今日から僕は 132
「島田!チェーンガン装填終わったか!終わったらすぐよこせ!」
要が指揮所の島田に向けて叫ぶ。
「すいません三分ください!」
「じゃあ三分だけだぞ!」
「そんなことよりいいか?」
新しく画面が開き巨大な顔面が出現する。
「エンゲルバーグ!テメエには用はねえよ!」
「誰がエンゲルバーグだ!ヨハンだ!ヨハン・シュぺルター!」
「バーカ。知ってて言ってんに決まってるだろ?」
「ったく……」
ヨハンは肉厚の顔面をさらしながら頭をかく。
「ベルガー大尉、西園寺中尉。二人の機体のモニターの法力ゲージはどうなっていますか?」
「コミュニケーションウィンドウの下のゲージか?私のは緑のラインが限界値まで来てるぞ」「アタシのも同じみたいだねえ」
カウラと要は不思議そうにそう言った。
「じゃあ神前。何か二人に言いたいことを考えてみろ」
突然のヨハンの言葉に誠は戸惑った。
「考えろって……」
「誰がしゃべれと言った!考えろ!」
怒鳴られて仕方なく、カウラに向かって考えた。
『生きて帰ったら、海、付き合います』
画面の中のカウラが頬を赤らめて下を向いた。
その様子が不思議なのか要は口をゆがませる。
『西園寺さん。僕は大丈夫です。生きて帰るつもりです』
「なんだ!頭ん中で声がするぞ!」
「西園寺中尉!そいつが思念通話です!乙式の法術ブースト機能によりあらゆるジャミング等の状況や距離によらない同時通信システムです」
「じゃあ感応通信機みたいなものか?」
「まあ今のところそんなもんだと思っていてください。お二人とも神前に言いたいことがあれば考えてください!」
『わかった、楽しみにしている』
カウラの澄んだ声が、誠の頭の中に響く。
『安心しろ、アタシが殺させやしねえよ』
画面の中の要の口元が微笑んでいた。
「通信データどうだ!」
ヨハンが振り返ったのを見て三人が唖然とする。
「おいエンゲルバーグ!今の会話傍受してたのか?」
「一応、通信記録をとる目的でええと西園寺中尉は……」
「糞野郎!プライバシーの侵害じゃねえか!読んだら殺すからな!」
激高する要。
うつむいてじっとしているカウラ。
「シュぺルター中尉。内容までわかるんですか?」
「それじゃなきゃ意味無いだろ?」
淡々と答えるヨハンについ絶句した誠がいた。




