✒ 天狗様の子 8
──*──*──*── 客間
何や彼や有って、頑ななシュンシュンを説得したオレは、敵意を抱いてない天狗さんを結界から解放してもらった。
天狗さんは背中の翼を消す事は出来ないけど、縮める事は出来るらしい。
背中の翼を縮めてもらった天狗さんには、キノコンが仕立ててくれた衣類を着てもらう事にした。
天狗さんには洋服よりも和服が似合うみたいだ。
キノコン
「 こんな感じで如何ですかエリ 」
マオ
「 流石だよ、キノコン!
天狗さんに似合う和服を仕立ててくれて有り難な 」
キノコン
「 痛み入りますエリ(////)」
霄囹
「 プロも顔負けな仕上がりだな。
然も、美男子じゃないよ。
依頼主に押し倒されない様に気を付けろよぉ~~ 」
シュンシュンはニヤニヤしながら意地悪な事を言う。
マオ
「 シュンシュン! 」
霄囹
「 そんな顔するなよ。
『 兄弟を産んであげたいのん♥️ 』って迫られるかも知れないだろ。
神通力が使える子供が増えれば、稼ぎも倍増するからな。
我が子をダシに使って稼ごうとする女だぞ。
有り得ない話じゃないさ 」
マオ
「 それはそうかも知れないけど…… 」
キノコン
「 マオ様、キノコンが確りと見張りますエリ。
天狗さまの身に危険が及んだ際には胞子を飛ばして妨害しますエリ★ 」
マオ
「 胞子を飛ばすのは止めような。
人間には有害だからさ 」
キノコン
「 分かりましたエリ。
ワンパンで妨害しますエリ★ 」
マオ
「 武力を行使するのも駄目かな! 」
キノコン
「 エリ~~…… 」
霄囹
「 キノコンが好戦的な怪物だって事を忘れてたな 」
マオ
「 容姿が可愛いからなぁ~~。
天狗さんの護衛はキノコンの分身体に頼もう。
分身体なら攻撃力も落ちる筈だし── 」
キノコン
「 分身体の攻撃力は本体の攻撃力と変わりませんエリ。
分身体が弱かったら使い物になりませんエリ 」
マオ
「 えっ…………でもオレは分身体は “ 本体よりも弱くなる ” って聞いたけど? 」
キノコン
「 エリ?
………………………………テヘペロりんりん丸エリ♥️
これ秘密事項でしたエリ★ 」
マオ
「 そっかぁ~~秘密事項だったんだなぁ~~ 」
キノコン
「 聞かなかった事にしてくださいませエリ 」
マオ
「 良いよ! 」
霄囹
「 プライベートが無いんじゃなかったかぁ?
セロフィートにバレるから無理だろ 」
マオ
「 うぐ…… 」
霄囹
「 そんな事より、依頼主が子供を連れて戻って来る迄、時間が有るから作戦会議するぞ 」
マオ
「 そだな!
なんて切り出そうか? 」
シュンシュン,天狗さん,キノコン,オレで依頼主と依頼主家族と話す内容と流れを話し合った。
──*──*──*── 食堂
広い[ 食堂 ]に置かれている長方形の食卓を挟んで、話し合いをする為に左右に分かれている。
天狗さん,シュンシュン,オレ,キノコンは依頼主,依頼主家族と向かい合う様に座っている。
オレは陰陽師の助手って事で座っているから、声を発する事はしない。
依頼主,依頼主家族と主で話すのはシュンシュンだ。
シュンシュンは役者も難なく余裕でこなせる口達者だから、心配な部分も有るけど任せても大丈夫だろう。
守銭奴なシュンシュンは、ぼったくる為に依頼人を丸め込んで騙す話術はセロ並みだからな!
何て事をオレが1人で思っている間に、シュンシュンの話は天狗さんの紹介に入っていた。
シュンシュンに説得された設定で、天狗さんは≪ 天狗の里 ≫に子供を連れて帰る事を止めても良い事──。
代わりに屋敷に住み込み、子供に神通力の制御方法を教える事──。
神通力とは何なのか──。
何故、神通力の制御方法を覚える必要が有るのか──。
制御を怠り、暴走した神通力の恐ろしさ──等々を誠意を持って丁寧に伝えた。
シュンシュンと天狗さんの説明を黙って聞いていた依頼主,依頼主家族は明らかに困惑していた。
様々な質問が依頼主,依頼主家族から出される。
質問に対しては、天狗さんが丁寧に答えてくれる。
話を聞いた依頼主,依頼主家族は席を立つと[ 食堂 ]に子供だけを残して出て行った。
「 子供をどうするか 」って話し合いでもしているんだろうか。
天狗さんの話を聞いた限りでは、子供の神通力で “ 金儲けをする事は難しい ” って事が分かる。
金儲けに利用の出来ない子供を態々屋敷に置いて育てるなんて事を選ぶだろうか??
お腹を痛めて産んだ我が子だし、簡単に手離したりしないで、母親として子供を慈しんで育ててほしいと思うオレが居る。
子供だって未だ幼いし、母親と離れては暮らしたくないんじゃないかな?
残された子供はキノコンに興味津々で楽しそうに戯れている。
どうやら子供はマスコットみたいに可愛いキノコンを気に入ったみたいだ。
暫くすると話し合いを終えたのか──、依頼主,依頼主家族が[ 食堂 ]に戻って来た。
椅子に腰を下ろして座る依頼主と依頼主家族。
依頼主である子供の母親が口を開く。
依頼主の口から紡がれた言葉は、まさかの「 子供を≪ 天狗の里 ≫へ連れ帰ってほしい 」だった。
「 神通力を暴走させた子供が人間を喰べる化け物に変わると知った以上、一緒には暮らせない 」ってのが理由だ。
そうならない為に神通力の制御方法を天狗さんが教えてくれる──って事をオレからも伝えてみたけど、依頼主から拒否られた。
「 教えるなら此処じゃなくて、連れ帰ってから教えてください。子供を連れて、お引き取りください 」と言われてしまった。
シュンシュンは「 報酬さえ確り支払って貰えるなら、さっさと退散させる 」って事を依頼主に伝えるんだから、ちゃっかりしている。
依頼主は執事に指示を出すと用意していた報酬を持って来させる。
報酬を受け取り確認したシュンシュンは嬉しそうだ。
天狗さんを退治しないで報酬が貰えた訳だから、シュンシュンも喜んでいるんじゃないかな?
そんなこんなで、シュンシュンが受けた依頼は無事に解決した。
母親から子育てを拒否されてしまった子供は可哀想だけど、天狗さんは当初の目的を果たせる訳だから安堵しているみたいだ。
子供がキノコンに懐いている事もあり、キノコンも一緒に≪ 天狗の里 ≫へ行く事になった。
子育てに関してはキノコンに一任すれば間違いはないだろう。
キノコンなら≪ 天狗の里 ≫でも直ぐに打ち解けて仲良く出来ると思う。
キノコン
「 マオ様、行ってきますエリ 」
マオ
「 キノコン、頼むな 」
キノコン
「{ セロフィート様の為に≪ 天狗の里 ≫を治める長になってみせますエリ! }」
マオ
「 野心がメラメラしてるな。
≪ 天狗の里 ≫の天狗さん達と仲良くな? 」
キノコン
「 お任せくださいませエリ。
{ ジワジワとキノコンへの依存度を上げていきますエリ★ }」
マオ
「 ははは…… 」
キノコンは逞しいな。
≪ 天狗の里 ≫をセロに献上する気満々だよ……。
天狗さんにも感謝と御礼を言われる。
シュンシュンとオレは≪ 天狗の里 ≫へ向かう天狗さん,キノコン,子供を見送った。
マオ
「 一件落着だな! 」
霄囹
「 僕等も帰るか。
式神を出すから離れてろ 」
シュンシュンは使役している飛行タイプの式神を召喚してくれた。
式神はオレが背中に乗り易い様に低く屈んでくれる。
シュンシュンの主人だからか、オレには優しいんだよな(////)
式神の背中に乗ると、式神は左右の翼をバッと広げる。
宙に浮いた式神は、大きな翼を羽ばたかせながら、ゆっくりと上昇してくれる。
目指すのは≪ 東京都米●市米●町米●横丁 ≫に有る《 陰陽師4事務所 》だ。
霄囹
「 落ちない様に気を付けろよ! 」
シュンシュンの言葉を合図に式神は風を切って飛び始めた。
何処迄も果てしなく続きそうな雲海の上を式神が飛んでくれる。
空の散歩、最高ぉ~~~~(////)




