第五章 十節 王の死②
マドワシ草がどこから出てきたかは後に調べることになるため、まずはこの薬草を宮廷に持ち込むように商人を誘導することにした。
モルガンは城下町に住む貴族に変装し、商人と取引した。それにより、商人が城下町で商売しやすくなった。
その後は、イグレインのメイドに扮して商人と仲良くなり、その流れで商人とイグレインを会わせて薬草を売らせた。
最初は怪しんだイグレインも、薬草の効果を自身で体験し定期的に購入するようになった。
モルガンはその証拠を密かに集め保管し、いつかのために準備した。
そして、とある日のこと。
ウーサー王は遠征から帰りゆっくり過ごしていた。そんなウーサー王に対して、イグレインは嫌悪感を抱き近寄ることもしない。
それどころか若い男と遊べないことに苛立ちを覚えていた。
最近のイグレインは最早、自分が国の一番であるかの振る舞いだ。
国政には関与しないものの、それ以外のことに関しては王たる振る舞いをする。
ウーサー王はあらゆるところでイグレインの悪評をきいたり、クレームをうけたりするため精神的に疲れていた。またここ最近、疲労が溜まっているのかよく眠れない状態が続いている。医者にみてもらったが、とくに病気はなくとにかく休めとしか言われなかった。
それをイグレインは小耳に挟み、上手く利用しようと考えた。
いつもは決まった日に商人と取引するが、今日は例外で急に商人を呼び出した。
商人はイグレインに呼ばれ、部屋の中で挨拶をする。
「王妃、なんのようでしょうか?」
「…………」
「今日はいつもの薬草はもってません。あれは決まった日にしか仕入れができないもので……」
「…………」
「王妃?」
「ねぇ、私は……私はね、国を統治してみたいの」
「は、はぁ……」
「だから、邪魔者を消そうかなと思って」
「…………」
「そんな薬草か薬を売ってくれない?」
「む、無理ですよ!そんな犯罪に加担したくないですし……」
断る商人の前にとんでもない量のお金がおかれた。かなりの期間、仕事しなくても不自由しない量があった。
「こ、これは…」
「商品を売ってくれたらこれをあげるわ」
「…………」
商人は悩む。悩んだあげく、商人は売ることにした。
「ありがとう」
イグレインは商品を受け取り上機嫌だ。その隙に商人は帰り逃げる準備をしたのだった。
そんな様子を魔法でみて録画していたモルガンはこう呟く。
「あなたも一緒に死と同じくらいつらいめにあってもらうから」




