第五章 十節 王の死③
私は国で一番偉い人になりたい。
皆が私の言うことを聞き、
全て私の思い通りになる。
そんな国、いや、世界にしたいわ。
それを叶えるにはウーサーは邪魔。
だから、消してしまおう。
愛する私に殺されてもあなたはシアワセデショ?
イグレインは商人からとある薬をもらった。商人の説明いわく、飲みものに混ぜるとすぐ吸収され、死にいたるとのこと。
イグレインはウーサー王を今夜、殺害すると決め行動した。
まずは手紙を書き、執事に渡した。そして夜のために準備をする。
執事はイグレインの手紙をウーサー王にすぐ渡した。ウーサー王は手紙を読む。手紙には、仲直りがしたいと書かれており、ウーサー王は少し嬉しくなった。
手紙を読んで元気になったウーサー王をみて、執事もうれしくなっていた。
ウーサー王は執事に手紙のことを伝えて、今夜はイグレインと二人で過ごすから急用以外は人をよこすなと命令した。
執事は二つ返事で承諾し、二人が楽しく過ごせるようにいろいろ準備するのであった。
そして、夜がきた。
イグレインはウーサー王の部屋に向かった。あの薬が入ったお酒を持って。
イグレインがウーサー王の部屋に入った。すぐさまウーサー王は入ってきたイグレインを抱きしめた。
「イグレイン……会いたかったぞ」
「私も。ごめんなさい、最近わがままばかりいって」
「私も頭ごなしに怒りすぎた。すまない」
ウーサー王はイグレインを強く抱きしめた。その行為にイグレインは内心、吐きそうであった。ただ、ここはこらえなければと自分に強く言い聞かせる。
「仲直りしたくて、お酒を用意したの。一緒に飲みましょ」
「おお!それはいい」
イグレインが用意したお酒をグラスに注ぐ。見た目は普通だがもちろん薬入りだ。
そんなことは露知らず、ウーサー王は上機嫌でグラスを持った。
「イグレインとの仲直りを祝して……乾杯!」
「乾杯」
グラスがぶつかる音がした後、ウーサー王は一気にお酒を飲み干した。
すると、飲み終わった数秒後、ウーサー王は苦しみだす。
「な、なんだ……く、くるしい………イグレイン!い、医者を……」
喉が焼けるように痛くなり声がだせない。呼吸がうまくできず、苦しい。ウーサー王は必死に助けを求めたが、イグレインは全く反応しない。
それどころか、こんなことが起こるのを知っていたよう様子さえあった。
ウーサー王は信じたくなかった。しかし、それしかない。
「イ……レイ……な……ころ……んだ?」
訳のわからぬままウーサー王は倒れ、息をひきとった。
イグレインは喜びながらウーサー王に話しかけた。
「あなたが邪魔だったからよ」




