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第五章 九節 誕生④

これで五章を終わりにしようかと思ったんですが、書きたい話があったのでもう少し五章がつづきます


「まぁ、いいですよ。やってあげても」


「本当かい?女王の気まぐれではないかい?」


「ええ、気まぐれではないわ。約束します」


「よし。では約束だ」



 マーリンは上機嫌になり仕事を猛スピードで終わらせていた。モルガンはあえて聞かなかった。“誰に”剣術を教えるかを。




 ウーサー王はあれから覇気のない様子だったが、数日もすれば元に戻っていた。子が生まれたことが強みになったのか、今まで以上にブリテン統一のために戦争をしかけた。

 本来であれば、ウーサー王はどこかの戦争で死んでいたはずだ。しかし、モルガンが戦地に同行したことで常にブリテンは勝利し、ウーサー王は死ななかった。



 これによりブリテンは徐々に領土を広げた。ウーサー王はかねてからのブリテン統一が目の前に近づきつつあることに喜んだ。一方で、イグレインとは以前のように愛し合うこともなければ、会話すらしなくなった。



 一方のイグレインは王妃になったことで、気分が高まり今まで以上にパーティーを開催したり、散財するようになった。これにより一部の貴族や領主から苦言を呈され、ウーサー王は悩んでいた。



 とある戦場から無事に戻り、しばらく城内で過ごすことになったウーサー王はイグレインを注意することにした。



「イグレイン、久々だな」


「ウーサー、帰っていたのですね。無事でなによりです」



 イグレインは少し露出の多いドレスをきて、お酒を飲んでいた。ウーサー王は呆れつつ本題を切り出す。



「イグレイン、しばらくパーティーと散財は控えてくれ」


「どうしてです?」


「一部の者達から抗議文が届いている。また、ブリテンを大きくかつ統一するために日々、私は頑張っている。戦争に勝てば、また財も増えるさ。その時に使えばいい、今は控えめにしよう」


「……………」



 イグレインはウーサー王を嫌悪した。この人までゴルロイスのように口を出してくる。私は綺麗で、この国一番の王妃。私のやることに口をだしてこないでほしい。

 頭でいろいろ考えながら、黙っているとウーサー王がイグレインを抱きしめた。



「また戦争が落ち着いたら愛し合おう」



 ウーサー王が額に口付けをしてきた。瞬間、鳥肌がたった。


 

 ーキモチワルイ

 ーワタシ、ナンデコノヒトヲスキダッタンダロウ?



 ウーサー王は静かに部屋を出た。イグレインはふと我に返り、急いでメイドを呼ぶ。



「いかがされましたか?」


「今からお風呂に入るから準備してちょうだい。またあのお香のセットをお願い。あと、あの子も呼んできてね」


「かしこまりました」



 メイドは言われたことを実行する。

 最近、イグレインは商人から買い付けた怪しいお香を焚きながら若い男と夜な夜な遊んでいる。

 ウーサー王との出来事でむしゃくしゃしていたイグレインはいつもよりも早い時間から夜遊びをはじめるのであった。

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