第五章 十節 王の死⑤
「はっ、くだらない。何をいってるの?」
イグレインは嫌味ったらしくモルガンに話しかける。
「だから、あなたがウーサー王を殺したと言っています」
「ふふ、証拠は?」
「…………」
モルガンが黙ったのをイグレインは心の中で馬鹿にした。やはり、出まかせだったんだ!と。
しかし、モルガンは冷酷な雰囲気で話始めた。
「はい、証拠はあります」
「は?」
「これです」
モルガンは手に持っていたヤドカリの貝のようなものをイグレインにみせた。
「からかっているの?これのどこが証拠なのよ!!」
イグレインはモルガンを怒鳴りつけた。昔ならその声にびくつき、怯えていただろう。
しかし、今は違う。私はあの頃の私のままではない。
モルガンは淡々と続ける。
「私はウーサー王に監視の魔法をかけていました。よってウーサー王が亡くなった当日の日の映像がこの貝の中に記録されています」
「そんなはずはないわ……」
イグレインはモルガンの話を聞き少しトーンが落ち着いた。モルガンは続ける。
「では、お見せしましょう」
モルガンはそう言い貝を撫でる。すると、貝から光が放たれモニターのような映像が映し出される。そこにはあの日の出来事が映し出されていた。
「……………」
イグレインは黙っていた。モルガンはイグレインに淡々と話しかける。
「これをもとにあなたを拘束し、刑罰をうけてもらいます。そのために…………」
モルガンの説明はイグレインに聞こえてなかった。
ずっと頭の中でこの事態を切り抜けることを考えていたからだ。
どうすればいい?私はこのままの生き続けたい。自分だけが幸せに、贅沢に生きたい……
だったら、あの男と同じように……
ケシテシマエバイイ……
イグレインはポケットの中に手を入れる。護身用にナイフを常備していた。そのナイフをポケットの中からそっと取り出す。
「王妃?聞いていますか?」
モルガンがイグレインに問いかける。するとイグレインはボソッと話した。
「あなたは小さい頃から邪魔だった……気味悪い女で……だだけど美しくて……自分から生まれた存在と認めたくなくて……」
イグレインは話しながら震えだす。モルガンは静かにイグレインを見ていた。
「あなたが悪いの!あなたの存在が!私の邪魔をするから!だから!」
そう言いイグレインは小走りでモルガンにかけより、手に持っていたナイフをモルガンの胸に突き刺すであった。




