一瞬、大量の目が映る]


[全員の悲鳴]


2024年5月3日 12:15:22


[映像:走って逃げる作業員たち]


作業員A:「見たか!?」


作業員C:「人だった!でも猫だった!」


作業員E:「目が!目が全部こっち見てた!」


作業員F:「山田もいた!新人も!」


作業員A:「嘘だろ...」


作業員C:「にやにや笑ってた」


2024年5月3日 13:00:00 - 最後の記録


[映像:トラックの荷台]


作業員A:「なあ...俺たち、本当に4人か?」


作業員C:「は?」


作業員A:「さっきから、もう一人いる気がする」


作業員E:「やめろよ」


作業員F:「でも...確かに...」


[カメラが荷台を映す]


[5つの影]


作業員C:「影が...5つ...」


不明な声:「にゃあ」


[映像途切れる]

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