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今回は貴族のお屋敷のユニコーン盗難事件について助力を貸す事になった。
お屋敷で聞き取りを行う。
お屋敷の令嬢、ケイトさんは言うのだ。
「ごめんなさい、こんな依頼を。私が依頼主のケイトです」
そして執事のバルドさんは言う。
「ユニコーンはお嬢様への婚約祝いなのです」
要はプレゼントなのだ。
町での噂通り、お屋敷の令嬢、ケイトさんは他の貴族から求婚され、二人は恋仲。それどころかもう将来を約束した仲のようだ。
調査を引き受けると言うと、ケイトさんは「どうかよろしくお願いします」と頭を下げて自室へ下がった。どうやら病弱であまり体を動かせないらしい。
ちなみに両親は外出中だそうで、執事さんが切り盛りしてる。
調査を引き受けると彼女は「ケイトでいいですよ」なんて言ってくれた。
私より年上で呼び捨ては気が引けるが、お言葉に甘える事にした。
それではまず初めに。
私たちが現場を確認したいとお願いすると、執事さん同行で庭へと通された。
立派な噴水などがあり、外での茶会などもできるような造り。
その庭を更に進むと草地に出る。
「立派なお庭ですね」
「乗馬などもできるようになっております」
ケイトはここで情操教育を受けたのだろう。
正直うらやましい! そう思ってしまう。
それから少し歩くと厩舎が見えてきた。
「ここです」
中を見てもやはり貴族の管理する厩舎だ。整理整頓されている。
そこに居る馬も毛並みのいい馬だ。
きっといい血統の馬なんだろう。そんな風に思う。
「施錠は?」
「はい、鍵は掛けておりますがこの通り…」
ドアの鍵の部分は破壊されて壊されていた。
「鈍器か、斧ね」
観察して状況を頭に入れる。
執事さんは言う。
「警備の者は鍵を掛けたと。しかし翌朝にはこの通りで」
「夜のうちに襲撃されたのね」
屋敷に戻り、あてがわれた客室でローティーと打ち合わせる。
私は「随分手馴れてると思う」と切り出す。
「そう?」
「それに不自然よ。金目のものなら屋敷の中の方がたんまりあるでしょ」
私の意見に、だが否定が入る。
「屋敷内は警備が固いからじゃないかな」
「靴跡見たでしょ。複数でしかも鈍器か斧で武装してる。侵入をためらう連中だと思えないのよね」
状況的に妙な引っかかりがある。
どうだろう、私の勘がやや普通の事件ではないと告げるのだ。
そんな私に、渋々だけど同意してくれるローティー。
「君の言う事だからね、信じるよ」
「ところで、動機はなんなのかしら」
「ユニコーンは希少だし、角は高価な薬になる」
「そういえば、ケイトは少し病弱なのよね」
「婚約者が彼女の病気の為にユニコーンを送ったのかも」
「ユニコーンと角からできる薬が目当ての強盗かあ…じゃあここら辺の山賊の情報をあたるわよ」
こうして私たちは強盗の容疑での調査を開始したのだった。
横槍はあった。
貴族から聖女になろうとする者や、冒険者などから言われた。
「追放聖女が何ができるんでしょう」「聖女か冒険者気取りか? 事件は俺たちに任せておけばいいんだぜ」
それらのヤジを聞き流して着手する。
結果を出せばいいだけなのだ、そう考えながら。




