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サラリーマンの異世界奮闘記(仮)  作者: アリス工房(仮)
33/72

32.レッドスターへの道

いつもお世話になりますアリス工房(仮)です




今回は少し長めになっています。







「昨日はもの凄く疲れた」この一言が、すべてを物語る!


大衆浴場で湯船に浸かりながら昨日の事を思い出す。昨日はミランダさんのお買い物と言う名のデートで一日中町を歩き回った。前の日に、めがねに説教をくらいミランダさんとのデートについてレクチャーを散々聞かされ、寝不足状態で待ち合わせの中央広場へ移動する。


そもそも、同じ所で寝泊まりしているのだからワザワザ待ち合わせしなくても良いのでは?とめぐみに聞いたら烈火の如く怒られた。女子はムードとやらが大事だそうだ。それから、女性のエスコートの仕方からさり気なく褒める話術など、途中ヒートアップしてきためぐみが収集つかなくなりレッスンは深夜に及んだ。


通信の終わり間際に「今回は、ミランダさんに譲るけど次はそうは行かないにゃ!」等と言っていたが意味が解らん。


朝方、アイテムウインドに手紙が入っていて中身を確認すると、親衛隊からの手紙であった。そこには恐ろしくて途中で読むのをやめる程の内容が書かれていたのでそっと封印致しました。


色々あったが無事に?デートも終わり。最後に立ち寄った高級洋服店でミランダさんに白色のブラウスとロングのフレアスカートをプレゼントした。スカートは赤色を基調として、普段黒い魔法衣姿か寝間着の格好ばかり見ていたので、改めて何を着てもお似合いなおねいさんに正直驚いた。プレゼントした時の頬を染めながらお礼を言ってきたお顔は、マジでやばかったのは此処だけの話しだ。


そして、二週間後!


前日はバタバタして殆ど寝てない状態だが、無事に完成する事が出来た。アカネの実で塗装した物は、魔力を注入すると瞬時に乾くチート使用も手伝ってなんとか間に合った。今回は、お子さまも珍しく奮闘し今は幸せそうな寝顔で口をモニョモニョしている。恐らく何か食べ物の夢でも見ているのであろう。


おねいさんも朝昼晩の食事や特製スタミナドリンク作成など、間接的ではあるが頑張ってくれた。今は何故か?俺の膝を枕にして就寝中だ。

俺は動くことが出来ず、今はリセラさんにお茶を渡され一息ついている。


「なんとかコンテストに間に合いました。これも、皆さんのお陰です」

殆ど寝てない状態で、疲れ切った顔をしているが何処か達成感の様な物を感じながら嬉しそうに頭を下げる。

「間に合って本当に良かったです。それで、コンテストに出品するにはどうしたら良いんですか?」


「コンテストは中央広場で行います。それぞれの作品を飾り、町の人に身て貰います。夕刻に投票を行い今年の優勝者が発表されるのが毎年の流れです」


「なるほど。優勝出来ると良いですね」


「はい!皆さん頑張りました。それに、今回は自信があります」


リセラさんはこの二週間!本当に頑張った。それこそ寝食を忘れほっとくと徹夜で作業するものだから無理矢理、眠らせたりしながら作業した。是非!優勝してもらいたい物だ。


俺も数時間の仮眠を取りコンテストに望む為、中央広場へと移動した。既に甲冑という名のパワードスーツは中央広場に飾られていて、ミランダさんとユーリはそれぞれ御粧しして作品の所に陣取っている。二人とも気合い入りすぎではないか?正直、目立ちまくっている気がする。


「おはようございます。二人とも朝から気合い入ってますね。ミランダさんも、早速着てくれているんですね。素敵です」

女子の服装は最初に、褒める・煽てる・賞賛する!とめがねに教えられた。


「ありがとうナツメ君。嬉しいわ」

ちょっぴり頬を染めて喜んでくれるおねいさん。


「ナツメさん、ナツメさん!私はどうですか?」

こちらも褒めて貰いたいらしく猛アピールするユーリちゃん。

「ああ、ユーリもとっても可愛らしいよ!」


「エヘヘ。褒められました」

いつもの突っ込めない魔法少女Verに着替えたユーリ。彼女曰く、勝負服らしい。


三人には店番ではないが、作品の前で町の人の相手をして貰っている間。他の作品を見て回ることにした。言ってみれば敵情視察である。


外周が円上になっている中央広場。大きさはドーム球場くらいの広さで、作品はそれぞれが中央に円になって飾られている。横との広さもかなりあり、スペースには余裕がある。おねいさんとユーリは二人してイスに座っている。リセラさんは、町の人に話しかけられると作品の説明をしている状態だ。


外側には元々あるお店や屋台なんか出ていて、お祭り騒ぎになっている。うちの食いしん坊は早くも屋台で購入した串焼きやらホットドック?らしき食べ物を両手いっぱいに購入して満面の笑みで頬張っている。


おねいさんは相変わらず優雅にティーセット?を何処か等か取り出しお茶を堪能している。当然、いつもの玉座は健在だ!


他の出品者も中々の出来だと思う。流石!染め物の町というだけあって、鮮やかな色彩の甲冑に見惚れてしまう。中でもアルマダ商会という所から出品されている甲冑は群を抜いて素晴らしく思えた。後でリセラさんに聞いたら、どうやらこの町で一番の老舗の染め物屋だそうだ。強敵現るといった所だ!


リセラさんが出品したシ○ンジュも町の人に中々の好評価で、ヒョットすると良い線行くのではないかと期待してしまう。そんな中、暫くすると事件が起きる。


冒険者らしき格好のガラの悪い二人組が、リセラさんの作品に文句をつける。

「何だこの甲冑は、変な形をしているな!こんなんで良くコンテストに出品したな!」

ガハハハと下品な笑い声を上げ文句を付けてきた。


それぐらいならドコにでもいそうな輩なので無視しようとしたが、リセラさんの作品に触ろうとした事に腹が立った俺は 馬鹿どもの相手をする。

「汚い手で触るなおっさん!何ならこの甲冑と勝負してみるか?」

後で思い返すと、安い挑発に乗ってしまった自分に反省しています。


「ナツメさん!」

リセラさんも心配になって俺を呼び止める。


「問題ないです。この甲冑!そこいらの物とは比較にならないほど凄いですよ。折角なので色彩の綺麗さだけではなくこの甲冑の強さもお見せしますよ」


「おもしれえ、相手してやんよ小僧!」

剣を抜きながら罵声を浴びせるおっさん。


アイテムウインドにシ○ンジュをしまうとアイテム欄の装備をクリックする。すると、一瞬にしてパワードスーツは俺を包み込み装備が完了する。


驚いたおっさんは明らかに動揺している。

「な、何だ今のは………何しやがった?」


何処かの軍の紋章を象った盾を装備し構えをとる。流石に空圧砲や剣で切り捨てたら相手が死んでしまう。この程度の相手なら素手で十分だ!


(パワードスーツの起動を確認します。社員番号と名前をお願いします)

耳元から聞こえてきた機械的な女性の声に一瞬、戸惑いながらも名乗ってみる。


(認証完了しました。私はサポートナビゲーターのネメシスと申します。マスター指示をお願いします)


「えっ?何このシステム?聞いてないぞ。取り敢えず現状を把握したいのだが」


(了解しました。敵、人型の生命体が二。どちらも戦闘力五!ただのゴミです。マスターであれば瞬殺出来ますがどう致しますか?)


どうしますかと言われても………取り敢えず殺さない方向で気絶でもして貰おうかと思い指示を出そうとすると、遠くで悲鳴にも似た声が聞こえる。


「ワイバーンが現れたぞ!」


その声とともに上空を一体の大きな飛龍が飛来する。大きさがこの前戦ったワイバーンよりも遙かに巨体で、優に十メートルはある。俺は二人に迎撃することを聞こうとして愕然とした。そう言えば二人とも今日はりりかるさん(白黒魔法衣)を装備していない。


「ナツメ君!お願いね。私とユーリちゃんは地上で援護するわ」


「ナツメさん!ワイバーンを地上にたたき落として下さい。そうすれば盾の餌食です!」

物騒なことを仰るユーリさん。


そうなりますよね。今回は、上空に飛べるのは俺だけか等と思いながら飛翔魔法を唱えようとすると、サポートさんがしゃべってきた。


(マスター。飛翔魔法は必要在りません。パワードスーツにはバーニアスラスターが標準装備されておりますので、そちらをお使い下さい)


その言葉を聞いた俺は、素直に従い飛び方を教えて貰う。背中からジェット機のノズルの様な噴射口が開くと一気に上昇する。上空でワイバーンを待ちかまえると、ワイバーンが口から火の玉を吐き出して来る。一直線に向かってくる火の玉を既存の盾で防ぐと、いとも簡単にあっさり霧散した。

「何この盾?恐ろしく頑丈なんですけど!」


(当然です!あの程度の攻撃など、我が機体に傷一つつけられません)

ドヤッ!と聞こえる言葉に安堵するとともに、攻撃方法がないか聞いてみる。

「ネメシスさん。何か攻撃手段とかないっすかね?」


(私のことはネメシスとお呼び下さいマスター!盾の裏側にヒートアックスがあります)

盾の裏側を確認すると、確かに斧が搭載されている。それを取り出し装備すると斧の切っ先部分が発光している。何でも、会社が新開発した魔力で高出力のエネルギーを圧縮させた装置で、切れ味も普通の数倍の威力があるとのこと。


ワイバーンに近づこうにも火の玉で牽制され近づけない。攻め倦んでいると、いきなり視界の片隅にミランダさんが表示された。

「ナツメ君。下から魔法で足止めするからその隙を見計らって攻撃して頂戴!」


「えっ、えっ。何で通信出来るのですか?」


(私が、ミランダ様と通信を取り付けました)

驚いていると、ワイバーンの周りに無数の魔法陣が出現する。下を見ると超ミランダさんが発動!相変わらず玉座に座ったままの攻撃!一斉放射のフレアボムをまともに受けたワイバーンは多大なダメージを受ける。一瞬の隙を見逃さず、上昇しながらヒートアックスの一撃!


ワイバーンの頭を見事に粉砕した。絶命し、制御を失ったワイバーンが地上へ落下する。

「まずいっ!下には町が!」


慌ててワイバーンに近づいた俺は下からそれを受け止める。かなりの衝撃を受けながら何とか支えることに成功し、そのまま中央広場へと静かに降ろす。


一瞬の静寂!


町の人の大歓声にワイバーンの驚異から町を救えたこと事にホッとするのであった。


このデモンストレーション?のような大立ち回りがが決め手となったかは解らないが、この年の優勝はリセラさんが見事に輝きレッドスターの称号を得られた。


「やりましたナツメさん。これも皆さんのお陰です」

泣きながら嬉しそうにするリセラさん。


「リセラさんが頑張ったから優勝出来たんです。俺達はそのお手伝いをしただけです。でも、本当に良かった」


ミランダさんとユーリも我が事のように喜んでいるし、優勝出来て本当に良かった。


これは、余談であるが先程絡んできた冒険者風のガラの悪い二人組は以前。リセラさんの店に進入したやつらだった様で、パワードスーツを着たまま問いつめたら面白いように白状した。どうやら、リセラさんの才能に嫉妬した近くの染め物屋のおやじが雇ったゴロツキで、三人そろって町の自警団に連れて行かれた。


コンテスト終了後は、宴会となり大いに盛り上がりを見せ、その宴は翌日まで及んだ。今までの鬱憤を晴らすかのようにうちの食いしん坊は、余興の大食いコンテストに参加すると、他を寄せ付けずブッチギリで優勝をかっさらって行ったのには驚いた。

一時間で串焼き百本食べたお子さまは大変満足し、貰った賞金で今はデザートらしき物を食べている。恐るべし食いしん坊!


「今日は楽しかったわ。ほんと、ナツメ君といると飽きないわ」

ほろ酔いで腕に抱きついてくるおねいさん。確かミランダさんも、もの凄い量のお酒飲んでいなかったか?周りに複数の酔いつぶれた男達は見なかった事にしよう。今回は戦い以外での二人のポテンシャルに驚いた気がする。


俺ですか?もちろん俺は普通ですよ。数名の町の女性に声を掛けられた時は嬉しくてついて行こうとしたら、二人の鉄壁の防御の前に涙を飲んだ位です。


そして、翌日!


「お世話になりました。この後俺の知り合いの人がお店に伺うと思うのでよろしくお願いします」


「こちらこそ楽しかったです。皆さんが無事に旅を続けられる様、祈っています。この町に来たら是非!お店に来て下さいね!」

俺達はリセラさんと握手を交わし再会を約束するのであった。


非常に涙もろいユーリちゃんは涙腺が決壊している。

「うえええん!さみじいです」


「あんまり徹夜とかして無理しないで頂戴!」

おねいさんも笑顔で話す。


「はい!お気よつけて」

元気に手を振るリセラさんに、俺達も見えなくなるまで手を振り返すのであった。


リセラさんの仕事ぶりと技術に会社の上層部が大変気に入ったらしく、リセラさんと専属契約を結びにこれから営業が打ち合わせで転移してくると早朝に連絡が入った。リセラさんとは今後も長い付き合いになりそうだ。この事は二人に内緒だけどね。


それから、シ○ンジュの行方だが、俺のアイテムウインドに保管されている。何でも実践データが欲しいらしく、会社側はデータの提出さえすれば良いので使用してくれと、半ば強制的に押しつけられた。新装備も届くそうなので、これは楽しみにしておこう。


さあ、次はいよいよ!目的地の精霊都市に到着する。かなりの道草を喰ってしまったが念願のスキルが取得できる。目的の一つでもある精霊のスキル付与!どうなることか………期待を胸に宿しながら今日も快晴の青空の下、俺達三人は精霊都市を目指すのであった。





いよいよ、目的地の精霊都市に近づいたサラリーマン果たしてスキルを取得出来るのか!

サラリーマンは精霊都市でも奮闘します。





皆様の暇つぶしに少しでもなれたら幸いです

それではまた次回

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