⭕ 遊園地デート 2
細透刑事
「 お待たせしたわね。
はい、イチゴ味のポップコンよ 」
惷麗
「 ありがとぉ~~♥️ 」
喬嵜刑事
「 マオ君、ハチミツバター味だよ 」
マオ
「 有り難う 」
細透刑事,喬嵜刑事が椅子に腰を下ろして座った後、ポップコンを摘まみながらの話が始まった。
細透刑事,喬嵜刑事から聞いた話は以下だ。
どうやら事件は《 遊園地 》の園内に在る[ 観覧車 ]で起きているらしい。
“ 遊園地 ” と言うのは《 遊園地 》だけの事じゃなくて、他の《 遊園地 》に在る[ 観覧車 ]でも起きているそうだ。
どうやら、[ 観覧車 ]に乗った筈の子供が[ 観覧車 ]から降りて来ないらしい。
降りて来ない原因は[ 観覧車 ]から出ようとした子供の姿が忽然と消えてしまうかららしい。
《 遊園地 》の[ 観覧車 ]でも総勢8名の子供が行方不明となっているそうだ。
シュンシュンとオレへの依頼は、事件を解決へ向かわせる為に子供達が忽然と消えた原因を探り、解明し、子供達を連れ戻す事らしい。
そんな訳でシュンシュンとオレは私服で捜査に来た細透刑事,喬嵜刑事と一緒に[ 観覧車 ]に乗るらしい。
忽然と消えてしまう対象の子供は何故か未成年と決まっているらしい。
「 らしい 」の嵐だけど、今迄の捜査で判明した事みたいだ。
父親役の喬嵜刑事,母親役の細透刑事,娘役のシュンシュン,息子役のオレが4人で[ 観覧車 ]に乗ったからって、都合良く事件が起きてくれるとは思えないけど、シュンシュンは腐っても陰陽師だ。
彼此の《 遊園地 》で子供達が[ 観覧車 ]から消えてしまう原因を突き止められるかも知れない。
惷麗
「 念の為[ 観覧車 ]の中には式隷を忍ばせている。
式隷には特殊な御札を持たせている。
子供が乗って来たら背中に御札を貼るよう指示を出してある。
──今の所、妙な事は起きてないみたいだぞ 」
マオ
「 シュンシュン、手が早いな。
うん??
子供の背中に御札を貼らせる??
シュンシュン!
子供が被害に遭ってる事を知ってたのかよ!? 」
惷麗
「 マオ、僕はプロだ。
警察の偉いさんの弱味を難なく握れる陰陽師だぞ。
刑事達が捜査してる事件の内容を調べるなんて朝飯前だ。
陰陽師に隠し事なんて出来ないのさ 」
マオ
「 だったら!
オレにも教えてくれたら良かったろ? 」
惷麗
「 先ずは味方を騙さないとな。
マオは嘘を付けないだろ。
そんな奴においそれと教えられるかよ 」
マオ
「 酷ぉ~~ 」
惷麗
「 酷くない。
兎に角だ、子供が消えても貼った御札を辿れば、子供達を見付けられる筈だ 」
マオ
「 折角貼った御札を途中で剥がされる心配はないのか? 」
惷麗
「 特殊な御札って言ったろ。
貼ると擬態するんだよ。
だから剥がされる心配は無いし、御札が勝手に剥がれる心配も無いのさ 」
マオ
「 そっか。
良かった 」
細透刑事
「 そろそろ[ 観覧車 ]に乗りましょう。
15時以降に子供を乗せない様に箝口令を出しているの 」
喬嵜刑事
「 消えてしまう子供達は全員、15時以降[ 観覧車 ]に乗っていた事が判明しているんだ 」
マオ
「 15時以降の[ 観覧車 ]に子供達をなるべく乗せない様に注意換気はしてるんだ 」
惷麗
「 全面的禁止には出来ないらしい。
知ってか知らずか[ 観覧車 ]に並んでる子供は居る。
あの中の誰かが消えてくれる事を祈ろうじゃないか── 」
マオ
「 シュンシュン! 」
惷麗
「 僕達が消える事が理想的だが、そうなるとは限らないだろ。
捜査には囮が必要だ 」
マオ
「 刑事さんの前で言うなよ…… 」
そんな訳で、オレ達は椅子から腰を浮かせて立ち上がると、目的の[ 観覧車 ]へ移動した。
──*──*──*── 観覧車
マオ
「 デカぁ~~~~!
セロと乗りたいな~~ 」
喬嵜刑事
「 1周するのに20分掛かるそうだよ 」
マオ
「 へぇ、20分も密室になるんだ 」
惷麗
「{ 子供も乗ってるな。
よしよし }」
マオ
「{『 よしよし 』じゃないだろぉ…… }」
細透刑事
「 私達の番よ。
乗りましょう 」
惷麗
「 はぁ~~い♥️ 」
マオ
「 わーーーい 」
惷麗
「{ もっと嬉しそうにはしゃげよ }」
マオ
「{ えぇっ?
ちゃんとはしゃいでるだろ~~ }」
行列に並んでいたオレ達は、15時過ぎに[ 観覧車 ]に乗り込む事が出来た。
係員が扉を閉めて、鍵を掛けたら密室の完成だ。
オレ達は4人は暫く景色を楽しむ。
とは言え、虹も出てなければ、雲海も見えない。
富士山も見えないし、海だって見えない。
青空は綺麗だけど、見えるのは灰色の高いビルばかりで面白味が欠片も無い。
退屈な時間が20分も続くなんてキツいな……。
セロと一緒だったら、景色が残念でも楽しいのに──。
[ 観覧車 ]ってのは、一緒に乗る相手次第で感想も変わるんだな……。
惷麗
「 [ 観覧車 ]に乗るなら夜景が綺麗な夜間に限るな。
昼間の景色は退屈で詰まらないな 」
シュンシュンは景色を眺めながら詰まらなそうに呟く。
ポップコンを摘まんでは口に運ぶのは止めない。
マオ
「 富士山とか海が見えてたら違ったんだけどな…… 」
惷麗
「 どうせなら百鬼夜行が良いな。
──夜間に百鬼夜行が見れる[ 観覧車 ]か……。
良いかも知れないな!
夏の限定イベントの企画として──クックックッ…… 」
どうやらシュンシュンは新しい金儲けの企画を思い付いたらしい。
悪い顔でニヤニヤしている。
まぁ、シュンシュンが居てくれるから退屈凌ぎにはなるかもな。
因みに細透刑事,喬嵜刑事は、お互いのポップコンを仲良く食べさせ合っている。
仲良し夫婦の演技でもしてるのかな?
オレもハチツチバター味のポップコンを摘まんで口に入れながら、20分経つのを待つ事にした。
──*──*──*── 約20分後
[ 観覧車 ]は元の場所に戻って来た。
シュンシュンとオレは至って普通に[ 観覧車 ]から降りる事が出来てしまった。
オレ達の前に乗っていた子供達も[ 観覧車 ]から降りていて無事だ。
マオ
「 これと言って何も起きなかったな。
もう1回、乗るか? 」
惷麗
「 僕は乗りたくないねぇ 」
細透刑事
「 もう1度[ 観覧車 ]に乗るなら最後尾に並ぶ必要が有るわよ 」
喬嵜刑事
「 僕は何回でも乗って良いですよ 」
細透刑事
「 私もよ♥️ 」
惷麗
「 捜査中だろ。
必要以上のイチャイチャは── 」
???
「 み…みはるぅ~~~~!!
何処に行っちゃったの!?
みはるぅ~~!
出て来て、みはるぅ!! 」
マオ
「 シュンシュン、今のって! 」
惷麗
「 あぁ、子供が消えた!
[ 観覧車 ]から降り様とした瞬間にな!
クックックッ──僕の目の前で連れ去るとはねぇ! 」
マオ
「 連れ去る? 」
惷麗
「 今からは[ 観覧車 ]に乗車させるな!
最後に乗った客が降りたら捜査を開始する!
関係者以外は立ち入らせるな! 」
シュンシュンの指示を聞いて、さっきまでイチャイチャしていた細透刑事,喬嵜刑事が真剣な顔付きに変わる。
テキパキと係員に的確な指示を出し、捜査中の刑事仲間に連絡をしている。
最後に[ 観覧車 ]に乗車した乗客が降りて来た事で[ 観覧車 ]は警察の手により立ち入り禁止となった。
シュンシュンは何時の間にか陰陽師の格好に戻っていた。
容姿も男に戻っている。
早業過ぎるだろ!!
霄囹
「 さてと、誘拐犯へカチコミに行くぞ、マオ! 」
マオ
「 カチコミって──。
子供が何処に居るのか分かるのか? 」
霄囹
「 あぁ──。
≪ 異界 ≫に連れ込まれたんだ 」
マオ
「 ≪ 異界 ≫って事は、怪異の仕業って事かよ?! 」
霄囹
「 そう言う事だ。
≪ 異界 ≫ではぐれると厄介だからな。
これを手首に付けとけ。
必ず僕等を引き合わせてくれる 」
マオ
「 有り難な、シュンシュン 」
シュンシュンから手渡された紐を左手首に通す。
シュンシュンは御札を持ってブツブツと唱えている。
シュンシュンの前でバチバチと音が鳴り、カラフルな光がチカチカとスパークしている。
霄囹
「 チッ!
なんて頑丈に封じてやがるんだ!
こんなに開け難い≪ 異界 ≫は初めてだ── 」
マオ
「 シュンシュン、大丈夫なのか? 」
霄囹
「 マオ、共同作業だ!
魔具刀を空間の穴へ入れろ。
込めた魔法を≪ 異界 ≫に放出しろ! 」
マオ
「 分かった! 」
オレは魔法のポーチから魔具刀を取り出すと、魔法を纏わせながら空間にポッカリと空いた穴に魔具刀の半分を入れる。
魔具刀に纏わせた大量の魔法を発動させた。
その反動なのか穴の周囲に亀裂が入る。
霄囹
「 良くやった、マオ!
式神召喚っ!!
結界を壊せぇ!! 」
シュンシュンに召喚された細長い式神の体が膨張していく。
まるで風船みたいだ。
穴の周囲に出来た亀裂が広がり始める。
ミチミチと音が鳴り始めると、結界がパリパリと解除されて行く。
漸く≪ 異界 ≫への入り口が開いた。
マオ
「 なんか……おどろおどろしい不気味な雰囲気だな…… 」
霄囹
「 子供達を助けに行くぞ 」
マオ
「 おぅ! 」
霄囹
「 この中には誰も入れるな。
入ったら最後、巣食ってる怪異に喰われるからな 」
喬嵜刑事
「 この穴は…どうするんですか?
このままにしておくんですか? 」
霄囹
「 式神を1体、壁として置いて行く。
式神を押し退けて入るんじゃないぞ。
漸く、出番だぞ、高速ババァ! 」
マオ
「 あのめちゃんこ足の速い式神を使うのか? 」
霄囹
「 そうだ。
グズグズしてられないからな。
行くぞ! 」
シュンシュンとオレは≪ 異界 ≫へ入った。
◎ 訂正しました。
ハチミチバター味だよ 」─→ ハチミツバター味だよ 」
ハチミチバター味のポップコン ─→ ハチミツバター味のポップコン
ターボババァ! 」─→ 高速ババァ! 」




