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サラリーマンの異世界奮闘記(仮)  作者: アリス工房(仮)
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62.移動要塞攻略、準備編

いつもお世話になりますアリス工房(仮)です

移動要塞攻略に向けて一つの提案を出した。この作戦は色々と根回しが必要で、俺一人の力では作戦以前に対抗策となる物資が準備出来ない。この辺はルルベルの上司頼みだ。作戦案を説明し旨く行けば何とかなるかも知れないがあくまでも机上の空論でしかない。どう転ぶかは五分五分といった所だ。


話し合いも一先ず終息を迎え食堂にいるであろうお子さまの回収に向かった。


メイドさんに案内された部屋の中では熱き戦いが繰り広げられている。


騎士団と思わしき連中をかき分け中央のテーブルに目を向けるとお目当ての人物を発見した。恐ろしい数の丼を重ね、孤軍奮闘中のフードファイター!ユーリちゃんその人である。


「んむむむむ、負けられません」


ラーメンの様な汁物をカキ込んでいるユーリちゃんの両サイドは屈強そうなエルフ騎士が負けじと追従する姿が目に写る。


ギャラリーの男に何があったのか聞いてみると、もの凄い量を食べ漁るお子さまを見て歓喜した騎士さん達は、大食い勝負を挑んだ結果惨敗した。現在は第二ラウンドの汁物対決だそうだ。揃いも揃って騎士団は暇なのか?



一際大歓声が上がる中、両手を挙げて勝利のポーズを決めるファイター様。どうやら勝負は付いた見たいだ。


ユーリに話しかけようとすると、歓喜に溢れた騎士達に絶賛胴上げ中で近づけない。それにしてもユーリの胴上げを久しぶりに見た気がする。と言うか、この世界の人達はユーリを胴上げするのがデフォらしい。


「良い勝負だった」「見事な食べっぷりだ」「小さいのに対した物だ」等々!賞賛の声が挙がる中、渦中のお子さまに声を掛ける。


「お前、何やってるんだ?」


「うううっ~。久しぶりの胴上げは、いつもより恥ずかしいです」

ぐったりしながらこちらに来るユーリちゃんの目は死んではいなかった。


「お、女は逃げてはいけない戦いがあるのです!」


「そ、そうなのか………」


「そうなのです」

力強い言葉に彼女は戦い抜いたのだと、そして勝利を勝ち取ったのだと言わしめるのであった………………なんじゃこりゃ。


妊婦さんのようにポッコリ膨らんだお腹を擦りながら歩く姿は何処か勇ましい。満面の笑みで闊歩するお子さまは今日の反省も欠かさない。


「あそこはもう少し水を飲むタイミングを遅めればもっと楽な戦いに…………」

ブツブツ呟くファイター様は誰も止められない。


(ユーリちゃんあんなに食べて大丈夫かしら)


(ユーリさ…さんの独り言がダダ漏れでちょっと怖いです)


(そっとしておきましょう。今はイーティング・ハイになっているんですよ)


((??))


念話でのその受け答え。二人はかなりの上級者です。



ファイター様の壮絶な戦いを見終わった俺達は王都を後にする。次に訪れる時は物資が受理されたか、失敗の報告をするかの何方かだろう。ユーリとおねいさんには宿屋の予約を、るるえもんには上司への報告と俺の提案を兼ねて一度天界に戻る予定だ。取り敢えず帰るにあたって転移クリスタルは複数渡してある。


俺は、王都にある獣人族の商業ギルドへ紹介状の件を提出する為足を運ぶ。出来ればその足で人気のいない場所に移動して会社にホウ・レン・ソウと行きたい所だが、アホ勇者の策略にハマり迂闊な行動が出来ない。ダメもとで受付の犬耳お姉さんに開いてる個室のような場所を使えないか確認したら、あっさりと案内された。場所も特別な部屋を用意してもらう。恐らく俺のギルド証(マリン商会所属)が無言の圧力をかけたのだろう………何かすみません。



防音設備が整った場所を提供してくれた犬耳さんに感謝の言葉を伝え部屋の中に入る。一応、監視装置等が無いか魔力で調査してみるがそれらしき物は見あたらない。念のためお風呂で使用しているパーテーションを取り出し四方を固める天井は格好悪いがブルーシートで覆い尽くし目視では解らないだろう。準備を整えるといつもの定時連絡と別世界に滞在する同期の連絡を依頼する。


数回のコール音とともに本日も大変お美しいあのお方がモニター越しに映し出される。


「お疲れさまです定時連絡ですね」

超絶美人の女神様こと山田さんのご登場だ!


「お疲れさまです。今日の活動と今後の予定を報告します」


いつも通りの連絡と今後俺達が移動要塞攻略するにあたり必要な物資の供給案やリムルの召還等、多少掻い摘んだがすべて報告した。今回は、話の内容がかなり深刻な為途中で課長様も登場し、俺の安らぎの場は失われた。


女神様カムバーーーック!


俺の無茶な注文も決して否定せず全てを聞いた上での問題点や改善策を提示され、あらかた方向性は見えてきた。これから行われる作戦は少なからず玲美やめがねも巻き込む事になるので彼女達には後で個別でお願いするつもりだ。ただし、この作戦は要求した物資が受理される前提の話なので今は結果待ちと言った所だろう。


作戦内容については別途報告書を求められる。まあ、当然である。


今日は、楽しいフリートークは無く。そのまま楽しくない同期との通信に移行された。久方ぶりに見る奴の姿は心なし疲れた表情で画面に現れた。


「久しぶりだな夏目」


「ああ、勇者の案件以来だな。子供は元気にしてるか?」


「元気すぎて毎日寝不足だよ。お前も早く結婚してこの苦しみを味わえ」


「うるせえよ!」


他愛もない世間話から始まる通信。久しぶりの同期との会話が懐かしく思う。コイツも俺と同じで現地に滞在しっぱなしな所も同じ境遇で話が合うのかもしれない。いや、結婚している分、奴のが上な気がする。くそう成功者め!


「それで、今日は何の用だ?」


細かな内容は省いたがリムルの事、それから斉藤がいる世界の状況などを確認した。


「なるほど、それじゃあ勇者は元気にしてるんだな。それだけ聞けりゃ慌てて帰ってこなくても大丈夫だ」


「お前ん所の魔王様は平気なのかよ!勇者がいないんだぞ」


「ああっ、内の魔王様は世界征服よりもお菓子作りに夢中になってるから問題ないぞ」


魔王がお菓子作りって!話を聞くと、斉藤が作ったティラミスを甚く気に入った王はお菓子作りに夢中のご様子。その影響か、魔王城は空前のお菓子ブームが巻き起こっている。どんだけ平和な世界なんだ。


「あの嬢ちゃんには丁度良い世界に行けたんじゃないか?」


「どう言う事だ?」


「俺がいる世界では政治的な戦いの方が多いからな、今は勇者の力をあまり必要としていない」


「通りで、最初に目撃した時のあいつは魔族の軍勢相手に暴れ回っていたからな」


あいつはどちらかと言えば脳筋タイプだし、相当ストレスが溜まっていたのではなかろうか。こっちで暴れられるのもどうかと思うが………


「じゃあ、勇者は暫くこちらで預かるよ。お前もそれとなく伝えといてくれ」


「OK!」

「ああ、そう言えば内のかみさんがどうしてもお礼がしたいと聞かないんだ。何か欲しいものとか無いのか?」


「急に言われても今の所は特に………」


「お前んとこ、魔族に襲われてるんだろ?何かアイテムでも貸してやろうか?」


斉藤の提案にダメもとで現状の置かれている状況とこれから行う作戦について話をした。


「すげえ状況だな。良かったよ内の魔王様は平和主義者で………ああ、でも。それだったらお誂えの道具が用意出来るぞ!」


借り受けられる道具の内容を聞いた俺は二つ返事で了承した。これがあれば何とかなりそうだ。やっぱ、持つべき物は同期だな!


「やべ、そろそろ向こうで会議の時間だ」


「すまないな引き留めてしまって。後で申請書送るからよろしく頼むよ」


「ああ任せておけ。お前も無理するなよ!」


それだけ言うと通信は途絶えた。



他愛の無い会話から一転して貴重なアイテムを借りられる。後は俺の要求した物資が受理されれば何とかなりそうだ。暗闇の中に一筋の光が照らされる感覚を感じつつも、他にも頼らなければならない人物に通信を試みるのであった。



結局その日は長時間部屋に閉じこもって準備に明け暮れた。主にお願いばかりでそこいら中に借りを作った気がする。返済するのが大変そうだ。途中、帰りが遅い俺におねいさんの浮気調査と言う名の念話が来るが、居場所が商業ギルドなので販売権の交渉が云々と誤魔化した。内のお子さまが腹ペコで倒れそうと抗議を申し立てられ急ぎ宿に戻ることになった。昼間アレ程食べた食料は何処へ?どんだけ消化が早いんだ。


「すみません遅くなりました」


宿屋の入り口にはおねいさんと腹ペコ姫。それと何故か?リムルの姿が………


「何でお前がいるんだ?」


「ナツメ殿は冷たいなあ。親睦を深めるために一緒に食事をと思って来たんだ」


「ナツメさん。そんな事より早くご飯屋さんに行きましょう。お腹が空きすぎて死んでしまいます」


「昼あれだけ食べた物はドコへいった?」


「とっくに消化しました」

腰に手をあてて仁王立ちのユーリちゃん。心なしかドヤ顔である。


「そう言えばルルベル殿の姿が見えないのだが」


「ルルちゃんなら実家に帰省中よ」


「そうなのか………それは残念」


「ナツメさん。お腹が空いたのです。お腹が空いたのです。早く食べないといけないのです」

本人は念話を送っているつもりだが、言葉がダダ漏れ状態の姫様。


「ユーリちゃん。言葉がまる聞こえよ」


「はっ!そ、そんな筈は………」

顔を真っ赤にする姫様は念話が苦手のご様子。


「このままだとユーリが倒れてしまうので出発しましょうか」


「むー!意地悪です」


ご不満なお子さまを窘めつつ食事処に移動する。相変わらずの食べっぷり無双を続ける中、会社からの通信メールが届いた。中身を確認すると俺が兼ねてから申請をしていた物が正式に受理された内容文であった。




軍事用試作機、メガバスターランチャー!




これが移動要塞攻略の切り札となる俺が申請した物資だ。









サラリーマンは移動要塞相手に奮闘します。







皆様の暇つぶしに少しでも慣れれば幸いです

それではまた次回

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