⭕ イルミネーションに願いを 1
──*──*──*── 某日
──*──*──*── とある駅前
オレはセロと一緒に買い物に出掛けていた。
セロが「 ホットケーキを食べたい 」って言うから、材料を買う為に──。
生憎とマオキノ,セノコンは今日の午後から≪ キノコン王国 ≫へ帰省している。
だから当分の間、久し振りにセロと2人暮らしになる訳だ。
駅前に来るとイルミネーションがキラキラと輝いている。
マオ
「 セロ──、見てみろよ。
イルミネーションが綺麗だな! 」
セロフィート
「 はいはい。
そうですね 」
マオ
「 投げやり!
何だよ、その如何にも『 どーでもいーです 』感を含んだような相槌はぁ! 」
セロフィート
「 見慣れてますし 」
マオ
「 確かに見慣れてはいるけど── 」
セロフィート
「 此処を通る度にマオは同じ事を言います。
聞き飽きました 」
マオ
「 だって、何時見ても綺麗じゃないか。
綺麗なイルミネーションを見て “ 綺麗 ” って言って何が悪いんだよ! 」
セロフィート
「 イルミネーションならセノコン,マオキノが張り切って作ってましたし 」
マオ
「 それも昨日、片付けちゃったじゃないかよ。
クリスマスが終わったら大抵のイルミネーションは撤去されちゃうだろ。
イルミネーションが残されてるのは、この駅前しか無いんだぞ。
此処のイルミネーションだって何時見納めになってもおかしくないんだぞ。
もう2月の末だし── 」
セロフィート
「 はいはい。
そうですね 」
マオ
「 セロぉ~~~~ 」
セロフィート
「 マオはイルミネーションが好きですね。
何か願い事はしました? 」
マオ
「 願い事ぉ?
イルミネーションに願い事なんてしないだろ。
七夕の短冊じゃあるまいし。
聞いた事も無いよ 」
セロフィート
「 そうです?
意外と浪漫が無いですね 」
マオ
「 浪漫って── 」
セロフィート
「 七夕の短冊に願いを込めて書いたからと言って叶う訳がないにも関わらず、時代が変わっても七夕の短冊に願いを書いて飾る不思議な風習が風化せず後世に続いているのは、人々が浪漫を感じているからです。
流れ星に願いを唱えても叶う訳がないのに、“ 願いは叶う ” と信じられ、現在でも流れ星に願いを唱える人が存在するのも浪漫を感じているからです。
人間には各々に合った様々な潤滑油が存在します。
浪漫も人生の潤滑油です。
浪漫に焦がれると渇いた人の心も水を得た魚のように潤うのです 」
マオ
「 それ、本気で言ってるのか? 」
セロフィート
「 さて、どうでしょう?
ワタシはマオに浪漫を忘れない心を持ち続けてほしいだけです 」
マオ
「 根拠も無いのにそれっぽい事を最もらしく言うんだから── 」
セロフィート
「 吟遊詩人とは例え虚偽であってもまるで事実のように伝え、弘める者です 」
マオ
「 それはやっちゃ駄目な事だろぉ!
詐欺師じゃないかよ~~ 」
セロフィート
「 時代に依っては、吟遊詩人と書いて “ さぎし ” と読む場合も有ります 」
マオ
「 どんな時代だよ…… 」
セロフィート
「 仮に願い事をするなら、マオはどんな事を願います? 」
マオ
「 えぇ~~~~。
いきなり振られても困るよ…… 」
セロフィート
「 教えてください、マオ 」
マオ
「 もぅ~~。
セロには叶わないなぁ…… 」
セロってば、時々無茶な事を言い出すんだよなぁ~~。
イルミネーションに願い事かぁ…………。
セロは笑顔を絶やさないでニコニコしながらオレを見ている。
何か──、願い事らしい何か──、無いかなぁ~~。
オレは暫く1人で悶々と悩んだ。
とある事がフッ──と頭に浮かんで来た。
オレは咄嗟にその事を口走っていた。
マオ
「 随分と昔にさ【 ポケ○トモンスター 】ってゲームが流行ってさ、子供だけじゃなくて大人も巻き込んで凄かった時代があったろ 」
セロフィート
「 “ 平成 ” と呼ばれていた時代ですね 」
マオ
「 そう!
ゲームだけじゃなくて、アニメも始まって更に人気が出て、社会現象にもなったの覚えてるか? 」
セロフィート
「 覚えてます。
《 セロッタ商会 》も少なからず携わってましたし 」
マオ
「 そうだったのかよ。
全然気付かなかったよ 」
セロフィート
「 人気作品に肖り、ガッポリするのは商売の基本です 」
マオ
「 そだな…… 」
セロフィート
「 それで?
【 ポケ○トモンスター 】が願い事です? 」
マオ
「 違うよ。
社会現象になる程人気だって事を教えてもらったのは、ブームが去った後なんだ。
シュンシュンがさ、映画を宣伝するCM特集を見せてくれた事があったんだ!
その時にさ、【 ポケ○トモンスター 】に興味の無いオレでもワクワクしちゃったCMが有った訳だよ! 」
セロフィート
「 ははぁ…。
どんなCMです? 」
マオ
「 うん!
2作目の映画を紹介する告知CMなんだけど──、ル○アって名前のポケモンがカッコ良く海から登場してさ、逆光を浴びながら、主人公とピカチ○ウに向かって胸熱な台詞を言うんだよ!!
『 命を懸けて掛かって来い! 』ってさ~~!!
ル○アの姿もカッコ良いし、声も凄く良くてさ、鳥肌立っちゃたくらいでさ!
まぁ、ポケモン映画の放映が終わって30年過ぎてたからさ、映画は見てないんだけど…… 」
セロフィート
「 マオは【 ポケ○トモンスター 】の映画が観たいです? 」
マオ
「 全然だよ。
オレが好きなのは時代劇だからさ。
シュンシュン情報なんだけど、告知CMの内容を期待して映画館へ足を運んでさ、『 あの映像を大画面で見れるんだ! 』って期待してワクワクしながら映画を見た御客って多かったみたいなんだけどな、放映された映画に告知CMのシーンなんて全く無かったし、ル○アの胸熱な台詞も無かったらしいんだよ。
鯔のつまりさ、大々的に期待していたファン達の純粋な心を弄んで騙した罪深いCM詐欺をブチかました訳だよ 」
セロフィート
「 ははぁ… 」
マオ
「 映画のCM詐欺なんて他にも有ったらしいし、特別に珍しい事でも無いらしくてさ、逆にCM詐欺を全面に出したり、話題にして周知させる戦略も有ったらしいんだ。
CM詐欺を上手く利用して、盛り上がって大成功してる映画も有ったみたいだし 」
セロフィート
「 つまり? 」
マオ
「 【 ポケ○トモンスター 】に興味の無いオレだけどさ、今でも【 ル○ア爆誕 】の詐欺CMが “ 大好き ” って事だよ! 」
セロフィート
「 それは願い事になってないです 」
マオ
「 そ…そうかな?
まぁ、オレの1番の願い事なんて決まりきってるし 」
セロフィート
「 どんな願い事です? 」
マオ
「 セロと一緒に楽しく幸せに毎日を過ごす事だよ!
オレにとってセロは、オレの人生を照らしてくれる希望の光だからな! 」
セロフィート
「 マオ……(////)
君は嬉しい事を言ってくれますね。
マオの想いに応えたいです 」
マオ
「 セロぉ~~(////)
セロとイチャイチャ出来たらオレは幸せだよ 」
セロフィート
「 ふふふ…。
今夜は『 いいこと 』しましょう 」
マオ
「 良いのか? 」
セロフィート
「 勿論です。
随分と御無沙汰してますし、『 いいこと 』しましょう 」
マオ
「 セロぉ~~(////)
愛してるよ♥️ 」
セロフィート
「 知ってます♪ 」
セロと手を繋いで駅前を通り過ぎる。
セロったら積極的に貝繋ぎしてくれちゃって──(////)
セロと『 いいこと 』楽しみだぁ~~♥️
◎ 訂正しました。
≪ キノコンタウン ≫ ─→ ≪ キノコン王国 ≫




