⭕ 天狗様の子 4
──*──*──*── 食堂
霄囹
「 マオ、此処が[ 食堂 ]だ。
[ 食堂 ]の奥は[ 厨房 ]だ 」
マオ
「 うわぁ……まるで貴族の屋敷並みに広い[ 食堂 ]だな。
狭くて良いのに無駄に広ろぉ~~ 」
霄囹
「 マオは見慣れてるだろ 」
マオ
「 まぁな~~。
でもオレは広い部屋は好きじゃないよ。
こじんまりとして狭い部屋の方が好きなんだ 」
霄囹
「 皇子様は貧乏性かよ 」
マオ
「 狭い部屋ならセロと離れなくて済むだろ。
広い部屋なら剣の素振りには困らないけど── 」
霄囹
「 室内で素振りをするな 」
マオ
「 王城の部屋の広さを軽んじるなよ!
10人用のキャンプテントが4つも余裕で入っちゃうくらい広いんだからな!
1人で居ると孤独感を犇々と感じるんだ 」
霄囹
「 孤独感ねぇ。
兎に角、食事を用意してもらおう 」
マオ
「 そだな 」
長い食卓の上にベルが置かれている。
シュンシュンがベルを掴んで音を鳴らすと、メイド服を着た人が出て来た。
メイド
「 お待たせしました 」
霄囹
「 夕食を2人分頼む 」
メイド
「 畏まりました。
座って御待ちください 」
マオ
「 メイドさんが居るんだな 」
霄囹
「 料理が来る迄、作戦会議するぞ 」
シュンシュンがオレの為に椅子を後ろに引いてくれる。
あの誰よりも自分最優先のシュンシュンが、オレの為に椅子を引いた!?
シュンシュンってば、一体何を企んでるんだ?!
霄囹
「 何突っ立ってるんだ。
僕が態々椅子を引いてやったんだぞ。
さっさと座れ 」
マオ
「 あ…うん……有り難な、シュンシュン 」
霄囹
「 鳩が豆鉄砲食らった様な顔してんな 」
ニヤッと悪者っぽく笑ったシュンシュンに促される。
オレが椅子に座るのを確認したシュンシュンも椅子に座る。
シュンシュンはオレと向き合って話すつもりなんだろう。
オレと食卓を挟む形で向かいに座る。
霄囹
「 さて、天狗が現れたら先ず、何をする? 」
マオ
「 挨拶をするかな 」
霄囹
「 阿呆かよ。
平和ボケし過ぎだぞ、マオ 」
主人のオレに “ 阿呆 ” なんて言うのは、シュンシュンとキギナくらいだな!
マオ
「 挨拶は大事だろ。
敵意が無い事を相手に伝えて、安心してもらわないと、天狗の話を聞けないかも知れないじゃないか 」
霄囹
「 お前は本当に甘ちゃんだな!
危機感が無さ過ぎるぞ!
良いか、先ずは結界を発動させる。
天狗の逃げ道を塞ぐんだ。
次に天狗をがんじがらめに縛り、妙な事が出来ない様に天狗の動きを封じる。
此方が確実に主導権を握り、天狗に企んでる事を吐かせるのさ 」
マオ
「 いや、それ、やり過ぎだし、駄目だろ!
天狗に対して、敵意を剥き出しじゃないかよ 」
霄囹
「 依頼主はな、天狗を退治する事を希望してるんだ。
なるべく希望に添うやり方をしないと疑われるだろ 」
マオ
「 だからって──。
結界はシュンシュンが張るんだよな?
お手柔らかにな 」
霄囹
「 手加減なんか出来るかよ。
天狗を語ってる異形かも知れないし、依頼主が勝手に天狗だと勘違いしているだけかも知れないだろ。
依頼主の戯言を鵜呑みには出来ない。
油断はしないに限るんだ 」
マオ
「 確かに油断は禁物だけど……。
セロが居ないから、可能な限り穏便に済ませたいんだけどなぁ 」
霄囹
「 僕はセロフィートに10分の9も能力を封じられてるんだぞ。
穏便に何て済ませられるかよ 」
マオ
「 シュンシュンは相変わらず好戦的だな 」
霄囹
「 まぁ、余程の馬鹿か知能の低い奴じゃなければ、マオに攻撃はしない筈だ 」
マオ
「 何でだ? 」
霄囹
「 セロフィートの事だから、マオに結界魔法でも掛けてるだろう。
結界魔法ってのは、怪異にも異形にも見えないが、良く良く観察してると分かるのさ 」
マオ
「 オレには分からないけどなぁ 」
霄囹
「 本人にバレたら意味無いだろ。
セロフィートの性悪さは誰よりも知ってるだろ 」
マオ
「 シュンシュン、セロが居ないからって言い過ぎるなよ。
何処にキノコンが忍んでて、聞かれてるか分からないんだからさ。
オレにはプライバシーが無いも当然だからさ 」
霄囹
「 嬉しそうに言うなよ…… 」
マオ
「 セロがオレに対して過保護な事が、一寸嬉しかったりするんだ(////)
監視役でキノコンを付けてくれてるって事はさ、オレに対して “ 無関心じゃない ” って事じゃんか 」
霄囹
「 監視役を “ 見守り役 ” って脳内変換するな。
ストーカーの域を越えてるぞ 」
マオ
「 忍んでるキノコンは “ ストーカー ” じゃなくて、オレの “ 専属SP ” って思う様にしてるんだ 」
霄囹
「 完全に洗脳されてるじゃないか。
恐ろしいねぇ、古代魔法ってヤツは! 」
マオ
「 セロはオレの記憶を古代魔法で弄ったりしてないよ! 」
霄囹
「 どうだかな。
そんな事より、この屋敷は広いからな。
万が一の事を考えて、結界を5重掛けしとく。
入って来るのは容易が、簡単には出られないぞ。
クックックックッ…… 」
マオ
「 シュンシュンは本当に悪い顔が似合うよな 」
霄囹
「 地面に降り立ったら、鎖で拘束してやろう。
翼は斬り落とすか? 」
マオ
「 其処迄しないって! 」
霄囹
「 そうか?
何時でも魔具刀を出せる様にしとけよ!
ちゃんと衣装も用意してるから、明日は衣装を着るんだぞ 」
シュンシュンが言うと忍んで何処かに潜んでいたキノコンが現れる。
笠をパカッと開けたキノコンが衣装を出して見せてくれる。
マオ
「 ………………紅白??
退魔師の衣装じゃないんだ? 」
霄囹
「 今回の為にキノコンが特別に用意したんだと 」
マオ
「 キノコンが? 」
キノコン
「 はいですエリ。
マオ様の黒髪で作ったズラも用意していますエリ 」
マオ
「 ズラぁ??
ズラを被るのか?
って事は、オレに女装をしろと? 」
キノコン
「 マオ様と離れている眷属達へサービスしてくださいませエリ 」
マオ
「 サービスって── 」
キノコンは衣装を笠の中へ入れると再び姿を消した。
霄囹
「 アッハハハハ!
眷属へのサービスだってさ!
マオの女装が好きな眷属って多いよなぁ~~ 」
マオ
「 シュンシュン!
オレは女装なんてしたくないんだよ! 」
霄囹
「 ズラ被ったくらいで満足してもらえるなら良いじゃないか。
マオの息災が眷属の活力源になるんだ。
確りサービスしてやれよ! 」
マオ
「 他人事だと思ってぇ…… 」
“ 作戦会議 ” とは名ばかりの雑談に近い話のような気がするのはオレだけかな?
食事が運ばれて来て、食卓に並べられる。
出来立ての料理だ。
話は後回しにして、料理を味わう事に集中する事にした。
デザートを食べ終わった後は、シュンシュンと一緒に用意されている部屋へ向かった。
◎ 訂正しました。
監視役を “ 見守り役” って ─→ 監視役を “ 見守り役 ” って
キノコンは“ ストーカー ” じゃなくて、─→ キノコンは “ ストーカー ” じゃなくて、




