✒ 万引きGメン 3
──*──*──*── スーパーマーケット
──*──*──*── 店内
買い物カゴをセットした買い物カートを押して歩いてるのは、誰でもないオレだ。
シュンシュンは手ぶらで、オレの前を歩いている。
主人に買い物カートを押して歩かせる眷属って、眷属としてどうなんだよ?
本来は眷属のシュンシュンがだよ、我先にと率先して、買い物カートを押して歩くのが普通なんじゃないのか??
マオ
「 なぁ、シュンシュン── 」
霄囹
「 皆まで言うな。
主人を守護する眷属の両手が塞がっていたら、いざって時に役に立たないだろ 」
マオ
「 シュンシュン……。
オレの安全の為に──(////)」
霄囹
「 当たり前だろ!
──おっ、これ良いな!
ティラミスだってよ。
買いだな! 」
マオ
「 スナック菓子ですら無いしぃ~~ 」
霄囹
「 おっ!
コラボパケの菓子が有るぞ! 」
マオ
「 シュンシュン、全種類は駄目だからな 」
霄囹
「 ケチケチするなよ!
コラボパケの菓子袋はなぁ、コレクターに高値で売れるんだ! 」
マオ
「 セコい稼ぎ方するなぁ…… 」
シュンシュンはコラボパケの菓子に夢中だ。
マオ
「 しょうがないなぁ…… 」
お菓子を選んでいるシュンシュンを待ってる間、怪しい動きをしてる客がオレの視界に入った。
随分と挙動不審な動きをする男だ。
キョロキョロと周囲を見回してから、エンド棚の前に座り込んだ。
下段の商品を選んでるのかな?
買い物カゴは客の右側に置かれてるから、何が入ってるか分からない。
霄囹
「 何だよ。
早速、万引き犯を見付けたのか?
やるなぁ、マオ! 」
マオ
「 別に見付けた訳じゃないけど…… 」
霄囹
「 彼奴は常習犯じゃないな。
大方番組で見た万引き方法を試しに来てる類いかもな 」
マオ
「 どゆことだよ? 」
霄囹
「 バラエティ番組で万引き犯を捕まえる再現ドラマが放送されてるだろ。
あぁいうのを見本にしてだな、万引きの手口を学習し、技を磨く奴も居るのさ。
万引きを始めようと考えてる馬鹿や万引き方法を模索してる奴等には有り難い活きた教えになってるんだ。
番組を通して万引きの注意換気をしてるつもりが、公共の電波を使って万引き犯の量産に貢献してるのさ。
笑えるだろ 」
マオ
「 方法を知ったら “ 試してみたい ” と思う奴も居るって事だな。
悪事に手を染めて、自分で自分を貶めて、自分の価値を下げたがるなんて残念な人だな…… 」
霄囹
「 犯罪天国都市で産まれ育ってるからだろ。
人間は環境に流され易いし、染まり易いんだ。
何処かに共犯者が居る筈だぞ。
彼奴の買い物カゴの中身と同じ商品を買い物カゴに入れてる客が共犯者だ。
性別には拘るな 」
マオ
「 肝心の買い物カゴの中身が見えないから、何が入ってるか分からないけど? 」
霄囹
「 彼奴は式隷に任せるぞ。
共犯者も式隷が探してる。
僕等はレジへ向かうぞ 」
マオ
「 お…おぅ! 」
──*──*──*── セルフレジコーナー
セルフレジで商品をスキャンしたら、空っぽのリュックの中へ商品を入れる。
シュンシュンが欲張った所為で買い物カートに乗せてる買い物カゴは4つも有る。
オレは1人でせっせと商品をスキャンしてはリュックの中へ入れ続ける。
その間のシュンシュンはと言うと、何もしてくれない。
手伝う素振りすらしてくれないんだもんな……。
セロの真似してないよな?
霄囹
「 フッ──。
ビンゴだねぇ 」
マオ
「 コラ、シュンシュン!
何処へ行くんだよ。
手伝えってば! 」
オレの言葉を無視してシュンシュンは、別のサッカー台へ歩いて行く。
マオ
「 シュンシュン! 」
然り気無くサッカー台へ近付いた霄囹は、セルフレジで精算を終えた知らない男が置いて行ったレシートに手を伸ばす。
霄囹
「 証拠ゲットだな。
これで彼奴を追い詰められるぞ! 」
霄囹は、めちゃんこ悪者な顔をしてニタニタと笑っている。
霄囹
「 おっと、離れとかないとな 」
サッカー台から離れた霄囹は、セルフレジに移動すると、マオがスキャンし終わったスナック菓子の1つを掴むと、袋を開けて食べ始めた。
マオ
「 コラ、シュンシュン!
未だ会計が終わってないのに開けるなよ!
せめてリュックに入れるのを手伝ってくれよ。
未だ買い物カゴが2つも有るんだぞ! 」
霄囹
「 僕は万引き野郎を追い詰めてギャフンと言わせる崇高なる使命が有るんだ。
その為のエネルギーチャージなんだよ。
スキャンした後のだから構わないだろ 」
マオ
「 聞き分けの無い園児みたいな事を言うなよ!
全くもぉ~~ 」
霄囹
「 ブツを探してやがるな。
クックックッ──。
マオ、僕は万引き野郎をギャフンして来るから1人で頑張れ★ 」
マオ
「 コラぁ、シュンシュン! 」
シュンシュンはオレを置いて、スタコラさっさ~~~~と別のサッカー台へ行ってしまった。
マオ
「 しょうがないなぁ…… 」
シュンシュンが相手だと、万引き犯が心配になっちゃうな。
取り敢えず、オレは1人でひたすら買い物カゴの商品をスキャンし続けるだけだ。




