壊れた兵器もムダにしません
「しかし今度は兵舎全体の整理だもんな。物は多いしどうしよう精霊タン。おまけに人も多いし、こんなん使い切れないよ」
「これも屋敷を整理したときみたいにやればいいんだよ」
「そうっか。でも人が多いんだぜ」
「別に気にする事じゃないよ。全員に同じ仕事をさせたらいいだよ。たとえば10人ずつ別の部屋にわけて、まずその部屋にある剣をひとつの部屋に集めさせる」
「それで全員が終われば、次は、やりをという感じにしていくわけ?」
「そう。その途中で整頓とかしなくていいの?」
「しなくていい。まず集めたらいい」
「そしてだいたい分けれるものをわけたら、残り分類が不可能なものがあったら?」
「それは分類不可能なものを置くへやにあつめる」
「わかったやってみる」
精霊タンを打合せしたとおり、全員を同じ作業に集中させると、異常に早く、仕事が終わった。
なんと昼ご飯前に全部部屋ごとに集めれたのだ。
これには当の本人たちが一番驚いていた。
「こんなやり方、俺は初めてだが……こんなに片付くもんなんだな」
そうだ。俺もそう思う。
しかし予想外のスピード。
これには俺も焦った。次の指示を考えてなかった。
「今日は少し早いが食事にしてくれ。休憩時間は余分に取ってもらっていいよ」
そういうと、兵士たちから歓声があがった。あっ…こういうのうれしいんだ。
俺は午後からの仕事を考えるために、精霊タンと話すことにした。
「精霊タン。片付いたよ」
「もう固めたの?早くない?」
「そうだよ。あのやり方の効率が良かったのもあるけど、みんな体力あるし、規律が厳しいから早いんだよ」
「じゃあ次の片付けを考えなくちゃね。うーんと次はね。
壊れてるものと、壊れていないものをわける。
それができたら、
壊れてないものを整頓しキレイに使いやすいように並べる」
「なるほど。じゃあ壊れているものは捨てる」
「いやいや早まるな。にこいちにしよう」
「にこいち?」
「にこいちというのは、2つの装備品から、部品を取ってメンテナンスすること。これは君のいた時代の軍隊とかでも使われてる手だぜ」
「なるほど。それはどう指示すればいい?」
「これは実地で模範をみせて、やって見せるといい。自分達でできるようになるから」
「そっかやってみる。それでも壊れている装備品は捨てるんだよね」
「いやいや違う。たとえば金属として再生する方法もあるし、別口でつかう方法もある。とりあえず、にこいちで活用もできない装備品は、別の部屋に、アイテムごとにわけるといいんじゃないかな」
「よしわかった。ありがとう」
精霊タンに礼をいい
俺も少し遅い食事を取り、ふたたびみんなの前でこう告げた。
「次は
①壊れてるものと、壊れていないものをわける。
②壊れてないものを整頓しキレイに使いやすいように並べる。
③壊れているものは、部屋の隅っこに片付ける。
これが終わったら報告してくれ」
そういった。
さっそく兵士たちは作業に取り掛かった。
やはり早い。
さっそく終わりましたと報告してきた。
心なしか顔つきが誇らしげた。
俺は各グループのリーダー格を集め
壊れた装備品をみせながら、にこいちの話をしだした。
この世界では新しい概念らしく、皆が目を輝かせて聞いていた。
なるほど、それは賢い。そんな風に皆がいい。
各グループに戻り、作業を開始した。
途中
壊れた剣の山の中から、珍しい“旧式の剣”を見つけて、兵士たちが盛り上がったり、武器の中に敵国の紋章が入ったものがあったりで、なかなか刺激的だった。
この作業ばかりは、少しややこしかったのか。
時間がかかった。
結局終わったのが4時少しすぎ
最後ににこいちで使えない壊れている装備品は一つの部屋に固めさせた。
そして
「これは別口で活用するから捨てるな」
と皆に伝えた。
そして
「すこし早いが今日は解散」
と解散させた。
予定ではこの規模の整理なら、1週間ほどかかる予定だったが、なんと1日で終わってしまった。
俺は手先の器用な兵士を一人よび、各部屋のとびらにイラストと文字入りで何が置かれた部屋か、描かせた。これで間違うことはないだろう。
精霊タンにあとからこのとびらの話をすると、
「めっちゃ成長したな」
と喜んでくれた。
「先生が優秀なのだ」
といったら、涙ぐんでいた。もちろん光なのでわからないのだが…




