表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/63

外伝七 少年と少女


母様(かあさま)、何をしているの?」



 少年は母に尋ねた。母は答える。



「これは大切な薬草なの。人々を幸せにする薬草なの。だからいっぱい栽培させるために育てているのよ」



「ふーん」



「ランスロット、そろそろ修行の時間よ。今日も頑張りなさい」


 

「はい、母様」



 少年は言われた通りに修行を始めた。母からはずっとこう言われている。



 ー私はお前の実の母ではない。けど、お前の実の母からお前を立派に育ててほしいと頼まれている。この国では騎士になることが立派に値するの。だから、騎士になれるよう努力しなさい



 そう言われ幼い頃から修行し続けた。今もその途中だ。いつか立派な騎士になることを目指してランスロットは日々過ごしていた。



 ただ、時折、頭によぎる声がある。美しい声で優しく話しかけられたような気がするが、詳しく思いだせない。



 ーランスロット、あなたは立派な騎士になるわ。必ず。でも力をふるう方向性を間違えないで。そうすれば道を踏み外さないわ



「力をふるう方向性……」



 この優しい声が何を教えてくれたのかはわからない。けど、騎士になる過程で自分への戒めとして心にとめておこう。



 そうランスロットは誓い、修行を続けるのであった。




 ヴィヴィアンが育てている薬草はマドワシ草だ。今後のためにと各地に栽培させていたのだが、今はもうマドワシ草は存在しない。


 モルガンが全て処分したからだ。


 モルガンはマドワシ草を使ってイグレインを追い出す作戦を考えていたが、まずアヴァロンにしか生息しないマドワシ草がブリテンにきたかを調査した。

 その結果、ヴィヴィアンの策略と判明し急いでマドワシ草を根絶やしにするため各地を飛び回っていたのだ。


 マドワシ草は思ったよりも各地に存在し、根絶やしにするのに7年の歳月がかかってしまった。


 マドワシ草の除去はヴィヴィアンは気づいていない。モルガンが高度な魔法をかけたからだ。


 ヴィヴィアンが気付くのはかなり後の話である。




 そんなマドワシ草を個人で除去する人もいた。その方はレオンダンス王。

 ウーサー王の臣下でブリテン内では政治的にも軍事的にも力を持っている。

 ウーサー王が亡くなる直前から妙な薬草が流行り始め、違和感を感じ自ら処分するようになっていた。




「ふぅ……またこの草か」



 レオンダンス王はため息をつく。自ら処分しようと決めたはいいもの、日に日に処分の量が増えていき決断したことを後悔しつつあった。

 一方で、裏を返せばそれほどこの謎の草は各地に広がっているということの表れでもあった。



「この草のせいで、人がおかしくなるときく…そんなよくわからないものはあってはならない」



 市民のため、亡き王のためにもやらなければ

 そう強く誓い、ひたすら処分作業を続けるのであった。



 そんなレオンダンス王には一人の美しい娘がいる。

 名はギネヴィア。

 まだ幼いながらも美しいと噂になるほどである。


 

 ギネヴィアは年相応な子で、お伽話が大好きだ。

 いつか自分にも白馬の王子様がくると信じている。



「あー、はやく私にも王子様が迎えにこないかなぁ」


「ギネヴィア、変なことは言わない」



 レオンダンス王は娘を嗜める。レオンダンス王は娘をいつかどこかの名のある王に嫁がせ、自分の力を強化しようと考えている。だから、変な妄想をさせないようにしていた。


 一方で、ギネヴィアはそんな注意などスルーだ。

 今日も街で見かけた美しい少年との妄想を脳内で展開する。



 (なんて美しい少年だったんだろう……次見かけたら声をかけようかしら?そして、数年後、運命の出会いをして……)



 ギネヴィアは食事中に妄想を膨らませ、また父に注意されるのであった。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ