表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この異世界転生はベタばかり  作者: 龍神慈樹
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/40

36 『神を侮るな』




「…………」


 カサネの急な雰囲気の変化に怯んでしまい、声が出ない。

 そんなアサヒに構うことなく、カサネは口を開いた。


「アサヒの言いたいことは、それでしまいかと聞いておる」


 静かに響く、厳かな声。

 アサヒは、なんとか言葉を絞り出す。


「お、終わり、だよ…………そ、それがどうした?」


 自分でも動揺を隠しきれてないと思った。


「そうか…………つまらぬのぅ、アサヒ」


「……は?」


 カサネは呆れ顔でアサヒを見上げてくる。


「なんじゃ、聞こえんかったのか? つまらぬと、そう言ったんじゃよ」


 そして、嘲るような顔になる。


「震えて縮こまるだけでは飽きたらず、耳まで遠くなったとはのぅ。本当に情けない」


「な、なに、を……」


 カサネの発言に腹が立ち、おもわず声が震える。


「ん? まだ何か言いたいことでもあるのかのぅ?……じゃが、もうアサヒのくだらぬ弱音を聞くのも飽きた」


「な、なんだとッ!」


 おもわずカサネのことを睨みつける。


「ほ〜ぅ、てっきり腑抜けてしまったと思っておったが、まだそんな目をする気力はあるのじゃな」


「ぐっ……」


 カサネはアサヒの視線をどこ吹く風と言わんばかりに、言い返してくる。

 かたやアサヒは、カサネに言い返す言葉が見つからず、睨みつけるだけ。


「なんじゃ? 何も言わんのか? 睨みつけてるだけでは、妾は痛くも痒くもないんじゃぞ?」


 ニヤリ。


 アサヒを怒らせるようなカサネの言動。

 この状況でどうしてそんな顔ができるのか、疑問と怒りでごちゃ混ぜだ。


「ほれほれッ、何か言ってみるのじゃ」


「ふ……ふざッ、ふざけてんのかよッ!! この状況でッ!!」


「ふん」


 声を張り上げるが、気にも留めないとばかりにカサネが鼻で笑う。


「なんだよッ! 何か言えよッ、カサネッ!!」


「では、言うてやろぅ。アサヒ、ずいぶんと妾に怒っておるのぅ?」


「はっ、はぁ? あ、当たり前だろ!」


「ふふ……そうか、当たり前か……そうかそうか…………ふふふ」


 カサネが口を押さえて、笑いだす。

 本当に意味がわからない。


「な、何がおかしいん——」


「妾も同じじゃッ!!」


「ッッ!?」


「妾も怒っておるぞ! アサヒッ、お主にじゃ!」


 怒鳴りながら見上げてくるカサネ。


「さっきから黙って聞いておれば、ずいぶんと腑抜けたことを言うではないか、アサヒよ。挙げ句の果てには、妾に向かって『間違えた』、じゃと?…………神である妾を侮っておるのか?」


 ぞくりッ。


 カサネが纏う雰囲気が、また変化する。

 まるで、心臓を掴まれたかのような……。


「ぁ……」


 心のどこかで、カサネなら怒らせても大丈夫、許してくれる、という甘い考えがあったのかもしれない。

 アサヒは恐怖で声が出なかった。


「今から、お主に罰を与える。二度と神を侮ることができぬようにな」


「まっ、待ってく——」


()()()()()


「ッッ!!?」


 アサヒは地面に膝をつき、カサネに向かってこうべを垂れた。


 ……か、体がッ……勝手にッ!?


 手も足もピクリとも動かない。唯一動くのは、首から上だけだ。

 下を向いていたアサヒは、恐る恐る顔を上げて……。


「神を侮ったことへの罰、しかと受け入れよ」


「ッッ、カサ——」


 バチンッ!!


 衝撃が走った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ