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サラリーマンの異世界奮闘記(仮)  作者: アリス工房(仮)
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58.再会

いつもお世話になりますアリス工房(仮)です

騎士団が魔族の進軍を阻止すべく動いたのが数日前。その情報をギルドで得た俺達は動向を探るべく急ぎ追いかける事となった。飛翔魔法を駆使して飛ばすこと二日間。漸くラナンサらしき町並みが見えてくる。


魔法を解除して町の入り口に近づき、ダメもとで中へ入れるか門の守衛に聞いた所。門前払いまでは流石に夕刻だったのでされなかったが、宿屋で一泊したら王都へ戻れと言われた。まあ、一泊だが町へ入れたのは情報集めも出来るし上出来だろう。そんな訳で今回も二チームに別れて聞き込み調査を開始した。


「騎士団がこの町へ来たのが昨日だったかな」

仕事中のお兄さんが気さくに答えてくれる。


「そうですか、忙しい所ありがとう」

お礼を言ってその場を立ち去る。


「う~ん。騎士団の情報は得られたけど、魔族についてはさっぱりだな」


「魔族の目撃情報が知りたいですね」


今回のパートナーはるるえもん。一応見た目は可愛いので、男が話しかけるよりは好印象を持たれる事から聞き込みの手動は任せている。


「しかし、この町は結構広いな。メイン通りがずっと先まで続いて居るぞ」


真っ直ぐ続く大通りは中央広場まで目測だが数百メートルはあるのではなかろうか。


「人通りも多いですしミランダさ…さん達を探すのも一苦労ですね」



町の入り口から延びるメイン通りは両側にお店がある商店街の様な造りになっている。左右に細い路地などもあるが奥は民家が建ち並んでいて、家の造りも石レンガがメインとなっていて道も舗装されている所からこの町は王都に近いだけあって栄えているのであろう。歩いていると何かが焼ける香ばしいにほいも漂ってくる。ユーリじゃないが屋台巡りの誘惑に囚われそうになるのも頷ける。


「あと何人かに聞いたら一端合流しよう」


「お二人は何か有力な情報を得られたのでしょうか?」


「どうだろうな。あまり変わらないと思うが良い情報に期待しよう」


「そうですね」

ニコニコ笑顔で頷くが何処か名残惜しそうな表情をする。


待ち合わせ場所に指定した町の中心部に位置する中央広場(勝手に命名)は真ん中に巨大な石像が西日の照らす陽光が反射している。その姿は何処か幻想的な雰囲気を醸し出している。


話の取っ掛かりで石像について聞いたのだがゲネス女王をモデルにした物で、この町の彫刻家が手掛けた像らしい。腰に手をあてて凛とした佇まい。顔つきは険しいがお綺麗な容姿をしている。本物は当然見た事が無いが、エルフの女王だけあって美人さんなのだろう。


石像の足下に待ち合わせの相手が見えてくるのだが、何故か?エルフのお兄さん方に囲まれているおねいさんは怪訝な顔をしている。そんな野郎達をかき分けて合流する。


「お待たせしました。一体何なんですかこの人だかりは?」


「あっ、丁度良かったわ。この人が私の夫です」

等と仰りながら腕を組んでくるおねいさん。


「なっ、な何を……」

急な発言に驚いて反論しようとしたら小声で耳打ちする。

「良いから話を合わせて頂戴」


「ああ、妻に何の用だ?」

恐らくナンパの類であろう正直メンドクサい。その空気を察したのか先程までの人だかりが蜘蛛の子を散らすように去っていく。途中捨て台詞のように「俺の方が男前だ」とか抜かした奴は後でお仕置きをするとして、何事か聞いてみる。


「一体どうしたのですか?」


「石像の前でナツメ君達を待っていたらやたらと声を掛けられるから聞いてみたら、私の雰囲気が女王にソックリらしいのよ。ホント迷惑だわ」


プンプン丸のおねいさんはナンパ野郎達の相手をずっとしていたらしい。頼みのユーリちゃんはしゃがみ込んでお饅頭を頬張りながら眺めていた。本人に聞いてみると知り合いだと思ったらしい。この辺の教育も随時行わないといかんな!


「ううっ~すみません。てっきりお知り合いだと思ってました」

しょんぼりするユーリちゃんは袋に入ったお饅頭をお詫びとばかりにおねいさんに渡す。


「良いのよ別に。ユーリちゃんが悪い訳じゃないわ。悪いのはナンパ君達ね」


お饅頭を受け取ったおねいさんは半分こしてるるえもんに渡している。それを輝かんばかりの表情で受け取ると美味しそうに頬張る。


そんな仕草を見た俺の勘が正しければこいつ、饅頭が気に入ったな。

「ひょっとして我慢してたろ」


ビクッと驚いた表情で振り向く天使さん。

「か、買い食いするとほっぺさんを引っ張られると思いまして……」


「あのな、言ってくれれば少しぐらいの寄り道は構わんぞ」


「そうだったのですか?」


「お前、俺のこと何だと思っているんだ?」


「…………」

無言で租借する、るるえもん。


「よーし。お前の言いたい事は理解した。やっぱりうにょんの刑を……」


すかさずお子さまの後ろに隠れる天使さん。


「ルルベルさんをイジメてはいけません」

両手で庇うお子さまに感激して目をウルウルさせている。


「冗談だよ。冗談!」


気を取り直してこれからについて意見を述べる。

「早速だが、何処かの飯屋で報告会だな」


「それなんだけど、悠長に話している暇はなさそうよ」


おねいさんが得た情報だと、騎士団御一行は昨日出発した後魔族の拠点を突き止めたらしい。何故?その情報を知っているのかと言うと、ナンパ野郎の中に騎士団の一人がいた様でそこからの話なので信憑性は高そうだ。と言うか、伝言する為に戻って来たのにナンパとか大丈夫なのか騎士団!


襲撃は明朝で一気に殲滅するとの事。作戦内容までベラベラ話す騎士の男にはガッカリだが、お陰で有力な情報を得られたのでおねいさんには悪いがあながちナンパもバカには出来ない。


「それならば騎士団の居場所は知っておきたいですね。早速キャンプの準備と移動を開始しましょう。それから、お詫びと言っては何だがお饅頭も買って行きましょう」


「本当ですか!」

余ほど気に入ったのか目を輝かせる天使さん。


「ああ、好きなだけ買っていいぞ。そのかわり食べ過ぎで体調不良だけは勘弁な」


コクコク頷くるるえもんはちゃっかり話に加わったお子さまと手を取り合ってハシャいでいる。コイツ等何個食べる気なんだ。



食材(主にお饅頭)の買い出しを終えた俺達は、一路町を飛び出し騎士団が野営しているエリアを目指した。


広大な大陸で大人数とは言え騎士団御一行を探すのは苦労しそうかと思ったが、万能型スカ○ター搭載のユーリちゃんが「あっちの方角に複数の強い魔力を感じます」等と仰るもんだから先導されるようについて行くと簡単に野営らしきテントの集団を見つけた。


「あまり近づくと気づかれる恐れがあるので、今日は離れた場所でキャンプを張りましょう」


いつもの役割分担で準備を進める俺達。今日のキャンプ地は騎士団から離れること数キロに位置する森林場所の入り口に決める。これ以上進むと見渡す限りの大平原となり隠れる場所が皆無となってしまうので妥協した。明朝動き出すと言ったがどの位の時間に出発するのか不明な為。今回は、早起きして動向を探る趣旨を皆に話した。


寝坊助ちゃんは早速寝ようとしていたが前方にいる騎士団が気になってか中々寝付けないでいる。


「どうしたユーリ?」


「騎士団の中に一際強い力を感じます。恐らく私達と同じ位です」

布団の上で女の子座りをしたユーリちゃんが、ジッと見つめる方向には騎士団が野営をしている。


「えっ!私達と同じ位って……」

おねいさんは、驚きの表情で騎士団のいる場所を見つめている。


「エルフ族にそんな強い奴がいるのか?」


わたくしが知る限りでは、ナツメさ…さん達と同等と呼べる強さを持ったエルフを存じ上げません。魔力量だけでしたらエルフ族の中にも優れた方はいらっしゃいますが、その様な方は王都に居られると思います」


「数は何人だ?」


「ズバ抜けているのは一人です。後何人かはそこまででは無いですがそこそこ強いです」



俺達と同クラスが一人か、明日の戦いは益々目が離せなくなってきた。そして何よりそんなクラスの騎士がいて何故大敗を喫したかも解れば良いのだが………


明日の予定を打ち合わせして、今日は早めに就寝する。気になるのはユーリが言っていた、俺達と同クラスの力をした存在!そいつの動向をメインにエルフのお手並みを拝見させて貰おう。少し高ぶった感情は、遠足前の夜に似ている。俺もガキっぽい所があるものだ。



翌朝!


騎士団が動き出すのを見計らって俺達も尾行を開始する予定だ。念のため日が昇る前に起床したもんだから寝坊助ちゃんは、まだ半覚醒状態で油断すると二度寝しそうで危なっかしい。


「ちゃんと起きてるか?」


「らいじょうぶです。目覚めはバッチリですにょ」

まだ寝ぼけている見たいだ。


明け方だと言うのにお化粧バッチリの女子二人は今日も大変お美しいです。

それぞれが簡単な朝食を取る中。まあ、若干一名は本気(マジ)食い。軽い準備運動をしてから各々装備を確認する。


朝特有の冷んやりとした風が否が応でも身の引き締まる思いだ。


「では、出発しましょう。くれぐれも無茶はしない様に!」


「ナツメさ…さんが一番無茶しそうです」

俺以外の全員が頷く態度に侵害とばかりに抗議する。


「嫌だなあ、そんな無茶しませんよ」


ジト目て見つめるおねいさん。

「説得力が無いわね」


「ナツメさんから無茶を取ったら何も残りません」

酷い言われ様だ。女子三人は俺の事を何だと思っているのだ。


無言の抗議をしながら静かに飛翔魔法を唱え、遥か前方に位置する騎士団を追いかける。


気付かれない程度の高さと速度で空からの尾行を始めてから数時間が経過した。


禍々しい魔力!不快感にも似た嫌な感じが感覚的ではあるが伝わってくる。どす黒い瘴気がまるで騎士団を待っているかの様に立ちはだかる。


上空から観察中の俺達は、御誂え向きとも言える岩場を見つける。この場所からなら少々距離はあるが戦いの全貌が見渡せる。


騎士団は偃月(えんげつ)と呼ばれる大将を筆頭に半月状に展開される布陣が取られている。この辺はめがねに教えてもらったゲームの知識なのだが………


とすると、先頭にいるのが騎士団の大将だろう。小さすぎて人物までハッキリと見えないので急遽アイテムウィンドからパワードスーツを召喚し装備する。


相変わらずの真っ赤なフォルムに勝気のサポートナビを務めるネメシスさん。


(マスター!今日は前方に伺える魔族を駆逐するのですね。でしたら良い考えがーー)


「ーーああ、取り敢えず騎士団の先頭にいる人物を拡大してくれ」


その人物が拡大され姿がハッキリと認識され俺の思考は停止した。



…………何であいつがこの世界にいるんだ?



無意識に体が動き出す。先頭で魔族相手に無双を繰り広げているあいつしか見えない。



「もう!ヤッパリ無茶するんだから」

諦めにも似たミランダさんの声が聞こえてくるのを尻目に飛び立つのであった。








サラリーマンはヤッパリ無茶をします。






皆様の暇つぶしに少しでも慣れれば幸いです

それではまた次回

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