第五章 十節 王の死⑥
昨日更新できなかったんで今日は2話更新です。
これで第五章が終わり、次回からアーサー王の世代に移り変わっていきます。
次回は外伝を更新します。
ナイフは胸に深く突き刺さった。モルガンは驚き、その後床に倒れる。
「やった!やった!これで……これで私は……!」
喜んでいたの束の間、イグレインの部屋に大臣や騎士達が入ってきた。
「王妃様!大きな音がしたので、失礼ながら入らせていただきました……が、これはどういう状況ですか?」
イグレインが立ち尽くしている足元には胸にナイフが刺さったモルガンが横たわっている。
状況としては、イグレインがモルガンを殺したかのように見えるが、断定はできない。
静かに皆が見守る中、イグレインは泣き始めた。
「モルガンが……私に襲いかかってきて、怖くて抵抗したらナイフが胸に刺さって……」
「なんと……なぜモルガン殿が王妃様を?」
「わからないわ……」
イグレインは泣きじゃくる。周囲は困惑していたがとある男が入ってきたこで事態が変わる。
「モルガン〜頼まれていた仕事終わったよ……ってあれ?モルガンどうした?」
マーリンがイグレインの部屋に入ってきた。モルガンを探しいたようだ。
「マーリン、それが……」
大臣は事情をマーリンに話す。すると、マーリンは笑いながらモルガンに近寄った。
「モルガン、起きなさい。みんなが困っているよ。いつまで死んだフリしてるんだい?」
「!?」
イグレインは驚いた。死んだフリ?死んでないのか?
マーリンが話しかけるとモルガンがゆっくり起き上がってきた。
「マーリン……余計なことを……」
「あれ?死んだことにしたかったのかい?」
「黙っててください」
マーリンは少し怒られてシュンとする。イグレインはモルガンを指差し叫んだ。
「な、なんで生きているの!ナイフは胸に刺さっているじゃない!」
皆が同じ思いだろう。皆の視線がモルガンに集まる。モルガンは深呼吸し、話始めた。
「私は護身用に防御服を着てます。ナイフが刺さったくらいでは死にません」
モルガンはナイフを抜き、少し服を脱ぐ。皆が一瞬目を逸らそうとしたが、服の下には防弾チョッキのようなチョッキがあり、素肌は見えなかった。
イグレインは膝をつき倒れる。
「さぁ、みなさん。王妃から何を聞いたかは知りませんが、これから真実をお話しします」
そしてモルガンは話始めた。今おきたこと、ウーサー王の殺害容疑、マドワシ草のこと……。
全て、映像や物的証拠があり言い逃れできなかった。
「これは由々しき事態だ!王妃は裁判にかけなければならない!それまでは地下室に閉じこめておけ!」
大臣に命令された騎士はイグレインを取り押さえ、地下室に連行した。
連行される中、イグレインはモルガンに囁いた。
「あなたなんか生まなければよかった。親不孝者」
モルガンは笑いながらイグレインに言い返した。
「奇遇ですね、私もあなたの子になど生まれたくなかったです」




