✒ 万引きGメン 6
──*──*──*── 1ヵ月後
──*──*──*── スーパーマーケット
前回と同様に従業員が利用する出入り口から入る。
[ BR ]に入ると1ヵ月前とは全く違っていた。
何が違うのかと言うと、きちんと整理整頓がされていて、綺麗になっていたんだ。
剥げていた床のペンキが綺麗に塗り替えられているし、壁も清潔感を感じる白色に近い優しいクリーム色に塗り替えられていた。
入荷した商品を保管している場所も整頓されていて商品が取り出し易くなっている。
──*──*──*── 1階・事務室
[ 事務室 ]の中も配置を変えたのか1ヵ月前よりもスッキリしているし、清潔感に溢れている。
マオ
「 この30日で随分と変わっちゃったな~~ 」
霄囹
「 キノコンの仕業だろ。
キノコンは綺麗好きだからな 」
マオ
「 店長さんと店次長さんに怒られてないかな? 」
霄囹
「 キノコンがそんなポカするかよ 」
???
「 霄囹さん,マオさん!
良く来てくださいました! 」
マオ
「 店長さん、お久し振りです。
随分と様変わりしましたね…… 」
店長
「 そうなんですよ!
全てキノコンさんのお蔭ですよ!
いやぁ~~こんなにスッキリ綺麗になるなんて思いもしませんでした!
万引きは無くなりませんが、被害は格段と減少しましてね、何よりも来客数が増えまして、売り上げも伸びたんですよ!!
キノコンさんに会う目的で、子供連れの親子が増えましたし、シニア層も増えました。
シニア層が安心して買い物が出来たり、一休みが出来ると評判になりまして、鰻登りで──嬉しい限りです 」
マオ
「 そうなんだ。
キノコン、確り貢献してるんだ 」
霄囹
「 人間が居る限り万引きは無くならないが、減少したのは良い事だな 」
店長
「 是非、店内も見て回ってください。
前よりも雰囲気が良くなったと評判で、買い物もし易くなったと好評なんです 」
店長さんは凄く嬉しそうだ。
30日前よりも顔色が良いし、肌めツヤツヤしてる様に見える。
霄囹
「 式隷を回収しがてら見て回るか 」
マオ
「 そうだな。
どんな風に変わったんだろうな? 」
一寸ワクワクするなぁ~~。
スイングドアから店内へ入らせてもらう。
店内さんがビフォーアフターした店内を案内してくれるみたいだ。
旧式の監視カメラは全て最新式の監視カメラに交換されていた。
キノコンが監視カメラの取り外しと取り付け作業をしてくれた事で、出費を押さえる事が出来たらしい。
店内には警備員キノコンが数体,赤いエプロンを腰に巻いたキノコンも数体,緑のエプロンを腰に巻いたキノコンが数体居る。
警備員キノコンは店内の防犯目的で、パトロールをしている。
赤いエプロンを腰に巻いたキノコンは、品出しをしている従業員の代わりに、定番棚やエンド棚の清掃をしている。
緑のエプロンを腰に巻いたキノコンは、店内に目を光らせて接客をしている。
接客をしながら怪しい動きをする客を見極めている様だ。
通路を挟んだ向かいには、シニア層が一休みの出来る休憩所が作られていて、その一角には囲碁コーナーと盆栽コーナーが設けられている。
囲碁と盆栽を売り込んでいるなんて、流石はキノコンだよな。
子供を預けるキッズコーナーも作られていて、キノコンは子供達に取り囲まれて揉みくちゃにされている。
子供は包容力が有って可愛いキノコンが大好きみたいだ。
子供をキッズコーナーに預ける事が出来るから、母親は自分のペースで買い物を楽しむ事が出来るみたいだ。
お客用の自動ドアには必ずキノコンが立っていて、目を光らせている。
マオ
「 キノコンが居るからかな、店内がファンシーな雰囲気に包まれてる様な気がするよ 」
霄囹
「{ 乗っ取り計画は順調みたいだな }」
マオ
「{ そだな…… }」
店長
「 キノコンさんは、野菜や果物の品質管理,鮮度チェックもしてくれているんです。
『 傷んだ商品が入っていた 』というクレームが無くなりました 」
霄囹
「 キノコンは野菜,果物の鮮度には拘るからな 」
マオ
「 ははは…… 」
店長
「 温度チェックもしてくださって、機械の調子が悪いと直ぐに直してくれるんです。
何でも出来るんですね、キノコンさんは 」
マオ
「 喜んでもらえてるみたいで良かったです 」
店長
「 実はですね、私も店次長も従業員達も、キノコンさんから家事代行のチラシを頂きましてね、家事代行を依頼しているんです。
キノコンさんが家に居て家事代行をしてくださるお蔭で、妻が喜んでくれているんです。
他にも介護していた両親の認知症が改善したとか、庭に出られる様になったとか、近くの公園へ散歩に出掛けられる様になったとか、子供の成績が上がったとか──、キノコンさんは凄いですね。
皆、本格的に契約したいと言っていて、『 友達にも教えたい 』とか『 離れて暮らしてる両親にも── 』と話が上がって居るんです 」
マオ
「 そうなんですね…… 」
店長
「 キノコンさんを紹介して頂いて、感謝しか有りません! 」
霄囹
「{ 確り売り込んでるじゃないか }」
マオ
「{ そだな。
『 一家に1体キノコンを! 』を実現させる為に頑張ってるな…… }」
霄囹
「 ──よし、式隷の回収は済んだな。
店長、自動ドアの術式は残しておくか?
それとも消すか 」
店長
「 出来るなら残していてほしいです。
これだけキノコンさん達が気に掛けてくださっていても、万引きは無くならないので── 」
霄囹
「 そうか。
なら、残しておくか。
毎月1回、僕の口──《 陰陽師4事務所 》の口座に5万円、振り込んでもらおうか 」
マオ
「 シュンシュン、5万は取り過ぎだろ。
1万で十分じゃないか? 」
霄囹
「 馬鹿言うなよ!
自動ドアに仕掛けた術式は、僕にしか出来ない特殊な術式だぞ!
誰が維持すると思ってるんだよ!
5万でも安いぐらいだ!
本来なら200万は下らない── 」
マオ
「 200万は取り過ぎだって 」
霄囹
「 断腸を切る思いで5万にしてやるんだ。
良心的な金額に感謝してほしいねぇ 」
マオ
「 がめついなぁ。
1万で良いじゃないか 」
霄囹
「 ガキに渡す小遣いじゃないんだぞ!
駄目に決まってるだろ! 」
シュンシュンとの押し問答の末、振り込み額は3万円に落ち着いた。
キノコンに裏で牛耳られる事になるこの《 スーパーマーケット 》が経営難に陥り、倒産する事は先ず無いだろう。
此処を拠点として、キノコンは今後も家事代行サービスを宣伝して、買い物客に布教して回るんだろうな。
霄囹
「 店長から報酬も貰えたし、買い物して帰るか 」
マオ
「 またスナック菓子かよ? 」
霄囹
「 当たり前だろ!
もう無いんだ 」
マオ
「 何で1ヵ月で無くなっちゃうかなぁ~~ 」
霄囹
「 仕方無いだろ! 」
シュンシュンに急かされたオレは買い物カートを取りに行く。
シュンシュンってば、また買い物カゴを4つ取ると買い物カートに置く。
マオ
「 今日はシュンシュンもリュックに入れるのを手伝うんだからな! 」
霄囹
「 分かった分かった。
煩いから、今回は手伝ってやるよ 」
マオ
「 全く……。
絶対だからな 」
シュンシュンと店内を歩いて、スナック菓子のコーナーへ向かう。
シュンシュンは鼻唄を歌いながら遠慮無くスナック菓子を買い物カゴへ入れていく。
セロはスナック菓子を食べないから、自分用に何個か買って帰ろうかな?




