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サラリーマンの異世界奮闘記(仮)  作者: アリス工房(仮)
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65.冒険者の本質

いつもお世話になりますアリス工房(仮)です

支援部隊のエルフさんに王都へ先に戻る事を伝え移動を開始する。途中作戦本部がある山の麓に寄り、るるえもんを回収し王都へ向かった。


前線部隊で暴れ回った異世界の勇者様は戦いの後始末をするべく占領されていた町へ何名かの騎士を引き連れて様子を見に動く。一応、何かあった時の為にお互い念話で連絡するのを約束をし別行動を取る。


疲れた体に鞭を打って飛翔魔法を駆使する事数刻、宿屋に到着した俺達はチェックインだけしてユーリちゃんご希望の昼食を取るべく王都で評判が良い飯処へ腹ペコ姫を先頭に引きずられるかの如く連れて行かれた。


「ここのご飯屋さんは騎士さんに進められた人気のお店です。お昼時はかなり混雑します。早くしないと良い席が取れないので皆さん急ぎましょう」


城での一件以来、騎士団のエルフと仲良くなったお子さまは町で人気の飯処を教えて貰ったのかその足取りに迷いがない。ファイター様は食への探求心がマジパネです。


「ちょっとユーリちゃん。そんなに急がなくてもお店は逃げないわ。もう少しゆっくり歩いて頂戴。おねいさんはもうクタクタよ」


お母さんを引っ張る娘っ子の絵ズラは何とも微笑ましい。その横ではニコニコ顔でついてくる天使さんは俺に念話を飛ばしてくる。


(この後はどうされるのですか?)


(先ずは会社に報告だな。作戦の成功と借り受けたアイテムの返却。それから、報告書の作成とやることだらけだ。お前は上司に連絡しないのか?)


(主様には先ほど報告致しました。恐らくナツメさ…さんの会社にも連絡されていると思います)


(そうか、それはありがたい)


ジーーーーーーー!


俺とルルベルを交互に見合うおねいさんはジト目で仰る。

「二人はおねいさんをのけ者にして秘密のおしゃべりをしているのかな?」


「それはいけないのです。私にも教えて下さい」

便乗するお子さまも振り返って話に加わる。


「別に対した事話してませんよ。なあ?」


「そ、そ、そうです。世間話をしておりました」


「ふ~ん」


久しぶりの超至近距離での圧迫尋問!何で俺だけ疑われるのだ?この後、冷や汗をダラダラ流しながら必死に誤解を解くのであった………………理不尽すぎる。


ベトナム料理のフォーに似た米粉を使った料理が有名なこのお店は大変混雑していて、若者?かどうかは見た目では判断しづらいが女子率が非常に高い。


案の定お昼時と重なって順番待ちを余儀なくされた我々は三十分程待たされ漸くテーブル席を確保できた。


魔石を使ったライトアップがオレンジ色の光を灯す。何処かアジアンテイストが漂う造りはカウンターとテーブル席に分かれている。人気店だけあり、給仕を勤める見た目が中学生くらいにしか見えないエルフの女性数人が忙しそうに動き回っている。


その中の一人に声を掛けると、営業スマイル全開の元気そうなエルフさんがやってくる。長めのポニーがお似合いなエルフさん。「ちっちゃくないよ!」と言う言葉が ピッタリなスタッフさんに注文を頼んで、暫くは他愛のない会話をしながら待っている。 見習いバッチをつけた家出娘や刀を帯刀しているお姉さんはイナイ様だ。


お子さまはチャレンジメニューと証したフォーを注文すると、心なしか店の中にいるお客がザワめいた。


待たされる事数十分。テーブルに置かれた料理を見て度肝を抜かれた。一体何人前あるのだと言わんばかりの特大のフォーを前に早くも戦闘態勢に入ったお子さまは食べる気満々だ。


「これは、食べ応えがありそうです。私も気合いをいれないといけません」

口に水を含んだ食のプロはルーティーンを欠かさない。


「制限時間は二十分!完食したら賞金がでますが、失敗した場合は三百ロンの支払いとなりますのでご了承願います。それでは……スタートです」


明滅する魔石をテーブルに置いたエルフさんの掛け声とともに始まった戦い。どうもこの世界の砂時計的な役割をもつ石は赤く光ると制限時間に達するらしい。


そんな考えをしていると、勇猛果敢に戦いを挑んだファイター様は特大の器にてんこ盛りにされたフォーに似た汁物を恐ろしい早さで食べている。ある種、芸術的なまでの食べっぷりに徐々にギャラリーは増え始める。


時間にしておよそ十五分!余裕を持って汁まで完食したプロは満足顔で空の器を掲げるとそれに呼応するかの様に大歓声が沸き起こる。これは後で聞いた話だがこのチャレンジメニューを完食した強者は過去にいないらしく、ユーリちゃんが初めてらしい。


お店のスタッフさんや店の中にいたお客もその食べっぷりに大いに盛り上がり、ここでもお約束とも言うべきか!しっかりと胴上げされているユーリちゃんは王者の貫禄が伺える。


食事をしながら今後の事について打ち合わせをするつもりで訪れたが、それ所では無さそうだ。それにしても良く考えたら朝食を食べた後シュークリームを百五十個程食べてたよな………あいつ。

恐るべしフードファイターユーリちゃん!


結局マトモな会話も出来なかったが、チャレンジメニューの完食と言う栄光をつかみ取ったお子さまはこの後フォーの普通盛りを更に二杯食べる!店のスタッフ含めお客さんは更に驚いた。


この事が切っ掛けとなったのか、王都では空前のデカ盛りメニューが流行りだし多くのファイターが現れる。食の絶対王者と呼ばれる様になったユーリちゃんの活躍はまたの機会に語りたい。


「結局宿に戻ってきちゃったわね」

優雅に食後の紅茶を飲みながら足を組み替える仕草が今日も大変お美しいおねいさんは微笑する。


「ううっ。すみません。目立つつもりはなかったのですが、あそこまで盛り上がるとは思いませんでした。ですが、流石はオススメされたお店です。雰囲気もさる事ながら味も抜群でした」


「いいのよ。ユーリちゃんは悪くないわ。見ていて楽しかったわよ」

頭を撫でられて輝かんばかりの笑顔になるユーリちゃん。


「でっ!結局宿での話し合いになるのは解ったのですが、何でみんなベットに居座っているんですか?この部屋一応テーブルと人数分のイスありますよね」


「この部屋で一番落ち着くのは此処では無いかと思います」

女の子座りでニコニコ会話する天使さんは当然とばかりに枕を抱き抱えながら会話する。


ユーリもちゃっかり食後のデザート(お饅頭)を食べながら人のベットで寝ころんでいる。


「こらっ!行儀が悪いぞ。布団の上で物を食べるんじゃありません」


「うにゃ!」

変な声をあげながら飛び上がったお子さまは正座に切り替わった。


「あら、私もベットで紅茶を飲んでいるわ。お行儀悪いかしらね」


「……おねいさんは………問題ないです」


「むー。ミランダさんだけズルいです」


「そ、そんな事よりこれからの話をしましょう」


「ナツメさんが話を変えたー」

ブーブー文句を言うお子さまは無視して話を進める。おねいさんに注意するなど恐ろしくて僕には出来ません。


「移動要塞を撃破した後の事よね。今後、私達はどのように手助けして行くか?それについて何か考えがあるのかしら?」


「そうですね、団長さんの話によれば敵の本体は大陸の東側中央端。丁度国境付近にある場所を占拠しています。そこを目指すのがセオリーに感じますが、相手の数や強さ等も不明だし無闇に特効を掛けるのは得策ではありませんね」


「その辺はユリシーズ様との話し合いで決めるのでしょうか?」


ルルベルの質問に答える。

「そうなるな。ただ、一つ引っ掛かる事がある」


「それは何かしら?」


「はい、魔族の行動です。俺がもし相手の立場であればアレほどの移動要塞を所持していたならばそのまま進軍して速攻で王都を襲撃します。暢気に大陸の端っこで本拠地を構えずどちらかの国へ向かうでしょう。これは推測でしかありませんが、何か別の目的でこの大陸に来ているのでは?と言うのが俺の考えです」


「別の目的………」

暫し黙考する天使さん。首を傾げながら考える姿は幼く見えるが可愛らしい。


「例えば何か探しているとか、心当たりとか無いか?」


「捜し物ですか……………はっ!」

「そう言えばこの大陸に魔王の一部を封印している祠が御座います」


おいおい、随分テンプレ的な流れだな。ビンゴじゃないか………それ。


「軍勢はカモフラージュで、実際は祠の調査と封印の解除が目的。ありえるわね」


「場所はわかるのか?」


「主様に聞けば解ると思います。封印の話は相談しないと何とも言えません」


「それは任せるよ。こうなると、俺達の方向性も決まりそうだな。後は敵本体をどうするかだが、此方はこの大陸に住む者が解決すべきだと俺は思う」


「良い作戦でもあるのでしょうか?」

お饅頭を食べながら聞いてくるユーリちゃん。


「エルフ族と獣人族の連合軍が一番妥当ではないだろうか」


「でも二つの種族は昔から我関せずの所が強く残っております。多少の外交はしておりますが戦いとなると………」



「その辺はこれから提案して見るよ。そうなると獣人国の王都へも行かないと………これはマリンさんと相談かな。先ずは宰相さんと話し合った方が良さそうですね」


やることは多いが何だか見えて来た気がする。魔族が襲来した目的。それから俺達がどう動くか………


テンプレ的な展開大いに結構!俺達は冒険者らしく行こうぜ。そんな考えをしていると、ロゼッタ城からの召還命令を持ったエルフの騎士が宿屋を訪れるのであった。











目標が決まって動き出すサラリーマンは奮闘します。






皆様の暇つぶしに少しでも慣れれば幸いです

それではまた次回

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