第五章 七節 懐妊③
今日は2つ投稿します
数日後、新しい領主が現れた。新しい領主の正体は実はパックだ。
パックはモルガンに変装術を教えてくれた妖精で、彼には島や国の統治にかかわりたいという夢があった。
そこでモルガンは自分もコントロールしやすいパックにコーンウォールの統治をお任せすることにした。
モルガン自身、別にコーンウォールがどうなろうが興味はなかった。しかし、イグレインが何かあった際に逃げてくる場所の一つであったため、先に場所を潰しておきたかったのだ。
パック自身には経営の知識が若干あるようで、おそらくコーンウォールがなくなるほどひどい状況にはならないだろう。
一番はコーンウォールそのものを潰すことだが、イグレイン、ゴルロイス、モルゴス…つまり家族以外には罪はない。
よってモルガンはコーンウォールを存続させようと決め、管理はパックにお願いした。
『モルガン、ありがと。夢が叶って嬉しいよ』
パックは泣きながら握手してきた。
「パック、こちらこそこんな変な依頼を引き受けてくれてありがとう。これからよろしく。ちなみに、アヴァロンでは何かあった?」
『いいや、平和そのものさ。悪い噂も聞かないさ』
「それはよかった。ありがとう。じゃあ後はお願いね」
最低限の引き継ぎをし、モルガンは宮廷に戻るのであった。
ロット王はモルガンからモルゴスの件と領主交代の件を報告してほしいと言われ、素直に文にしたためた。
文は即座にウーサー王の元へ届き、上記の内容がウーサー王が知るところとなったのだ。
先日、ゴルロイスが亡くなってからコーンウォールの領主が交代、ゴルロイスの娘であるモルゴスはロット王に嫁いだ。この情報をウーサー王はイグレインにまだ伝えていない。
どう伝えようかと悩んでいたところに、イグレインが上機嫌で近づいてきた。
「ウーサー王、私、あなたに伝えたいことがあるの!」
イグレインの上機嫌な様子を見て、ウーサー王の眉間の皺はゆるんだ。
「どうした?」
「あのね…私、妊娠したかもしれないの…」
「なに!?それは真か?」
「おそらく…念のためお医者様に診てもらいのだけど…」
「わかった!すぐに手配しよう!」
悩みが吹き飛びそうな知らせだったが、一方でどう伝えようかとますます悩んでしまいそうだった。
また懐妊は喜ばしいがマーリンとの契約もある。それも伝えねばならず悩みの種が増えてしまった。
そんな雰囲気を察したイグレインは話かけてきた。
「ウーサー王、嬉しくないの?」
「そんなことはない!」
「でも浮かない顔しているわ」
イグレインはウーサー王の頬を撫でる。ウーサー王はこれ以上隠しておけないと思い、伝えることにした。
「イグレイン、大事な話があるのだ」




