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サラリーマンの異世界奮闘記(仮)  作者: アリス工房(仮)
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64.ダンゴ虫争闘作戦 後編

いつもお世話になりますアリス工房(仮)です

大声で叫びながらも全ての闇を吸収した異世界の鏡は…………………




ーーーー俺とともに健在するのであった。


異世界から借り受けたアーティファクトとも呼べる道具!


ミノリンの鏡という何とも可愛らしい名前の魔導具は、どんな攻撃も一度だけ無効にするトンデモナイ代物だ。斎藤の嫁さんの実家に代々伝わる道具で、今回偶然にも借受けられた。ただし、移動要塞の二度目の攻撃は防げない。




「あぶなかった………っと、余韻に浸っている暇は無いな」


精霊魔法レビテイトで上空へ離脱し、すぐさまネメシスに指示をだす。


(後は任せたぞ!)


一拍遅れて後方より大出力の光の魔導が発射される。その威力は敵の魔法障壁を物ともせず直撃!

尋常じゃない爆発音が周囲の木々を薙ぎ倒す。


(敵移動要塞の大破を確認)


上空に待機していたリムルによるバスターライフルの波状攻撃が止めとばかりに発射される。俺が使用しているライフルと合わせたツインバスターライフルは壊れかけた移動要塞に直撃し完全に息の根を止めるのであった。


(移動要塞の撃破を確認しました。騎士団の皆様への指示をお願い致します)


その声とともに物陰に隠れていた騎士団!その数およそ数千は軽く倍はあろう魔族の軍勢に対し怯むことなく突撃を慣行する。


「怯むなー!敵の要塞は沈黙した。残すは魔族のみ!我騎士団の力を見せるのだ!」

団長が檄を飛ばすとそれに呼応した騎士団は一斉に戦闘を開始する。


上空で見守っている俺は、作戦の成功に安堵し後方部隊と合流する為ミランダさん達の元へ戻るのであった。


「んもう!行き成り敵の攻撃を受け止めた時は焦ったわ。あんまり心配かけないで頂戴」


俺の帰りを待ち構えていたおねいさんは涙目で抱きついてくる。腰に無言でしがみついているのは、今回最も頑張ったユーリちゃん。


「すみません。一応防ぐ自信はあったのですが、話すと心配されると思って黙ってました」


「ダメなのです。こんな危険な事はいけないのです…………」

わんわん鳴き始めるユーリちゃんの頭を撫でながら宥める。


「すまんユーリ。もう無茶な事はしないから………だから、なっ」


目を真っ赤にしながら俺から離れようとしないユーリちゃんは安心したのか可愛らしい音がお腹から鳴った。


「後はエルフの騎士団に任せて俺達は後方支援をしましょう。ユーリも沢山魔力を消耗したからご褒美を挙げないとな」


「デザートにシュークリームも食べたいです」

上目づかいでご所望のユーリちゃんは既に腹ペコ状態だ。


「でも魔族の事任せても大丈夫かしら?リムルちゃんも心配だわ」


「アイツは勇者なんだし平気ですよ。元々俺達は支援をする為に待機しているんです。決して離脱する訳ではないし、これから怪我人も増えると思うので忙しくなりますよ」


「そうなのです。私たちが頑張らないとエルフさん達が魔族に負けてしまいます」


「では、回復部隊の援護に向かいますか」


二人は合意し回復部隊がいる場所へ移動した。勿論、メガバスターランチャーは回収。近くにいた魔導部隊と食事部隊も本来の持ち場へ戻ってゆく。前線では敵の大将と思わしき鎧武者の様な格好で腕が四本もある魔族とリムルが一騎打ちを繰り広げている。相手のステータスを覗き見るのは出来ないがユーリ曰く、リムルの方が圧倒的に強いらしく大丈夫との事。ちなみに相手の戦闘力は三万二千でリムルは十八万だそうだ。しかも本気を出していないらしい。流石は勇者様!しかし、何故?おもちゃのスカ○ターにそんな能力があるのかは謎だが………


「それにしても暇ね」


「暇くらいが丁度良いですよ。俺達が忙しかったら其れこそピンチになるじゃないですか」


後方支援と言う名の護衛任務に徹してしる俺達は暇を持て余していた。偶に来る怪我人を手当てするくらいで専ら観戦中だ。ユーリちゃんは後ろでお食事中!大変ご満悦な顔でシュークリームを食べている。百個程購入していた物はあっさりと食べ尽くされ現在は追加発注中。この子は一体何個食べるのやら……


今回、弓矢部隊には空圧砲を至急し空からの敵に対し対空部隊として機能して貰っている。魔法攻撃に加え、連続射撃が可能な空圧砲は戦局を有利に進めている。地上は騎士団の本来の力を発揮すべく攻撃的な陣形で数に勝る魔族を一蹴!常に一対複数の構図になるがお互いがカバーし旨く立ち回っているのが見える。この辺は統率が取れている騎士団と数は多いがてんでバラバラな魔族の軍勢との差だろうか。


優位に進んでいる戦局を揺るがすかの如く突如前線部隊と俺達がいる後方支援組との間に黒い靄が現れる。歪な形をしたクリスタルから生み出される魔の物が溢れ出す。


「クリスタルが現れました。早期の破壊と魔族の対応をお願いします」

支援部隊リーダーのエルフさんから声が掛かる。


「どうやら私達の出番の様ね。おねいさん頑張るわよ」


「お腹も膨れたし、体力全回復なのです」

ムフーっと鼻息荒く気合いを入れるユーリちゃん。


「クリスタルは俺が破壊します。二人には援護と周辺魔族の迎撃をお願いします」

そう言いながらウインドウからパワードスーツ用の盾とライフルを召還させる。今回はネメシスの出番は無い。それは作戦の都合上射撃特化型にカスタマイズされたのとおねいさんサイズに微調整された為装備出来ない。


「ん~残念だわ」


「何がですか?」


「えっ、パワードスーツをナツメ君が装備すれば私のニオイが嗅げるじゃない」

ニッコリと微笑みながら恐ろしい事を仰るおねいさん。


「そんな事しませんよ!」

慌てて否定するが、そう言われて少し残念な気分になったのは秘密だ!


「あら、そうなの?」


無視です。そんなもん答えられません!


何もいわずその場から逃げるように飛び立つと魔族をワラワラと生み出す異形の物体を発見する。


「これはさっさとケリを付けた方が良さそうだな」


照準をクリスタルに合わせる。その動作に気がついたアークデビル複数が俺に向かって飛来する。がしかし、虚空に浮かぶ相変わらずデタラメな数の魔法陣から火の玉!もとい、フレアボムの応酬で一瞬にして消し炭に変える攻撃に安心して引き金を引くと黒いクリスタルはいとも簡単に跡形もなく消し飛んだ。


その爆風を逃れた何体かの魔族も、肩慣らしにもならないお子さまが必殺のユーリちゃんパンチ!いや、FDYふぁいなるですてぃにーユーリちゃんパンチによって粉砕される。顕現してから物の十分位の戦闘に、周囲にいた支援部隊の面々は開いた口が塞がらないでいる。


「ひょっとして、私達にはもの凄く強い護衛がいるのではないでしょうか?」

ボソっとつぶやくリーダーのエルフさんの言葉に周りも黙って肯定するばかりだ。


魔族の起死回生の一手とも言える。挟み撃ちを狙ったクリスタル投下も十分と持たず蹴散らされ只々、支援組の指揮を上げる事となる。前線では戦闘力十八万を誇る(ユーリちゃん曰く)勇者様が敵の隊長各とも言える魔族を刺し貫きその勝利が更なる騎士団の士気を上げ押せ押せムードで魔族を蹂躙する。指揮官を失った魔族達も暫くは抵抗を見せたがチリジリに退却を余儀なくされた。



ダンゴ虫争闘作戦が大勝利に終わった瞬間だ!



「皆の者~!我が軍の勝利だ!勝ちどきをあげろーーーーー」

団長の一声が聞こえると周囲のエルフ達はそれぞれが歓喜の声を挙げる。


「おーーーーっ!やりました。大勝利なのです!」

両手を掲げ勝利のポーズ?を決めるユーリちゃんは早くも騎士さん達に囲まれてやっぱり胴上げされていた。恐らく食堂で戦った戦友達であろう。



(お疲れさまですナツメさ…さん。魔族の驚異は去りました)


(ああ、でもまだ前線部隊を退けたに過ぎない。敵の本体を相手にするにはやはり戦力が少なすぎる。この辺は戻ってから相談しないといけないな)


(そうですね。でも、この勝利は大きな一歩に感じました。皆様が力を合わせれば困難な道のりも乗り切れると思います)


(そうだな。先ずは今回の戦いで力を貸してくれた会社の仲間と、ルルベル。お前にも礼を言うよ。………ありがとう)


(ふぇ……………ふぇ~ん)


(おい、泣くなよ。恥ずかしいだろ)


(だって……ナツメ様が………デ、デレ……た……ふぇ~~ん)


暫く念話で慰めると目の前に二人の頼もしい仲間が様子を伺っている。


「すみません。今、ルルベルと念話で話していました。それでは、俺達も一端王都に帰りましょうか」


「エルフさん達を手伝わなくて良いんでしょうか?」


「俺達がいても邪魔なだけだろう。細かい所は任せよう。俺も腹が減ったよ」


「そうですね。お昼ご飯を未だ食べていません。私もお腹がペコペコです」


(良いのナツメ君。町の解放とか手伝えそうな仕事は沢山あるわよ)


(魔族に占拠された町並みをユーリに見せたくないのが本音です。良いことはありませんよ、ユーリには戦場の後始末的な事はさせたくありません)


(そうね、恐らく悲惨な光景しかないしその方が良いわ)


「じゃあ、私達も帰りましょうか」




おねいさんの一声に元気よく返事をしたユーリはお昼ご飯で頭が一杯だ。この子には戦場は似合わない。立派な冒険者に育て上げる。それが俺の仕事でありこの世界の大切な仲間なのだから………











作戦も無事に完了したサラリーマンに次なる試練が待ち構えています………多分!





皆様の暇つぶしに少しでも慣れれば幸いです

それではまた次回


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