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 屋敷で打ち合わせする。

「どういう事かしら」

「ホントに逃がす事が目的だったように見えるね」

 私は考える。 

 例えばケイトがユニコーンの角を取るのを可哀そうに思ったとか。

 それでユニコーンを逃がした。その自論をローティーに伝えてみる。

 すると彼は言うのだ。

「婚約者からの贈り物だから、逃がすのではなく、盗まれたように装ったとか?」

 う~ん…

 でも依頼してきたのはケイト本人だしそれだと自作自演に…

 どういう事だろう?

 意見を突き合わせてみてもあまりしっくりこない。

 なのでもう少し調査をしてみる。

 屋敷の人やケイトにも聞き取りを行うも、決め手に欠ける。


 ローティーと話す。

 いまいち要領をえないので、調査を見直すことにしたのだ。

 そして屋敷以外にもケイトの身辺調査を行う事にしてみる。

 警察にも資料の閲覧を頼んだ。


「ケイトが嘘を言ってる素振りも見えないのよね」

「こっちはいくつか少し気になる点があったよ」

 ローティーはまず、ケイトの婚約者について話す。

「お相手の男性は確かな人みたいだね。血筋も性格も申し分ない。特徴と言えば独自性の高い宗教を信仰してるみたいだね。ただ問題は無さそうだ。問題があるとすれば、むしろケイトの屋敷の方だね」

 ローティーが言うには屋敷には過去に事件があった事、それに物品の紛失や噂などがあった。

 私は資料を確認しながら言う。

「警察の事情聴取を受けてる…これね」

「罪状は、女性への乱暴…穏やかじゃないよね」

 資料には庭師がメイドの一人に性的な乱暴を試みた嫌な事件が記載されていた。

「当時の庭師の名前は、ゴストンか」

 私は次の聞き込みをする相手を決めた。


 町を歩きながらローティーが言う。

「ユニコーンには伝承がもう一つあるんだ」

「角が薬になる、以外に?」

「清純な乙女、つまり男性経験のない乙女の膝で寝る、っていうね」

 うっ…ちょっと苦手な話題が出たな、そう思いつつ私はピンときた。

「異性の経験のない乙女、かぁ…ちょっと生々しい事態になってきたわね…」

 私も男性とお付き合いはした事ないので大層な事は言えないのだけど。

 恥ずかしさと、私が今、頭の中で立てた仮説に対する不快な気分が心に降りてきた。

 そんな胸の内を吐き出すように私はローティーに言う。

「嫌な想像だけど、庭師が性的な犯罪で複数の前科があったみたいだから、ケイトにも手を出したとか?」

「それでユニコーンはケイトを避けた。ケイトに対する過去の事件の発覚を恐れた屋敷側がユニコーンを逃がしたとか」

 唐突に沸いた疑惑に私たちは嫌な展開を想像する。

 いささか突拍子もなく、かつ気分が滅入る予想に少しだけ気分が落ち込んだ。

 とにかく、屋敷での過去の事件について、当時の犯人のゴストンに聴取を行うため、彼の自宅へ向かった。

 だがこれから私たちは意外で奇妙な事件の顛末を辿る事になる。

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