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なんかよく分からないけれど怖い話  作者: 日暮キルハ


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浮かび上がる顔

 先日、SNSで話題になっていた「錯視(目の錯覚)展」に行ってきました。

 そこで一番驚いたのが、『隠し絵』のコーナーです。


 一見するとただの複雑な幾何学模様なのですが、中央にある「赤い点」を30秒間じっと見つめた後にパッと視線をそらすと、真っ白な壁に「美しい女性の顔」が浮かび上がるという展示でした。


 解説パネルにはこう書かれていました。


「この体験ができるのは、模様の中に極めて薄い色で『顔のパーツ』が計算されて配置されているからです。脳が残像を処理する際、その薄い情報を手がかりに、存在しないはずの輪郭を補完して見せてしまうのです。つまり、そこに『元となる図形』がなければ、この錯覚は絶対に起きません」


 私はその仕組みに感動し、家でも試してみたくなりました。

 ちょうど私の寝室のエアコンには、運転中を示す小さな「赤いLED」がついています。


 昨夜、ベッドに横たわりながら、真っ暗な部屋でその赤い点だけを30秒間、じっと見つめてみました。  

 そして、パッと視線を真っ白な天井へと移したのです。


 すると、視界がチカチカした後に、天井いっぱいに「大きく口を開けて笑う、見知らぬ男の顔」が、どろりと浮かび上がりました。

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