⭕ 天狗様の子 2
マオ
「 なぁ、シュンシュン──。
天狗は何時頃、息子を連れ戻しに来るんだ? 」
霄囹
「 明日だ。
僕は今夜、依頼主の家に泊まる事になっている 」
マオ
「 もしかして…………オレも行くのか? 」
霄囹
「 当たり前だろ。
マオは僕の専属助手じゃないか 」
マオ
「 勝手に専属にすんな!
オレが行って迷惑にならないのか? 」
霄囹
「 安心しろ。
助手を連れて行く事は既に伝えて有る。
マオの分の夕食も用意されてる筈さ 」
マオ
「 オレの都合を無視して決めちゃって…… 」
霄囹
「 しょうがないだろ。
公共交通機関を使うにしても交通費が無いんだ。
頼りにしてるぞ 」
マオ
「 集りかよ……。
式神に乗って行けば良いだろ 」
霄囹
「 僕だって偶には新幹線のグリーン車に乗りたいんだよ! 」
マオ
「 ………………新幹線の切符は? 」
霄囹
「 確り頼んであるぞ!
これを食べ終えたら、タクシーで新幹線に乗れる駅へ行くぞ! 」
マオ
「 タクシーで?
飛行タイプの式神に乗って行けば良いだろ。
何で態々タクシーで向かうんだ? 」
霄囹
「 タクシーに乗りたいからに決まってるだろ 」
シュンシュンは遠慮って言葉を知らないみたいに、オレが買ったマックンシェイクに手を伸ばすと当然の様に飲む。
オレが好きなフィッシュマックンを横取りして食べるしぃ~~。
昼食を《 マックンナルド 》で済ませたシュンシュンとオレは、道路でタクシーを拾う。
タクシーに乗車して新幹線に乗れる駅へ向かった。
──*──*──*── 駅
──*──*──*── プラットホーム
──*──*──*── 新幹線
シュンシュンと一緒に新幹線のグリーン車に乗車する。
切符に書かれている座席に腰を下ろして座る。
シュンシュンは当然の様に窓側の座席に腰を下ろす。
シュンシュンには窓側の座席を “ 主人に譲ろう ” っていう気持ちは微塵も無いみたいだ。
マオ
「 シュンシュンらしいな…… 」
霄囹
「 何がだよ? 」
マオ
「 別に…… 」
霄囹
「 何だよ、気になるだろ。
はっきり言え 」
マオ
「 言っても無駄だろ?
因みに何処まで行くんだ? 」
霄囹
「 新幹線での移動は5時間だ。
古太宮駅で降りるんだ 」
マオ
「 5時間も乗ってるのか。
なら、駅弁でも買って食べてようかな。
発車時間は未だだよな? 」
霄囹
「 50分発だから20分は有るぞ 」
マオ
「 よし!
オレ、駅弁を買って来るよ 」
オレは駅弁を買う為にグリーン車を降車した。
駅弁を販売している店で全種類の駅弁を1つづつ買う。
支払いは勿論、MBKだ。
駅弁を大きめのリュックサックの中に入れる。
このリュックサックはセロがオレの為に用意してくれた魔法の鞄のリュックサック版だ。
どんなに入れてもリュックサックの重さは変わらない。
駅弁を入れ終えたら、新幹線のグリーン車に乗車する。
シュンシュンが座っている座席に腰を下ろして座る。
マオ
「 何とか間に合ったぁ~~ 」
霄囹
「 ギリギリだったな。
5分で発車だぞ 」
マオ
「 色んな駅弁が有ってさ、選びきれないから全種類を買って来たんだ。
早くて景色は楽しめないけど、駅弁を楽しむとするよ 」
霄囹
「 買うのは良いが、駅弁ゴミはどうするんだよ 」
マオ
「 フッフッフッ──。
こんな事も有ろうかと、セロからスライムを借りて来たんだ! 」
霄囹
「 スライムだとぉ? 」
マオ
「 人間にも無害なスライムだよ。
ゴミを体内で消化してくれるんだ 」
霄囹
「 あぁ──、旅に1体居ると便利なヤツな! 」
マオ
「 シュンシュンは5時間も何するんだ?
駅弁はあげないぞ 」
霄囹
「 要るかよ。
僕は今、ハマってるアプリゲームが有るんだ。
それをしてたら5時間なんて直ぐだ 」
マオ
「 囲碁ゲームか? 」
霄囹
「 残念だな!
囲碁ゲームじゃないぞ!
歴代の魔法少女達が登場するゲームなんだ! 」
マオ
「 歴代の魔法少女ぉ? 」
霄囹
「 フフン!
そうだぞ!
可愛い魔法少女達が登場するゲームなんだ!
僕の推しはな── 」
マオ
「 オレ、魔法少女には興味無いから── 」
霄囹
「 僕が可愛い魔法少女達について語ってやるんだぞ。
駅弁を食いながら聞けば良いだろ 」
マオ
「 …………………………分かったよ…… 」
霄囹
「 そう来なくっちゃな!
それでこそ、僕の専属助手だぞ、マオ★
心して聞け♪ 」
やれやれだ……。
シュンシュンは御機嫌宜しく嬉しそうに魔法少女の話を勝手に始めた。
然り気無く助手を “ さいふ ” って呼んでるしぃ~~。
はぁ…………まぁ、シュンシュンが楽しそうだから良いか……。
──*──*──*── 5時間後
駅弁を食べ終えたオレは、駅弁の空箱をスライムに食べてもらっている。
スライムは人間にバレない様に鞄の中に入れて隠している。
新幹線が目的の駅に停車した。
シュンシュンとグリーン車を降車すると改札口を目指してプラットホームを歩く。
マオ
「 シュンシュン、駅を出たらタクシーで依頼主の家に向かうのか? 」
霄囹
「 いや、迎えに来てくれる事になってる。
新幹線が発車する前に報告しといた。
待ってくれてるんじゃないか? 」
マオ
「 そうなんだ?
乗せて貰えるのは有り難いな。
そうだ!
改札口を出る前にさ、お土産買いたいよな 」
霄囹
「 好きだなぁ、土産買うの。
早く済ませろよ 」
マオ
「 うん!
行って来る! 」
シュンシュンは[ 待合室 ]へ入って行く。
オレは売店へ走った。
──*──*──*── 売店
駅内に在る売店で、お土産を物色する。
美味しそうな名物品がズラッと並んでいる。
選んでいると時間が掛かるから、量が多いのは1箱,量が少ないのは2箱買う事にした。
支払いはMBKで済ませる。
買った土産はリュックサックの中に入れる。
リュックサックを背負ったら、シュンシュンが待つ[ 待合室 ]へ向かった。
──*──*──*── 待合室
シュンシュンはスマホを触って遊んでいる。
ニヤニヤしちゃって──、一体どんなゲームをしてんだか。
マオ
「 シュンシュン、お待たせ!
お土産買ったよ 」
霄囹
「 何だよ。
もう買って来たのか?
意外に早かったな 」
マオ
「 言い方ぁ~~。
此方は気を使って早目に戻って来たってのに──。
魔法少女のアプリゲームしてるのか? 」
霄囹
「 良く分かったな。
【 魔法少女 ストライクドリーム ~ 魔怪獣Q号 殲滅作戦 ~ 】ってアプリゲームさ。
主人公の新米魔法少女になって、先輩魔法少女達と共に街に出現する魔怪獣をだな、魔法を駆使して討伐するんだ 」
マオ
「 へぇ……。
魔法少女が怪獣を倒すゲームねぇ?
魔怪獣って何だ? 」
霄囹
「 あぁ──、魔女を取り込んだ怪獣の事さ。
怪獣に取り込まれた魔女は怪獣の核になるんだ。
怪獣は魔法を使えないが、魔怪獣は魔法をバンバン使って攻撃して来るんだ。
街に現れた怪獣が魔女を取り込む前に討伐しないと、簡単に詰むゲームさ 」
マオ
「 魔女ねぇ?
怪獣に取り込まれる前に魔女を助けるのか? 」
霄囹
「 いや、魔女も討伐対象さ。
先に魔女が街に出現して、討伐する為に向かうんだが、魔女の元へ向かうのに制限時間が有る。
時間内に魔女の元へ辿り着けないと、街に出現した怪獣が魔女を喰べるんだ。
魔怪獣の元へ向かうにも時間制限が有るんだ。
時間内に魔女の元へ辿り着けないと、魔怪獣は魔法を使って破壊の限りを尽くすのさ 」
マオ
「 とんでもない内容のゲームだな……。
ちゃんと魔怪獣を討伐する事は出来るのか? 」
霄囹
「 課金すれば、強力な魔法を使えるから楽勝だぞ 」
マオ
「 課金しないと魔怪獣を討伐も出来ないのかよ!?
えっぐぅ~~~~ 」
霄囹
「 魔法を課金すると魔法図鑑が埋まって行くんだ。
魔法少女コンプ図鑑,怪獣コンプ図鑑,魔怪獣コンプ図鑑も有るんだ 」
マオ
「 課金地獄にズブズブじゃないかよ…… 」
霄囹
「 真に愛するアプリゲーム信者は課金して楽しむもんさ。
僕は金が無いから無課金で遊ぶけどな! 」
マオ
「 じゃあ、シュンシュンは真に愛するアプリゲーム信者じゃないって事だな。
なのに課金して遊んでるんだ? 」
霄囹
「 マオが支払ってくれるだろ 」
マオ
「 はぁ?
アプリゲームの支払い迄オレにさせる気かよ? 」
霄囹
「 当然だろ!
マオは僕の助手なんだからな! 」
マオ
「 最低だよ、シュンシュン! 」
霄囹
「 フフン!
誉め言葉さ★
マオ、改札口を出るぞ! 」
マオ
「 あぁ…… 」
シュンシュンと[ 待合室 ]を出て、改札口を通る。
改札口にタッチするのは、《 セロッタ商会 》の会員カードだ。
今や《 セロッタ商会 》の会員カードは、公共交通機関でも当たり前に使える様になっている。
前以て会員カードに現金チャージかPチャージをしていれば、タッチした時に支払いがされて、100円に対して2Pが加点される仕組みになっている。
バスから降車する時にタッチしても、自動販売でタッチして支払いをしても100円に対して2Pが加点される仕組みになっている。
普段、買い物する事のない学生も、公共交通機関を利用したり、自動販売で支払いをするだけで、Pを貯める事が出来る訳だ。
改札口を出たら、階段を駆け下りる。
エスカレーターを使って下りたかったけど、長い行列が出来ていた。
諦めて階段を使う事にした。
かなり長い階段だ。
階段を下りると、シュンシュンが「 着いて来い 」って言う。
どうやら既に待ち人が来ているらしい。
◎ 訂正しました。
フッシュマックン ─→ フィッシュマックン




