✒ 万引きGメン 5
──*──*──*── 1週間後
──*──*──*── スーパーマーケット
シュンシュンと一緒に再び《 スーパーマーケット 》にやって来た。
今回はキノコンにも同行してもらっている。
セロに事情を話したら、あっさりOKを貰えたからだ。
他にも多発している万引きに困っている店舗へキノコンを売り込む方針になった様だ。
何処でも警備員の人材不足,万引きGメンの人材不足が深刻化しているらしい。
《 セロッタ商会 》は今回のチャンスを活かして、本格的にキノコンを盛大に売り込む様だ。
狙ってたんじゃないか──って思えて止まない。
人材不足が深刻化もセロが古代魔法で作り出してるんじゃないか──って考えてしまう。
セロなら暇潰しにやりそうだから、疑いを抱いてしまうのも仕方無いと思うんだ。
前回と同様に従業員用の出入り口から入店した。
──*──*──*── 1階・事務室
マオ
「 こんにちは! 」
店長
「 お待ちしておりました! 」
霄囹
「 あれから万引きは減ったか? 」
店長
「 霄囹さん!
お蔭様で先月よりも被害は減少しています! 」
霄囹
「 そうか。
従業員達が頑張ってる結果が出てる様だな 」
マオ
「 色々と話し合いして工夫した事が活かされてる訳だ? 」
店長
「 それも有ると思いますが──、1週間前に起きた “ 万引き未遂犯の吊し上げ ” の効果も有るんじゃないか──と従業員達が言っています 」
マオ
「 あぁ~~。
あの時はシュンシュンが御免なさい!
店を出てないお客にあんな事をするなんて……。
逆に訴えられたりしなかったですか?
万引き犯の中には、自分を捕まえたGメンを雇った店に対して、逆ギレして報復するとんでもない輩も居るみたいだから── 」
霄囹
「 万引きした自分が悪いのに、自分は被害者だと正当化し、捕まえたGメンを悪者だと脳内変換する痛い奴は実際に居るし、事件も起きてるからな。
Gメンが勤めてる会社が嫌がらせを受けたり、雇った店に仕返しして再逮捕する馬鹿も確かに居る。
そのお蔭で仕返しや報復を恐れ、危険を感じたGメン達が一斉に辞めた事で、人材不足と瀕した年も有ったな。
家族の安全面を考えて辞めざるを得ないのは当然の事だ。
辞める人達の思いを考えると責められない案件だな 」
マオ
「 そうだよな。
逆恨みで大事な家族を襲われても困るもんな 」
霄囹
「 だからこその、キノコンだ!
キノコンは逆恨みや報復に臆したりしない!
逆に撥ね飛ばし、返り討ちに出来る強さを持っている!
例え刃物を出して抵抗されてもキノコンには通用しない!
無傷で危険な万引き犯を捕獲する事が出来る! 」
キノコン
「 キノコンは日常の平穏な幸せを守るエリ!
悪党には屈しないエリ!
お店の治安はキノコンに任せるエリ! 」
霄囹
「 警備員やGメンを雇えないと言っていたから、協力な助っ人を連れて来たのさ。
先ずは、お試し期間の30日間、キノコンに店内の警備を任せてみないか。
キノコンが居れば夜間の警備もバッチリだ。
強盗が来ても即座に対応してくれるぞ!
本格的な契約は30日後になる 」
マオ
「 お試し期間は無料だよ。
キノコンは綺麗好きだから、警備も兼ねて店内清掃もしてくれるよ。
清掃会社に頼む必要が無くなるから、経費の節約もし易くなるよ。
どうしても人手の少ない時には商品出しもしてくれるし 」
店長
「 30日間は無料なんですか?
それは有り難い申し出です。
是非とも宜しくお願いします 」
キノコン
「 任せるエリ!
今から警備を始めるエリ! 」
マオ
「 キノコン、頼むな 」
キノコン
「 お任せくださいませエリ。
{ 依存させるには十分過ぎる期間ですエリ。
あばよくば従業員の家庭にもキノコンを薦めますエリ }」
マオ
「 お…おぅ。
キノコンの健闘を祈るよ 」
キノコン
「 では警備に入りますエリ 」
ビシッと見事な敬礼を決めてくれたキノコンは、体を上下に動かして分裂をする。
分身体のキノコン達は、笠から警備員が被るっぽい帽子を出すと、笠の上に乗せる。
“ パトロール中 ” と書かれたタスキも掛けて、店内へ入って行った。
キノコンは《 スーパーマーケット 》を乗っ取る気満々みたいだから、一寸心配かも知れない。
それはさておき、シュンシュンとオレは全従業員が共有する画像フォルダを見せてもらう事にした。
店内に放置されていた商品,違う棚に置かれた商品,床に隠されていた商品…等の確認が出来る画像フォルダだ。
1週間分のデータを見せてもらうと、かなり多い事が判明した。
店長,店次長曰く、食品ロスを減らす為の取り組みが必要だと改めて再確認する事が出来たらしい。
「 これは定期的に続けよう 」と従業員達からも声が上がっているそうだ。
酷い物だと、ペットシーツの後ろに刺身のパックが隠されていて、腐っていた画像──、トイレットペーパーの棚の後ろに値引きシールが貼られた肉のパックが隠されていて、赤い汁が垂れていた画像──、取り扱っていない急須が売り場に置かれていて、カビた饅頭が入れられていた画像──、人気のウェハース商品のカードだけが抜き取られ、袋とウェハースだけがティッシュペーパーの上に置かれたままになっている画像──と中々にショッキングな画像も有った。
中々の嫌がらせをする客が居るらしい。
“ 客 ” と呼ぶよりブラックリストに載せて出禁にした方が良いんじゃないだろうか?
マオ
「 万引きも問題だけど、こういう心無い嫌がらせを平然とする客も問題だよな 」
霄囹
「 それに関しては、キノコンが目を光らせて警備するからな、減少するだろう。
余りにも悪質な嫌がらせをする客なら、営業妨害で警察に付き出しても構わないだろ。
手に余るクレーム対応もキノコンに任せれば良いさ。
綺麗に揉み消してくれるからな 」
マオ
「 揉み消したら駄目だろ…… 」
霄囹
「 オリコンに入れられた万引き商品を確認しようか 」
マオ
「 そう言えば、式隷が万引きされた商品をコッソリ回収してくれてるんだったよな 」
店長
「 えぇ、そうなんです。
回収してもらえるので助かっています。
店内に出して販売が出来ますので── 」
霄囹
「 盗った筈の戦利品が消えていたら驚くだろうな。
背中には『 万引きしました♥️ 』って文字も浮かび上がるしねぇ 」
マオ
「 万引きした本人には見えないのがポイントだな。
渾名が “ 万引き ” に変えられる学生も出て来るかもな…… 」
霄囹
「 良いんじゃないか。
仕返しの出来ない被害者の代わりに、万引き犯のクラスメイトが制裁を加えてくれるなんて、有り難い事だろ。
態々被害者が手を汚さなくても、知らない馬鹿が自ら進んで手を汚し、万引き犯に罰を与えてくれるなんてラッキーじゃないか。
仮に苛めが原因で万引き犯が自殺したとしてもだ、あくまでも悪いのは苛めの実行犯達だ。
万引き犯の被害者である店側には何の非もない。
最高だろ 」
マオ
「 ………………人間関係で病んじゃう万引き犯が増えるかも知れないな?
自分が軽い気持ちで始めた “ 万引き ” が原因だって事に何人の万引き犯が気付くかな…… 」
霄囹
「 知らないねぇ。
此方の目的は、あくまでも “ 万引きを減らす ” 事だ。
万引きが減らせるなら、万引き犯が不幸な人生を送る事になろが知った事じゃない。
店に莫大な不利益をもたらし、存続を危ぶませる犯罪者のその後の人生なんて、どうでも良いのさ 」
マオ
「 ………………そうだな。
万引きする人達が肩身の狭さを感じて生き難い世界になれば、自然と安易に万引きするも馬鹿も減るかも知れないよな?
0には出来ないだろうけど…… 」
霄囹
「{ キノコンに任せとけば、上手く万引き犯の処分をしてくれるしな! }」
マオ
「{ 行方不明者が続出しそうだけどな }」
霄囹
「 キノコンの “ お試し期間内 ” の間は、式隷も店内に残しておくし、自動ドアの術式も残しておこう。
また、30日後に来るとしよう。
その時に式隷を回収する 」
店長
「 分かりました。
本日は有り難う御座いました 」
霄囹
「 報酬は次回来た時に受け取るから用意しとけよ!
マオ、スナック菓子を買って帰るぞ! 」
マオ
「 またオレに集るんだから~~ 」
霄囹
「 ケチ臭い事、言うなよ!
今日はスイーツも買おうぜ。
あのティラミス、美味かったからな! 」
マオ
「 オレはセロに買おうかな 」
そんな訳で、店長の御厚意でスイングドアから店内へ入らせてもらったシュンシュンとオレは、店内の見回りも兼ねて買い物を始める事にした。




