✒ 遊園地デート 6
──*──*──*── 翌日
──*──*──*── 東京都米●市米●町米●横丁
──*──*──*── 犯罪天国都市
──*──*──*── 裏野ハイツ
朝食を終えてTVを見ていると、《 遊園地 》で救助された子供達の事が放送されていた。
子供達は未成年だから、顔と名前が伏せられている。
被害者だし、生きてるもんな。
顔も名前も伏せられた状態で報道されている事には安堵した。
だけど、子供達が亡くなっていたなら、顔と名前は遠慮無く公開されていただろうし、晒される事になるんだろうな。
子供達が救急搬送された複数の《 病院 》はモザイクで隠されていて、特定し難い様に配慮がされているし、病院名も伏せられているのは報道機関の良心かな?
名前は伏せられているけど、何名ずつ搬送されているのか──って事は報道されている。
精密検査とかしないといけないから、それが終わる迄は入院生活する事になるんだろうか。
早く元気になって退院してくれたら良いな。
子供達が怪我もしてない状態で帰って来てくれた訳だから、家族は心から喜んでいるみたいだ。
警察の捜査に協力したシュンシュンの事は報道されていない。
どうやら事件を解決させたのは警察で、警察の手柄として報道されていた。
救急車の手配をしたのも、救助された子供達を受け入れる《 病院 》を手配したのも、警察の手柄にされていた。
犯人が人間じゃなくて怪異だからな。
表沙汰に出来ないから、警察の手柄として報道されるのは仕方無いのかも知れない。
マオ
「 意外と大事件としては取り扱われてないみたいだな 」
セロフィート
「 被害者が未成年の子供ばかりですからね。
大々的に報道はされません 」
マオ
「 子供達は何日くらい入院する事になるんだ? 」
セロフィート
「 外傷は無いですし、早くて1週間で退院する子供も居るでしょう。
回復魔法を使った事で持病が完治した子供,先天性の障碍,後天性の障碍が完治した子供も居ます。
その子供達の入院は少々長引くかも知れませんね 」
マオ
「 大奮発だな。
でもさ、怪我の治療は兎も角、持病や障碍を完治させるのは駄目なんじゃないのか?
その人や家族に大事な事を教える為に必要な “ お知らせ ” だから──って言ってたろ 」
セロフィート
「 退院して数日後には亡くなるのです。
糠喜びさせるくらい良いでしょう 」
マオ
「 糠喜びって── 」
確かに “ 糠喜び ” かも知れない。
不可解な怪奇事件として報道されていた子供達の行方不明事件──。
それが警察が解決し、行方不明だった子供達が1人も欠ける事なく、意識は無いものの無傷な状態で救出された事も有り、“ 奇跡的な救出 ” と美談報道されている。
“ 奇跡的な救出 ” をされた子供達は搬送された《 病院 》で、“ 精密検査 ” という名目の下に、肉体の隅々まで検査されて調べられる事になるんだろう。
その検査の中で、完治が不可能だと言われている様な持病や障碍が嘘の様に綺麗サッパリに完治していて、健常者に変わっている子供達が居たら──。
これはこれで別の意味で問題視される内容かも知れないし、別の形で報道される事になるかも知れない。
完治しない持病児や障碍児と向き合って暮らしていた家族にとってまさに “ 奇跡 ” だろう。
[ 観覧車 ]から降りる時に忽然と姿が消え──、無事な姿で救出され戻って来た。
一般的な家族にとっては正真正銘、心の底から喜べる “ 救い ” だったかも知れない。
だけど、一部の家族にとっては “ 絶望 ” だったかも知れない。
だけど、その “ 絶望 ” の原因でも有る “ 持病 ” や “ 障碍 ” が完治していたら──、間違いなく “ 救い ” となるかも知れない。
これからは持病が完治した我が子,障碍が完治した我が子と共に “ 楽しく幸せに生きていける ” と希望に満ち満ちた生活を過ごせると喜ぶかも知れない。
だけど──、その夢の様な希望に満ちた生活は長く続かない。
だって、健常者になれた子供達は…………化け物に変貌してしまう前に事故若しくは事件に巻き込まれて亡くなってしまう事が決定しているからだ。
子供達と再会を果たした家族は、我が子が化け物に変貌してしまう事を知らない。
これから先も知らぬまま生きていく事になるだろう。
間違いなく、まさに “ 糠喜び ” としか言い様がない。
家族達の失望と悲しみは想像の域を遥かに超えるものとなるだろう。
多分だけどな?
化け物に変貌して、一緒に暮らしている家族を喰らい、家族以外も襲い、大勢の被害者を出して、大惨事を招く事になり兼ねない。
残酷な事だと思う。
人形は “ 救い ” だと言うけど、事情を知ってるオレですら、“ 残酷 ” だと思ってしまう。
オレは未だ、セロと同じ場所には立てれていないのかも知れないな……。
セロフィート
「 マオ、表情が暗いです。
割り切れません? 」
マオ
「 ……………………簡単に割り切れる事じゃないだろ?
折角、健常者として暮らせる様になった子供達達がだよ、事故や事件に巻き込まれて死んでしまうなんてさ…… 」
セロフィート
「 マオ……安心してください。
1人で寂しく死なせはしません。
巻き込まれた中の1人として人生を終えるのです。
お供が居れば寂しくないでしょう? 」
マオ
「 は?
何言って── 」
セロフィート
「 “ 花火を打ち上げる ” と言いました♪ 」
セロは満面の笑顔で微笑む。
セロは一体、どんな事故,事件を起こして子供達を永眠させるのだろう──。
オレにはセロを止める事は出来ないんだ…………。




